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トヨタ、新型「ランドクルーザー(300シリーズ)」世界初公開 2021年夏以降に各地で発売
2021年6月10日 02:30
- 2021年6月9日(現地時間) ワールドプレミア
トヨタ自動車は6月9日(現地時間)、新型「ランドクルーザー」を中東地域を中心にオンラインで世界初公開した。2007年9月に誕生した200シリーズからフルモデルチェンジした300シリーズの新型ランドクルーザーを、2021年夏以降に世界各地で発売予定であることを明らかにした。
発表では代表グレード(海外仕様)のエンジン・トランスミッション諸元が公開され、最高出力305kW(415PS)、最大トルク650Nmを発生するV型6気筒 3.5リッターツインターボのガソリン車、最高出力227kW(309PS)、最大トルク700Nmを発生するV型6気筒 3.3リッターツインターボのディーゼル車を用意。両モデルともにトランスミッションは10速ATを採用。一部地域にはV型6気筒自然吸気ガソリンエンジンと6速AT仕様車も用意される。
そのほかにも、GRモデルの存在を示す写真も公開されたが、その詳細については明らかにされなかった。
300シリーズへと進化したランドクルーザーのフラグシップ
今回フルモデルチェンジした新型ランドクルーザー(300シリーズ)は、2007年に登場した200シリーズの後継となるモデル。新型ランドクルーザー開発の狙いを「ランドクルーザーの本質である『信頼性・耐久性・悪路走破性』は、進化させつつ継承する」「世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現する」に定めた。
これらを念頭に、ランドクルーザーの本質を守る礎であるフレーム構造は踏襲しながらも、TNGAに基づく新GA-Fプラットフォームを採用。さらに軽量化・低重心化、新パワートレーンの採用、内外装のデザインを含めて、長年にわたる技術の積み重ねと最新技術を融合することで、素性の刷新を図ったとしている。
また、伝統の悪路走破性をさらに向上させるため、サスペンションの基本性能として、ホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を向上、世界初のE-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)の採用による接地性向上、ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できる「マルチテレインモニター」、走行路面を判定して自動でモード選択する「マルチテレインセレクト」が採用された。
新開発の3.5リッターガソリンと3.3リッターディーゼルのV型6気筒ツインターボエンジンを採用
パワートレーンについては、新開発の3.5リッターガソリンと3.3リッターディーゼルのV型6気筒ツインターボエンジンを採用して、従来型V型8気筒エンジンをも超えるクラストップレベルの動力性能とドライバビリティの実現を図った。
また、環境性能については、新開発の10速AT(Direct Shift-10AT)の採用やボディの軽量化とも相まり、各地域の販売計画と燃費モードを加重平均して行なった社内の試算では、従来型との比較で、車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数分で約10%低減できる見込みとしている。
新GA-Fプラットフォーム採用などで車両全体で200kgの軽量化
新GA-Fプラットフォーム採用では、フレーム自体を新設計して軽量高剛性化。フレーム、車体を含めた車両全体で200kgの軽量化のほか、低重心化、重量配分、サスペンション構造の改善などを実施。こうして得られた素性のよさをベースに「凄腕」「匠」といった社内の熟練テストドライバーやダカールラリー出場ドライバーをはじめとする評価メンバーによる実路走行での作りこみを通じて、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指した。
全長・全幅・ホイールベースなどの車両サイズは従来モデルを踏襲
新型ランドクルーザー(海外仕様)
外装は、ランドクルーザーのヘリテージを継承し、オフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー造形など機能美を追求。また内装は、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。直感操作ができるスイッチ類を機能ごとにレイアウトし、形状や色など操作性を考慮したデザインとすることで、快適性も追求した。
パッケージについては悪路走破性を重視し、全長・全幅・ホイールベースなどの車両サイズと、ディパーチャーアングル・アプローチアングルは従来型を踏襲した(一部グレードを除く)。