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ミシュラン、ペリニオ前社長と須藤新社長の共同会見 「ワクワクするサステナブルモビリティを」

2021年4月13日 開催

日本ミシュランタイヤ株式会社 前代表取締役社長 ポール・ペリニオ氏(左)、同 代表取締役社長 須藤元氏(右)

日本ミシュランタイヤ社長

 日本ミシュランタイヤは4月13日、4月1日付けで社長を退任したポール・ペリニオ氏と、4月1日付けで社長に就任した須藤元氏の共同記者会見をオンラインで開催した。ぺリニオ氏は、東アジア・オセアニア地域(中国除く)のB2C営業責任者となり、タイに転任するとともに日本を含むより広範なエリアの乗⽤⾞・商⽤⾞・2輪営業部を統括していく。

 須藤氏は日本ミシュランタイヤ株式会社として、初めての日本人社⻑となる。中国ミシュランタイヤ 直需タイヤセールスマネージャー、日本ミシュランタイヤ 直需タイヤビジネスビジネスアナリストなど歴任した。

 会見では、ペリニオ氏からあいさつ。「2015年に日本ミシュランタイヤの社長に就任してから5年半、社長就任前から合わせると合計18年近く」という日本滞在時のお礼を述べるとともに、これまで担当してきた仕事を振り返った。その上で、「ミシュランにはPeople-Planet-Profitという世界観があります。人や環境に貢献することで利益が生まれ、会社を存続させてさらに社会に貢献していく」という考え方を紹介。「これは日本語で昔から『三方よし』と言われるwin-winの考え方で、私はこの3つが完全に共存した時、all sustainableな素晴らしい世界が生まれると確信しています」と、常々ペリニオ氏が語っている「三方よし」について触れた。

 須藤氏は、「このたび、ペリニオの後を継ぐことになり、大きな責任とやりがいを感じています」と今後について大きな期待を示した後、ペリニオ氏の語った「People-Planet-Profit」をさらに展開。それぞれを深化し、「ミシュランという企業を、そしてこの社会を、進化させて次の世代に引き継ぎます」と語る。「日本ミシュランタイヤは1人ひとりが自立的に社会の中の存在意義と役割を果たし、より強い組織となって日本社会に貢献します。よりお客さまに喜ばれ、私たちも利益を上げることができる日本らしいビジネスを、自由な発想とチームワークで作っていきます」と方針を示した。

日本ミシュランタイヤが目指すもの
「イノベーションのフロンティアになる」

ペリニオ氏の思い出、須藤氏の取り組み

 ペリニオ氏に日本での思い出を聞いたところ、「社長に就任してから5年半、社長就任前から合わせると合計18年近く日本にいたので思い出はいっぱいあります」と語った上で、やはり一番はこの1年のコロナ禍だという。「ちょうど1年とちょっと前、日本で緊急事態宣言が出る前に、どうやってお客さまや社員を守ったらよいのか」という危機のマネジメントを実施。その危機マネジメントは今も続いているし、続けていかなければならないという。世界的にも大きな危機であり現在も続いているだけに、ペリニオ氏の中でもコロナ禍は強い印象を残しているようだ。

 一方、須藤新社長については、近年グローバルで導入が進んでいるタイヤの定額制であるサブスクリプションモデルの日本導入について聞いたみた。須藤社長は2024年の市場導入を目指してGMと共同開発しているエアレスタイヤ「アプティス」を例に挙げ、このようなエアレスタイヤの実現や自動運転などCASEの普及によって、オーナーシップの考え方が変わってくると説明。とくに商用車である「フリートについては、大きなバスケットでのマネージが必要になってくる」との見解を示し、タイヤという商品の捉え方の変化に対応していくことが必要であるとした。

 須藤新社長については座右の銘である「疾風知勁草(疾風に勁草を知る)」(苦難にあってはじめて、その人の意志の強さが分かる)が紹介されたほか、ミシュランの掲げる「MOTION FOR LIFE」について、コロナ禍で改めて移動の大切さが理解されたとし、「ワクワクするサステナブルモビリティを」実現していきたいと語った。