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ボルボ、トースランダ工場が完全にクライメート・ニュートラルな状態を達成

2021年5月26日(現地時間) 発表

工場が使用する電力や暖房で大気中の温室効果ガスの排出量がトータルで増加しないことを記録

 ボルボ・カーズは5月26日(現地時間)、スウェーデンのトースランダ工場が、ボルボとして完全にクライメート・ニュートラルな状態に達した最初の自動車製造工場となったと発表した。

 これにより、トースランダ工場は2018年にクライメート・ニュートラルを達成したスウェーデンにあるショブデのエンジン工場に続き、製造拠点全体で2番目にクライメート・ニュートラルを達成したこととなり、ボルボ・カーズは2025年までに全世界の製造拠点をクライメート・ニュートラルにするという目標に向けて大きく前進した。

 ボルボ・カーズは、工場が使用する電力や暖房によって大気中への温室効果ガスの排出量がトータルで増加しないことを記録した場合、その製造拠点を完全なクライメート・ニュートラルとみなしている。

 ボルボ・カーズで最も古いトースランダ工場は、2008年からクライメート・ニュートラルな電力を使用。暖房もクライメート・ニュートラルのものとなっており、工場の暖房の半分はバイオガスで、残りの半分は産業廃棄物の熱を利用した地域暖房が主な供給源となっている。

 また、トースランダ工場はクライメート・ニュートラルになる以外にも、常にエネルギーの使用量を削減しており、2020年に目標とした業務改善を行なった結果、年間で約7000MWhのエネルギー削減に成功。これはスウェーデンの一般家庭450軒分の年間エネルギー使用量に相当するという。

 今後、同工場では、照明や暖房システムなどの効率化をさらに進め、2023年までに年間約2万MWhの省エネを実現する予定。これらのエネルギー削減は、ボルボ・カーズが2025年に製造ネットワークで生産される自動車1台あたりのエネルギー使用量を30%削減するという目標を達成するための一部となる。

 ボルボ・カーズ インダストリアル・オペレーション&クオリティー部門の責任者であるハビエル・ヴァレラ氏は「トースランダを当社初のクライメート・ニュートラルな自動車工場として確立したことは、重要なポイントです。私たちは2025年までに、クライメート・ニュートラルな製造ネットワークを持つことを約束しており、今回の達成は環境への影響を減らすために一貫して取り組んでいる私たちの決意の表れです」とコメントしている。

 ボルボ・カーズはクライメート・ニュートラルな製造目標のため、現地で独自の再生可能な発電能力を開発する予定としているほか、ボルボ・カーズの全ラインアップ電動化を計画の中心としている。この全ラインアップ電動化計画は、全面的な電動化によるテールパイプからの排出量への対応にとどまらず、ボルボの広範な事業活動、サプライチェーン、循環型経済を取り入れた材料のリサイクルと再利用による二酸化炭素排出量の削減への取り組みも含まれているとのこと。