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スマホ特化の新車オンラインストア「ホンダオン」、ホンダセールスオペレーションジャパン 関社長らが概要説明
2021年10月4日 15:58
- 2021年10月4日 発表
本田技研工業は10月4日、国内自動車メーカー初となる新車のオンライン販売サイト「Honda ON(ホンダオン)」を正式発表。同日よりネット販売店としてオープンした。このホンダオンの運営を行なっているのが本田技研工業の100%子会社となる株式会社ホンダセールスオペレーションジャパンになる。同社 代表取締役社長 関勝之氏、同社 営業部 オンライン販売課主任 井上喜章氏がホンダオンに関するオンライン説明会を行なった。
関社長はホンダオン設立の背景は、世の中のオンライン化の加速にあるという。「私たちの働き方、リモートワーク、そして学校でのオンライン授業、そして諸手続き、これらもオンライン化がどんどん進んできております。お客さまの購買行動にいたってはもとより、ファッション、それから日用品、食料品、そして今ではみなさまの外食というところまでオンラインでの購入が可能になってきております。翻って、我々のクルマの販売はどうでしょうか? おクルマの検討、それから商談、そして契約・納車と、ここに至るまでお客さまには何度もお店にご来店いただきながら、数多くのお時間をいただくという形でやっております。当然、昨今のお客さまの声はなかなかディーラーに足が運べない、専門家や経験者の声など、間違いない声を聞きながら自分で選びたい。そんな中、ホンダオン、私たちのチャレンジとしてお客さまに買い方の選択肢を増やすことはできないか? オンラインが普及した今の時代に自動車の購入も新しい仕組みができないかと考え、今年の4月にホンダセールスオペレーションジャパンを立ち上げさせていただき、ホンダオンを本日より開始させていただきます」と語り、お客さまに新しい購入体験を提供するものと語る。
販売エリアについては、まずはこのようなニーズの多い東京からスタート。東京都に在住の人を対象とし、ホンダディーラー「Honda Cars」84拠点から始める。将来的なエリアの拡大は来年以降としており、近県のディーラーも選択できるようにはしたいとのこと。
ホンダオンラインのビジネス構造
ビジネス構造については、井上氏が説明。すでにクルマのネット販売などは行なわれているが、これまでの構造は自動車販売会社からEC運営会社や、自動車販売会社から金融会社・EC運営会社と仕入れ・情報連携が行なわれており、多くのビジネスプレイヤーが存在していた。
ホンダオンでは、ホンダセールスオペレーションジャパンがホンダからクルマを仕入れて直接お客さまに販売することで構造をシンプルに。分割払いなどの仕組みは、ホンダファイナンスと提携して提供していく。これにより、コストを適正化してお客さまへの付加価値向上などが図れると井上氏はいう。
そしてホンダオンの特徴が、とくにスマホを活用しているGeneration Z(ジェネレーションZ)世代(1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代)に合わせ、スマホでのUIを第一として設計されていること。販売店への来店経験がなくても使い勝手がよいものを目指したとしている。
オープン時に用意されているメニューは、スマホでも気軽に選べるサブスクリプションになる。車種については、N-BOX、フィット、フリード、ヴェゼルの4車種。とりあえずこの4車種からスタートして、その後は様子を見ながら順次となる。選べるオプションも販売店で選べるものよりはシンプルになっているが、井上氏によると「スマートフォンでの操作性に配慮したため」とのこと。なんでもかんでも詰め込んで選びにくくなるよりは、選びやすさを優先してデザインされている。
井上氏のホンダオンに対する問題認識もこの部分にあるようで、いかにスマホなどネットデバイスでクルマを選びやすくするか、ここまでできるのか、ということを意識しており、将来的にはVRとの連携もあるのではと語っていた。
今後の展開しても、エリア展開や車種拡大のほか、ホンダオンのUI開発はスコープに入っており、ネットでの買いやすさを追求していく。
このホンダオンで購入した場合、指定した販売店が担当販売店となるが、その際に販売店に売上が立つわけではない。しかしながら、これまでクルマを買うのがめんどくさいと思っていたようなユーザーがクルマを買うといった新たな需要の掘り起こし、一度来店してもらったユーザーに対してのセールスチャンス(季節用品や点検など)などはあるわけで、販売店にとっても市場が小さくなるよりは、機会が増える方がありがたいのは事実だろう。
このような新たなオンライン販売を立ち上げることについて関社長は、「そもそも世の中が変化していくということに対して、販売店、我々も含めて一緒に変わっていかざるを得ないということだと思います。現場のモチベーション、これをしっかり考えながら、販売店のみなさんとお客さんがしっかりつながるような形を、我々も支えていきたいと考えています」と、時代先取るものでというより、時代に追いついていこうとするものであるとの危機感を示す。
ホンダオンラインは自動車メーカーが本気で取り組むオンライン販売として、その成否が注目されるサービスになる。