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タミヤ、完全新設計の新製品「1/35 ドイツ Sd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型」 伝統のポーズも再現
2021年5月14日 08:51
完全新設計された「ケッテンクラート中期型」
タミヤは5月13日に開幕した「第59回静岡ホビーショー」で完全新設計の新製品「1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.377 ドイツ Sd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型」を展示した。このケッテンクラート中期型は、「1/35 MM No.29 ケッテンクラート」の完全リニューアル版となるもので、ドライバーに加え伝統のポーズのフィギュアも2体付属している。発売は5月29日ごろ、価格は2530円。
Sd.Kfz.2 ケッテンクラートは、第2次世界大戦時のドイツ軍で活躍した車両で、前半がオートバイ、後半が戦車のようなキャタピラ(履帯)で装甲する装軌車両となっている、半装軌車両。ぬかるんだ泥道などでも走行可能なため、運搬業務など幅広い任務に使われた。
ちなみにSd.Kfz.はSonderkraftfahrzeugの略称で、ドイツ軍の特殊車両番号として、0番台、100番台、200番台と目的別に番号が振られていた。日本ではモデラーの松本州平氏がSd.Kfz.(スダコフツ)と当て読みしたことから、スダコフツと発音している人が多い。
タミヤの「1/35 MM No.29 ケッテンクラート」はミリタリーミニチュアシリーズナンバーから分かるようにMMシリーズ初期の作品で、1973年8月の発売。その後、リニューアル発売などが行なわれているが、約50年前の作品になる。小さなジオラマ作成にも使い勝手のよい小型半装軌車両、そしてヘルメットではなくM43略帽をかぶり、MG34ではなくMG42をうなだれたように携えるドラマ性のあるフィギュアで長く人気となった製品だった。
完全新設計となったケッテンクラート中期型では、転輪も独立して成型されたものとなり、履帯も一部完全組み立て式(ゴムパッドはすべて独立部品)となったほか、エンジンとトランスミッションが再現され、エンジンハッチも可動式&エッチング部品付きになるなど完全リニューアル。
付属フィギュアも3Dスキャンでリアルな造形となったほか、うなだれたような姿で歩く兵士もこころなしか元気になったような印象を受けるものになった(もちろん略帽や、MG42を携える)。
とくにエンジンとトランスミッションの精密感は高く、兵士がトランスミッションのうえにまたがって運転していたことが分かるものとなっている。
全長139mmとかわいい製品だが、パーツ数も多く作り応えは抜群。塗装面積も小さく、置き場所にも困らない大きさなので5月29日の発売が楽しみな製品。
約50年の進化を感じる各種成型部品
ケッテンクラートを担当したタミヤ 企画開発部 二課 主事 吉岡信夫氏によると、ゴムブロックを一つ一つ再現した部品の組み立ては大変そうに見えるものの、ランナーへの成型ピッチを履帯と同様にそろえている部分もあり、一度に多数接着できるよう配慮がなされているとのこと。また、フィギュアについてもタミヤ社員に軍装品を着せ、360度スキャニングするデータを元に作り上げられているとのことだ。
吉岡氏はほかに「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」も担当製品として出展しており、好評だったIV号戦車F型(F型までのIV号戦車がSd.Kfz.161)をベースに43口径75mm砲という初期長砲身を搭載したG型(Sd.Kfz.161/1)を再現。フィギュアもDAK(ドイツアフリカ軍団)を意識した半袖仕様で、戦車のハッチを1/1で再現した台座を作り、やはりタミヤ社員にポーズを取らせて3Dスキャンしたデータを元に作られている。こちらの発売日は7月発売予定で、価格は4620円。
【お詫びと訂正】記事初出時、Sd.Kfz.番号の説明に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。