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パナソニックとスマートドライブ、ETC2.0を活用した物流車両の運行管理サービス提供を目指した共同実証

2021年6月16日 共同実証開始

 パナソニックとスマートドライブは6月16日、共同実証契約を締結し、物流車両を利用する企業向けにETC2.0システムを活用した運行管理サービスを提供することを目指し、共同実証を開始した。主に物流業界における業務効率化に向けた実証サービスの提供を2021年内に開始する予定としている。

 共同実証に至るにあたっては、インターネット通販市場の成長に加えて、新型コロナウイルスの感染対策による巣ごもり需要急増によって貨物量が急激に増加する一方、物流業界では高齢化などに起因するドライバー不足が年々深刻化。ドライバーへの負担が増加する中、長時間労働是正に向けて、2024年4月には労働基準法の年間残業時間規制の導入が予定されるなど、物流業界における業務の効率化は喫緊の課題となっているという背景がある。

 ETC2.0システムは2015年から導入が始まり、これまでに約648万台の車載器が搭載されている。料金収受に特化した従来のETCを進化させたシステムで、車載器が持っている特有の情報が全国の高速道路などに設置されたITSスポットを経由して収集される。今回の共同実証では、ETC2.0システムを活用した運行管理サービスを試験的に提供し、技術や事業面での検証を実施。高価なデバイスを新たに購入することなく利用可能な運行管理サービスを実現し、中小規模の物流業者でもコストを抑えた物流車両の運行管理を可能とすることで、物流業界全体の業務効率化の後押しを目指していく。

 具体的な実施内容としては、スマートドライブの多種多様な業種業態におけるモビリティデータを利活用したサービス「Mobility Data Platform」などで培った知見と、パナソニックのハードウェア開発とETC2.0データ活用に関する知見をかけあわせ、使いやすいUI、活用しやすいUXをベースとした運行管理サービスを開発。主に物流業界に向けて2021年内の実証サービスの提供を目指すとしている。

 スマートドライブは、2013年の創業以来「移動の進化を後押しする」をビジョンとして、移動にまつわるさまざまなモビリティサービスを提供。法人向けクラウド車両管理サービス「SmartDrive Fleet」や、スマートドライブ独自のデバイスに限らずさまざまなデバイスから収集したモビリティデータを利活用できる「Mobility Data Platform」は幅広い業種業態の利用者の課題解決や新しいサービスの創出などに役立てられているという。

 パナソニックは、GPS搭載の事業用ETC2.0車載器の発売、ITSスポットの設置、保守事業も推進するなど業界をリード。今回の共同実証で得た知見を活かし、今後、取得したデータを安全対策や交通インフラの管理に役立てられる社会インフラを構築し、住民や地域の事業者、行政と相互にデータを活用することで、よりよい社会への貢献を目指している。