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レクサス、新型「ES」を世界初公開 日本での発売は2021年秋ごろを予定

2021年4月19日(現地時間)発表

レクサス ES F SPORT(プロトタイプ)

日本での発売は2021年秋頃を予定

 レクサス(トヨタ自動車)は4月19日、新型「ES」を「上海モーターショー2021」で世界初公開した。日本での発売は2021年秋ごろを予定している。

 ESは1989年にフラグシップセダン「LS」とともに販売開始。これまでに80以上の国や地域で累計約265万台を販売してきたレクサスの基幹モデル。

新型ES(左)とF SPORT(右)(画像はプロトタイプ)

 新型ESは、レクサスの原点である優れた静粛性と乗り心地のさらなる向上を実現し、上質な快適性を向上。あらゆる走行シーンで減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ちよさなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求した。

 独自の手法を用いてリアサスペンションメンバーブレースの剛性を高め、高速のレーンチェンジなどでの操縦安定性を向上。加えて「F SPORT」に新型のアクチュエータを用いた最新鋭のAVS(アダプティブ バリアブル サスペンションシステム)を採用することで、減衰力の低減や可変幅を拡大させ、上質な乗り心地と操舵応答性の向上を両立させている。

 さらに、進化した「レクサス セーフティ システム+」などの先進安全技術を採用し、より安全に運転を楽めるように仕上げつつ、ヘッドライトやフロントグリルの意匠変更や新開発のインテリアカラーの採用などで、より洗練されたデザインに仕上げてられている。

新型ES(プロトタイプ)
新型ES F SPORT(プロトタイプ)

 レクサス インターナショナルのチーフエンジニアである青木哲哉氏は「目標としたのは、ESの持つ上質さを深化させるとともに新たな価値を付加することです。静粛性と乗り心地を一層向上させるとともに、ステアリング操作に対してドライバーの意図した通りにクルマが動くリニアリティを追求しました。デザインにおいてもESの特徴であるエレガントさに磨きをかけるとともに、新たにモダンさを演出しました。開発にあたっては、お客さまの期待を超えるべく、改善要素を洗い出し、細部に至るまで徹底的に造り込みました。『よりよいクルマづくり』を目指してAlways Onの思想を貫いた開発陣の想いをESに乗ることでご体感いただきたいと思います」と述べている。

新型ESの特徴

静粛性と乗り心地の向上と走行性能の進化

リアサスペンションメンバーブレースは、1枚板による構造から2枚の板を合わせた構造に変更することで剛性を向上させている

 新型ESは、リアサスペンションメンバーブレースの剛性アップや、電子制御ブレーキシステムの制御定数を変更し、ブレーキのコントロール性を向上。優れた静粛性と乗り心地を向上させ、上質な快適性を実現。あらゆる走行シーンで減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ちよさなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求したという。

 さらにF SPORTには、新型のアクチュエータを用いた最新のリニアソレノイド式AVSを採用。油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を拡大し、低減衰力にも対応するとともに、減衰力の可変幅を拡大することで上質な乗り心地と操舵応答性や安定性を両立している。

エレガントなデザインをモダンに進化

新型ES(プロトタイプ)

 エクステリアではフロントグリル、ヘッドライトの意匠を変更しモダンに進化。インテリアも新規開発の内装色モーヴを採用し、落ち着きのあるモダンな空間へと進化。加えて、人間中心の考え方に基づきマルチメディアシステムをタッチディスプレイ化、スイッチをステアリング周辺に集約するなど、細部に至るまで操作性を追求している。

フロントグリルはESらしさを継承しつつメッシュパターンを採用。横方向の流れを強調するL字ユニットの集合体で構成。グリルの押出しを強調し、質感を向上させている(画像はプロトタイプ)
単眼ランプは新小型ユニットに変更。3眼ランプはブレードスキャン式アダプティブハイビームシステム(AHS)が採用され、機能性の向上とともに、新薄型ランプユニット採用により、鋭い表情に仕上げられている(画像はプロトタイプ)

 また、新たにデザインされたホイールは、スポーク端部を太くして切削光輝加工の質感を強調し、V字に重ね合わせることでスポーティな印象を表現(17インチ)。また、ベースグレードに標準装備される18インチホイールは、切削光輝加工とブラック塗装のコントラストが映える多軸スポークを採用し、高級感を演出している。F SPORT専用の19インチホイールは、フロントグリルの黒色とマッチするつやのある黒色のホイールを採用し、引き締まった印象が与えられた。

 ボディカラーは、強い陰影により造形を際立たせるソニックイリジウムと、金属質感と高光沢を実現したソニッククロムの2色を新たに採用。さらに、F SPORTには「LEXUS」ロゴ入りのオレンジ塗装キャリパーが追加設定され、よりスポーティな印象を与えている。

視認性や操作性を向上させたインテリア

新型ES インテリアカラー モーヴ(Mauve)

 マルチメディアシステムをタッチディスプレイ化。人間中心の思想に基づき、ドライバーとディスプレイとの最適な距離と角度を探求し、ディスプレイを約100mm近づけるとともに、角度を約5度傾けることでドライバーの手が画面隅まで届くように変更。画面にはガラス素材を採用し、視認性や操作性を向上した。

 また、ラグジュアリーさを演出するウォールナット素材を採用するとともに、新開発の墨ブラックとダークブラウンを採用。ヘアラインの加飾を、レーザーで1本ずつ彫る加工方法に変更し、より細やかでモダンな雰囲気を演出した。

インテリアカラーでは、ヘーゼルを新規に採用するとともに、ブラウン系でグレイッシュなトーンのモーヴを新規開発

最新の優れた先進予防安全技術を採用

 従来のレクサス セーフティ システム+に採用している「単眼カメラ+ミリ波レーダー」の構成はそのままに、交通事故や事故死傷者のさらなる低減と、ドライバーの負担軽減を目標に、緊急時操舵支援などの機能追加や車線認識性能の向上を実現。

 オートマチックハイビーム(AHB)やロードサインアシスト(RSA)をはじめ、駐車場などにおけるアクセルとブレーキのペダル踏み間違い時の衝突や、接近する後方車両との接触事故による被害の軽減に寄与するパーキングサポートブレーキ、車両周辺の安全確認をサポートするパノラミックビューモニターなど、先進安全装備を積極的に導入。運転支援時にドライバーにとって自然で、安心感のある車両挙動を追求したという。

単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大し、交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能とした
加えてドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や低速時の事故予防をサポートする低速時加速抑制などの機能が追加された
同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現

 加えてデジタルアウターミラー、インナーミラーともにカメラをアップデート。明暗が混在する場所の視認性を改善するためノイズ低減処理を施しノイズ感の少ないクリアな映像を実現。LEDのちらつきを大幅に低減するとともに画質を向上させ、昼夜ともに優れた視認性を実現している。

上海モーターショー2021 LEXUSプレスカンファレンス(ダイジェスト版)10分40秒