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AMD リサ・スーCEOの基調講演、テスラ「モデル S」と「モデル X」にAMDのCPUとGPUが採用と発表
2021年6月1日 15:50
- 2021年6月1日(現地時間) 発表
PlayStation 5やXbox Series Xなどにも採用されているAMDのCPUとGPU
5月31日~6月30日(現地時間)にオンラインで開催されている「Computex Taipei 2021 Virtual」の基調講演に、AMDのリサ・スーCEOが登壇し、同社の最新製品やテクノロジなどを紹介した。この中でスーCEOは、同社のテクノロジが採用されているソニーの「PlayStation 5」や「Xbox Series X/S」などを紹介した後、「AMDのテクノロジが採用されている製品はこれだけではない、次はとても驚くことになるだろう」と述べて、同社のCPUやGPUがBEV(フル電気自動車)メーカーの「テスラ(Tesla)」に採用されたと明らかにした。
AMDは、x86アーキテクチャのCPUやGPUなどの演算装置を提供するメーカーとして知られており、PC向けのCPUとしてはインテル(Intel)と並んで人気を二分するメーカーで、GPUではNVIDIAと並んで強力なGPUを供給している。
AMDはこれまで自社ブランドのCPUやGPUだけでなく、テクノロジをゲームコンソールの企業などに提供してきた。
2020年に発売されたソニーのPlayStation 5、米国ではPlayStationと人気を二分しているマイクロソフト(Microsoft)のXbox Series X、Series SなどにAMDのCPUやGPUが採用されており、AMDのCPU/GPUを搭載したPCを所有していなくても、リビングにゲームコンソールがあるという家庭も少なくないだろう。
今回AMDのスーCEOが発表したのは、そうしたAMDのCPU(AMD Ryzen Embedded APU)とGPU(RDNA 2アーキテクチャ)が、テスラのモデルSとモデル XのIVI(In-Vehicle Infotainment system、車載情報システム)に採用されたということだ。
10TFLOPSという高性能でAAAタイトルのゲームを楽しめる
採用されたのはテスラのモデル Sとモデル X。両車にはテスラが「最大10TFLOPSの処理能力で」(同社のWebサイトより)と表現している17型(2200×1300ドット)のIVIが搭載されており、今回のスーCEOの基調講演でも現行のモデル S/XのIVIの写真が使われていたので、最新モデルに採用されているIVIのCPUやGPUがAMD製ということが明かされたことになる。
この最大10TFLOPSの「FLOPS」とはCPUやGPU処理能力指標の1つで、10TFLOPSとは1秒間に10兆回浮動小数点の処理ができる性能を備えていることを意味している。そうした強力な性能があるため、ゲームコンソールと同じようなゲームをIVI上で実行することができるのだ。
スー氏は「AMDのCPUとGPUにより、10TFLOPSの性能を実現している。それによりAAAタイトルのゲームを車両内でプレイすることが可能だ。これからはクルマの中もゲーマーにとって新しいプラットフォームになる」と述べ、モデル S、モデル Xが新しいゲームプラットフォームになっていくと示唆した。
AAAタイトルとは、Aが3つもつくぐらい人気のゲームという意味で、主にPCやPlayStationなどのゲームコンソール向けに配信されている。今回テスラにAMDのCPU/GPUが採用されたことで、自動車の中でAAAゲームを楽しむという新しいアプリケーションが誕生することになりそうだ。