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ランドローバー、新型「レンジローバー」世界初公開 MHEV/PHEV/BEVとともに7名乗車仕様を初設定
2021年10月27日 12:53
- 2021年10月26日(現地時間) 世界初公開
英ランドローバーは10月26日(現地時間)、新型「レンジローバー」を世界初公開した。第5世代となる新型レンジローバーは英国でデザイン、開発、エンジニアリングが行なわれ、英国のソリハル製造工場の最新の生産ラインでのみ製造。新型レンジローバーではMHEV(マイルドハイブリッド)、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリー式電気自動車)が展開され、ランドローバー初のBEVは2024年にラインアップする予定。
新型レンジローバーは新しいアーキテクチャー「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」を採用した初のモデル。パワートレーンはまずはMHEVとPHEV(2022年の受注開始を予定)を展開し、ボディタイプはスタンダードホイールベース(SWB)とロングホイールベース(LWB)の2種類、4人乗り、5人乗りに加え、レンジローバーとして初めての7人乗りを用意する。PHEVパワートレーンはCO2排出量を30g/km未満に抑え、「EVモード」での最大航続距離は100km(WLTP値)、実航続距離は最大80kmとアナウンスされた。
エクステリアでは後方へ向かってなだらかに下がるルーフライン、水平方向を強調した力強いウエストラインといった要素が歴代から受け継がれるとともに、レンジローバーに欠かせない特徴的なショートオーバーハングと格式高いフロントエンド、直立したフロントガラス、テーパー形状でボートテールのようなリアまわりのデザインがレンジローバーのプロポーションを定義づける。中でも凹凸のないデザインが特徴となっており、これはフラッシュグレージング、目立つことのないウエストレールフィニッシャー、シームレスなレーザー溶接ルーフジョイントといった最新技術を駆使することによって1つの塊を削り出したような外観に仕上げているという。
快適性と洗練性を支えるさまざまなテクノロジーも与えられ、その1つとして第3世代となる新しいアクティブ・ノイズ・キャンセレーション技術を採用した。これは車両の外側に設置したマイクとヘッドレスのスピーカーを使用したもので、ノイズキャンセリング機能付きのハイエンドヘッドホンのように室内の乗員に静かなパーソナルスペースをもたらすという。
また、アレルゲン低減とウイルス除去のためのデュアル「ナノイーX」テクノロジーを搭載した「空気清浄システムプロ」も採用。臭いやウイルスを大幅に低減し、CO2マネジメントとPM2.5キャビンエアフィルターで空気の質を向上させるというもので、SARS-CoV-2ウイルスを含むウイルスやバクテリアを大幅に減少させることが科学的に証明されているとしている。
そのほか、今回のワールドプレミアでは2022年に導入予定の新型「レンジローバー SV」も発表。専用のデザインディテールとして光沢のあるメッキメタル、滑らかなセラミック、複雑なモザイク模様の寄木細工、高品質のレザー、サステナブル(持続可能)な素材である「Ultrafabrics」などを使用した。また、新たに設けたデザインテーマ「SV SERENITY(エスブイ セレニティ)」「SV INTREPID(エスブイ イントレピッド)」では、フロントとリアのコントラストが効いたツートンカラーのインテリアを採用するとともに、電動で展開できるクラブテーブルや冷蔵庫といった機能も備えており、最高の乗り心地を提供する4人乗り仕様「SV シグネチャースイート」も選択できるとのこと。
今回の発表について、ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)であるティエリー・ボロレ氏は「新型『レンジローバー』は、世界で最も目の肥えたお客さまに世界で最も魅力的なラグジュアリーカーを提供するクリエーターになることを目指すという、当社のビジョンを見事に体現しています。50年以上にわたって、イノベーションのパイオニアとして紡ぎあげてきた唯一無二の『RANGE ROVER』の物語に、新たな章が描かれます」とコメント。
また、チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるプロフェッサー・ジェリー・マクガバンOBEは「自らのDNAを尊重しながらプロジェクトを前に進めることは可能で、まさに私たちが今回行なったことです。私たちはモダニズムのデザイン哲学を持っており、ファッションやトレンドを追いかけることはしません。余計なディテールを排除することで、モダンさを表現しながらも魅力に溢れ、新しいレベルで感情的に訴えかけるクルマが完成しました。新型『レンジローバー』は、ランドローバー史上最も魅力的なモデルとなるでしょう」と述べている。