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SUPER GT最終戦富士予選、GT300は61号車BRZがチャンピオン獲得へポールポジションで好発進 GT500は14号車GR Supra

2021年11月27日 予選

2021年11月28日 決勝

ポールポジションを獲得した14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)

 SUPER GT最終戦富士が11月27日~28日の2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されている。11月27日の午後には予選が行なわれ、28日の決勝レースに向けたスターティンググリッドが決定した。

 SUPER GTはGT500とGT300の2つのクラスに分かれて戦っているが、いずれのクラスもチャンピオン争いは最終戦までもつれている。予選でポールポジションを獲得した車両には1点が与えられるため、いずれのクラスもその1点を巡って厳しい争いが展開された。

 GT500はこの予選で1点を取らない限りチャンピオン争いから脱落する14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)がコースレコードをマークしてポールポジションを獲得した。

 GT300はポイントランキングトップの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)がコースレコードでポールポジションを獲得し、明日の決勝レースを前に貴重な1点を追加。悲願のチャンピオン獲得に向けて大きく前進した。

GT500は、14号車 ENEOS X PRIME GR Supraがポール。王者争いに首の皮一枚で残る

 GT500のチャンピオン争いは、6台の争いになっている。1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が60点でトップ(なお、牧野選手はランキング2位だが開幕戦を病欠しているため、権利はない)、2位がここ2戦2連勝で勢いに乗る8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)で57点、3位が17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)で52点と、ホンダ勢が1-2-3となっている。

 ここからやや離れて36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)が44点、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)が43点、14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)が40点となっており、ホンダ以外の3台はホンダ勢が決勝レースで下位に沈んだ場合のみチャンピオンになるチャンスがあるという状況だ。

GT500のポイントランキング(第7戦終了時点)

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5Rd6Rd7合計
11山本尚貴3882115560
21牧野任祐882115557
38野尻智紀/福住仁嶺4362202055
417塚越広大/ベルトラン・バゲット6204113852
536関口雄飛/坪井翔1561181344
612平峰一貴/松下信治1252041143
714大嶋和也/山下健太2015540
823松田次生/ロニー・クインタレッリ20241137
919国本雄資/宮田莉朋5151636
103平手晃平/千代勝正26155836
1137平川亮1211142131
1238立川祐路/石浦宏明53315228
1337阪口晴南12111428
1439ヘイキ・コバライネン/中山雄一8516626
1524高星明誠/佐々木大樹115420
1616笹原右京/大湯都史樹2821619
1764伊沢拓也/大津弘樹1135
181武藤英紀33
1937サッシャ・フェネストラズ213

 最終戦は11月末の開催ということもあり、富士スピードウェイはGT500の予選開始時で気温10℃を切るなど、かなり寒い中で行なわれた。各チームとも早くからコースに出て行ってタイヤを温め始めたものの、各車ともなかなか温まらないという中でのアタックとなった。

 トップタイムをマークしたのはポイントランキングトップの1号車 STANLEY NSX-GTで、1分26秒011というコースレコードをマークした。さらにその翌周には1分26秒000というさらに新しいコースレコードをマークしてトップでQ2へと進んだ。2位は38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)、3位はランキング2位の8号車 ARTA NSX-GTが3位で確実にQ2へと進んだ。

 ランキング3位の17号車 Astemo NSX-GTは10位、ランキング5位の12号車 カルソニック IMPUL GT-Rは14位でQ1敗退となってしまった。

 予選2回目(Q2)では終盤まで1号車 STANLEY NSX-GTがトップを維持しており、このまま1点を獲得してチャンピオン争いで優位に立つかとみられたチェッカー後に14号車 ENEOS X PRIME GR Supraが0.1秒速いコースレコードタイムをマークしてポールポジションを獲得した。

 ポールの1点がなければ、14号車はチャンピオン争いから脱落することになるため、明日にチャンスがつながったことになる。2位は1号車 STANLEY NSX-GTだが、ランキング2位の8号車 ARTA NSX-GTが6位になったことで、明日のチャンピオン争いではかなり有利な位置からレースをスタートすることになる。

 3位は37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ組、BS)、4位は36号車 au TOM'S GR Supra、5位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)となった。

現在ポイントリーダーの1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)は予選2位。フロントローからチャンピオンを目指す
予選3位は37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ組、BS)

GT500の予選結果(暫定)

順位カーナンバー車両名ドライバータイヤ
114ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS
21STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS
337KeePer TOM'S GR Supra平川亮/サッシャ・フェネストラズBS
436au TOM'S GR Supra関口雄飛/坪井翔BS
539DENSO KOBELCO SARD GR Supraヘイキ・コバライネン/中山雄一BS
68ARTA NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺BS
738ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS
83CRAFTSPORTS MOTUL GT-R平手晃平/千代勝正MI
923MOTUL AUTECH GT-R松田次生/ロニー・クインタレッリMI
1017Astemo NSX-GT塚越広大/ベルトラン・バゲットBS
1119WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/宮田莉朋YH
1216Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原右京/大湯都史樹DL
1324リアライズコーポレーション ADVAN GT-R高星明誠/佐々木大樹YH
1412カルソニック IMPUL GT-R平峰一貴/松下信治BS
1564Modulo NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹DL

GT300は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがコースレコードでポール。1点を獲得し悲願の王者獲得に大きく近づく

ポールポジションを獲得した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)

 GT300はポイントランキングトップの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)が55点、2位の56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH)が49点、3位の55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮、BS)が45点、4位の244号車 たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威組、YH)が40点、11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)が35点で5位となっている。

GT300のポイントランキング(第7戦終了時点)

順位カーナンバードライバーRd1Rd2Rd3Rd4Rd5Rd6Rd7合計
161井口卓人/山内英輝1622111555
256藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ2043111149
355高木真一/佐藤蓮114151545
4244三宅淳詞/堤優威62082440
511平中克幸/安田裕信91616335
688小暮卓史/元嶋佑弥25154834
752吉田広樹/川合孝汰11118232
860吉本大樹/河野駿佑320629
965蒲生尚弥/菅波冬悟1582328
104谷口信輝/片岡龍也3116525
112加藤寛規/阪口良平122023
1296新田守男531523
1331嵯峨宏紀/中山友貴2121
1421川端伸太朗/篠原拓朗2020
1525松井孝允/佐藤公哉451616
1696阪口晴南1515
179ケイ・コッツォリーノ84214
189横溝直輝8412
1910星野一樹/石川京侍164112
2087松浦孝亮/坂口夏月88
2130永井宏明/織戸学538
225平木湧也/平木玲次66
2334道上龍/密山祥吾55
2496平良響55
2518小林崇志/名取鉄平2114
2696小高一斗33
279木村武史22

 GT300の予選だが、今シーズンの通例どおりうAグループ、Bグループと2つのグループに分かれて戦うことになった。Aグループはランク1位の61号車、3位の55号車、5位の11号車が入っていたが、ポイントリーダーの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは3位で順当に予選2回目(Q2)へと駒を進めたが、55号車が10位、11号車は12位とともにQ1落ちになってしまった。特に11号車はこの1点が取れなかったことでチャンピオン挑戦権をなくしてしまい、決勝レースでは4台によるチャンピオン争いという形に。このAグループでトップタイムをマークしたのは52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)だ。

 Bグループではランキング2位の56号車 リアライズ日産自動車大学校 GT-Rが9位でQ1落ちとなってしまった。予選ではできるだけ上位に入り、できればポールポジションをとって1点加えてBRZとの差を詰めたかったところだが、逆に予選下位に沈むことになってしまい、明日のレースでの逆転チャンピオンに黄色信号が点滅する形となる。

 もう1台のチャンピオンの可能性を残している244号車 たかのこの湯 GR Supra GTは4位でQ2へと駒を進めた。このQ1でトップタイムをマークしたのは88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)。

 Q2では52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがコースレコードをマークしてトップタイムを記録、ポールポジションを獲得したかに見えた。ところがチェッカー後に2位だった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが最後の最後に大逆転し、1分34秒395というさらに速いコースレコードをマークしてポールポジションを獲得した。これにより1点を追加して56点となり、明日の決勝レースでの悲願のチャンピオン獲得に向けて最上の結果で予選を終えた。ランキング2位、3位、5位はいずれも17位以下に沈んでおり、ランキング4位の244号車 たかのこの湯 GR Supra GTも9位に終わっており、明日の決勝レースでチャンピオン獲得に向けて最前列からスタートすることになる。

 2位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、3位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)、4位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3、5位は65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)、6位は2号車 muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平組、BS)となった。

予選2位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)
予選3位は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)

GT300の予選結果(暫定、上位16台)

順位カーナンバー車両名ドライバータイヤ
161SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL
252埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS
360SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL
488JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH
565LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/菅波冬悟BS
62muta Racing Lotus MC加藤寛規/阪口良平BS
74グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH
825HOPPY Porsche松井孝允/佐藤公哉YH
9244たかのこの湯 GR Supra GT三宅淳詞/堤優威YH
1035arto RC F GT3ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジYH
1121Hitotsuyama Audi R8 LMS川端伸太朗/篠原拓朗YH
127Studie PLUS BMW荒聖治/山口智英YH
1387グランシード ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH
149PACIFIC NAC CARGUY Ferrari木村武史/ケイ・コッツォリーノYH
1534Yogibo NSX GT3道上龍/密山祥吾YH
1630TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT永井宏明/織戸学YH