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「GR 86プロトタイプ」から「GR86」へ、半アキのなくなった正式車名 トヨタはSNSなどに配慮か?

2021年10月28日 発売

新型「GR86」RZグレード

 TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ自動車)は10月28日、新型「GR86」を発売した。新しいGR86では超低重心&FR駆動方式というスポーツカーパッケージを同じくしながら、エンジンを水平対向4気筒 2.0リッターから、水平対向4気筒 2.4リッターへと排気量を拡大。最高出力173kW(235PS)/7000rpm、最大トルク250Nm/3700rpmと動力性能を改善している。

 この新しいGR86、プロトタイプ発表時は「GR 86」と半アキ(半角アキ)のある車名だった。先代は「86(ハチロク)」であり、新型となるにあたってトヨタのスポーツカーラインであるGAZOO Racing、つまり「GR」の1車種としてデビューした。

 プロトタイプ発表当初は「GR 86」として表記されていたが、10月28日の正式発表時には「GR86」の車名に。小さな変更だが、SNSでの投稿などにおいては大きな変更が加えられている。

 ご存じのように、SNSの投稿時にはハッシュタグなどを付加することが多く、このハッシュタグがSNSのシステムでDB的にインデックス化され情報検索時の速度向上などに使われている。利用者からすれば、便利に使える機能になっている。

 ところがこのハッシュタグには、半アキであるスペースが使えないSNSが多くなっている。おそらく区切り記号として予約されているためだろうが、スペースや半アキ(いくつか文字コードがあるが、0x20が代表的)は使えない。「GR 86」とハッシュタグに打つと、「GR」と「86」に分かれてしまうわけだ。

 分かれるだけだったらまだよいが、代表的なSNSであるTwitterでは数字のハッシュタグは使えない。つまり「GR」はタグとして残るが「86」は文字として認識されてしまい、ハッシュタグの利便性を得られなくなってしまう。つまりユーザーがSNSで車名を入れても、正式に入れれば入れるほど情報としては流通しづらくなってしまう。

 プロトタイプからとはいえ車名を「GR 86」から正式に「GR86」へ変更することにはさまざまな意見があったことが予想される。しかしながら、あまり気にしない人にとっては「GR 86」も「GR86」も同じであり、利便性は「GR86」のほうが高い。今後、86/BRZレースもGR86/BRZレースへと変わっていくと思われるが、「GR 86/BRZ」よりも「GR86/BRZ」のほうが可読性が高いのは一目瞭然だ。

 GR86だけでなく、今後はさまざまな商品名について、とくに英文+数字という商品名はSNSでの利便性を意識した半アキへの対応が迫られるだろう。いち早く対応を行なったトヨタは、大きな組織と思えないほど柔軟性が高いということになる。

こちらはプロトタイプで「GR 86」。SNSが車名を左右する時代になったということか