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SUPER GT最終戦富士、スバル BRZは3位表彰台を獲得し61号車井口卓人/山内英輝組が悲願のチャンピオンを獲得優勝は60号車 GR Supra GT

笠原一輝
Photo：佐藤安孝（Burner Images）
奥川浩彦

2021年11月28日 15:16

2021年11月28日開催

GT300クラスでチャンピオンを獲得した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）

　SUPER GT最終戦富士が11月27日～28日の2日間にわたって富士スピードウェイ（静岡県駿東郡小山町）で開催された。11月28日13時からは決勝レースが行なわれ、GT500、GT300ともに年間チャンピオンが決定した。

　GT300は52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹/川合孝汰組、BS）が終盤までトップを走っていたがタイヤトラブルで後退し、代わってトップに立った60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹/河野駿佑組、DL）が逆転で優勝した。注目のチャンピオン争いはポールポジションからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）が3位に入賞し、タイトルを獲得した。

スタート直前の61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人/山内英輝組）。スバルの中村知美社長（中央左）も応援に駆けつけた

予選でポールをとった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが優位の中でレーススタート

GT300クラスのスタートシーン

　GT300の予選は、今シーズン最速のクルマとなっている61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人/山内英輝組、DL）がポールポジションを獲得し、悲願のチャンピオン獲得に向けて1点を追加して、さらに優位なポジションに立っている。61号車が1点を追加したことで、GT300のチャンピオン争いは4台に絞られており、2位が56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-R（藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組、YH）で49点、3位が55号車 ARTA NSX GT3（高木真一/佐藤蓮、BS）が45点、4位の244号車たかのこの湯 GR Supra GT（三宅淳詞/堤優威組、YH）が40点となっているが、56号車は昨日行われた予選で敗退して17番グリッドからスタート、55号車も20番グリッドと下位に沈む結果になっており、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが圧倒的に有利な状況で決勝レースを迎えた。

第7戦終了時点の獲得ポイント

順位	カーナンバー	ドライバー	ポイント
1	61	井口卓人/山内英輝	56
2	56	藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ	49
3	55	高木真一/佐藤蓮	45
4	244	三宅淳詞/堤優威	40

　GT300のスタートは、ポールからスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが順調に逃げて行った。しかし、7周目にセーフティカー導入が宣言される。これはダンロップコーナーでGT300車両同士の事故が発生し、うち1台がコース脇から動けなくなったことを排除されるためだ。そのため、ここまで築いた61号車のリードはなくなりレースは振り出しに戻った。

　レースが再開されると、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはトップを維持していたが、2位の60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹/河野駿佑組、DL）、3位の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹/川合孝汰組、BS）の3台が1パックになってトップ争いを展開した。

　いち早く動いたのは、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT。BRZがタンク容量の関係などもあって早めにピットインできないことを逆手にとって、早めにアンダーカットを狙い、GT500の21周目にピットに入りストップを終えて車両を送り出した。61号車 BRZは30周目にピットインすると、ルーティンのピット作業を終えたなかでは6番手でコースに戻った。チャンピオン争いのライバル達は後方に沈んでおり、この順位でも十分にチャンピオンを獲得できる順位だ。

残り2周で3位に上がり、表彰台で初タイトルに華を添えた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが悲願のタイトルを獲得

　すべての車両がピット作業を終えると、トップを走っていたのは52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT、2番手は60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT、3位は65号車 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS）、4位は4号車グッドスマイル初音ミク AMG（谷口信輝/片岡龍也組、YH）、5位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3（小暮卓史/元嶋佑弥組、YH）、6位に61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとなる。その後ろにチャンピオン争いの直接のライバルとなる55号車 ARTA NSX GT3が7位、56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rが8位、244号車たかのこの湯 GR Supra GTが9位となっており、そのままの順位で行けば61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがシリーズチャンピオンとなる。

終盤、4号車を抜き3位表彰台を引き寄せた61号車

優勝した60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹/河野駿佑組、DL）

　しかし、レース終盤の56周目に、トップを走っていた52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTに異変が起きる。最終コーナーでスローパンクチャーと思われる症状からスピンしてしまう。そのままピットに入りタイヤを交換してリスタートしたものの、大きく順位を下げ優勝争いからは脱落してしまった。

　これでトップに立ったのは60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT。これでトップに立つとそのまま危なげなくゴールした。2位は65号車 LEON PYRAMID AMG。3位は残り2周で4号車グッドスマイル初音ミク AMGをオーバーテイクして表彰台を獲得した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。この3位入賞で、悲願のチャンピオンを初めて獲得した。井口卓人選手、山内英輝選手ともにチャンピオンを獲得するのは初めて。

　以下4位は4号車グッドスマイル初音ミク AMG 、5位は56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-Rで、シリーズランキング2位となった。6位は25号車 HOPPY Porsche（松井孝允/佐藤公哉組、YH）。

3位でチェッカーフラッグを受ける61号車、シリーズチャンピオンも獲得した

チャンピオンチームの監督表彰

GT300クラスのシリーズチャンピオン表彰台

GT300クラス　第8戦富士決勝結果（暫定）

順位	カーナンバー	車両名	ドライバー	タイヤ	周回数
1	60	SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT	吉本大樹/河野駿佑	DL	61
2	65	LEON PYRAMID AMG	蒲生尚弥/菅波冬悟	BS	61
3	61	SUBARU BRZ R&D SPORT	井口卓人/山内英輝	DL	61
4	4	グッドスマイル初音ミク AMG	谷口信輝/片岡龍也	YH	61
5	56	リアライズ日産自動車大学校 GT-R	藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ	YH	61
6	25	HOPPY Porsche	松井孝允/佐藤公哉	YH	61
7	244	たかのこの湯 GR Supra GT	三宅淳詞/堤優威	YH	61
8	11	GAINER TANAX GT-R	平中克幸/安田裕信	DL	61
9	52	埼玉トヨペットGB GR Supra GT	吉田広樹/川合孝汰	BS	61
10	10	GAINER TANAX with IMPUL GT-R	星野一樹/石川京侍	DL	61
11	34	Yogibo NSX GT3	道上龍/密山祥吾	YH	61
12	2	muta Racing Lotus MC	加藤寛規/阪口良平	BS	61
13	9	PACIFIC NAC CARGUY Ferrari	木村武史/ケイ・コッツォリーノ	YH	61
14	31	TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT	嵯峨宏紀/中山友貴	BS	60
15	87	グランシードランボルギーニ GT3	松浦孝亮/坂口夏月	YH	60
16	30	TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT	永井宏明/織戸学	YH	60
17	21	Hitotsuyama Audi R8 LMS	川端伸太朗/篠原拓朗	YH	60
18	6	Team LeMans Audi R8 LMS	本山哲/片山義章	YH	60
19	96	K-tunes RC F GT3	新田守男/阪口晴南	DL	60
20	35	arto RC F GT3	ショーン・ウォーキンショー/ジュリアーノ・アレジ	YH	60
21	48	植毛ケーズフロンティア GT-R	田中優暉/飯田太陽	YH	59
22	360	RUNUP RIVAUX GT-R	青木孝行/田中篤	YH	58
23	88	JLOC ランボルギーニ GT3	小暮卓史/元嶋佑弥	YH	58
R	55	ARTA NSX GT3	高木真一/佐藤蓮	BS	46
R	5	マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号	平木湧也/平木玲次	YH	43
R	18	UPGARAGE NSX GT3	小林崇志/名取鉄平	YH	25
R	7	Studie PLUS BMW	荒聖治/山口智英	YH	5
NS	50	Arnage AMG GT3	加納政樹/柳田真孝	YH	－

第8戦終了時点のドライバーランキング

順位	カーナンバー	ドライバー	Rd1	Rd2	Rd3	Rd4	Rd5	Rd6	Rd7	Rd8	合計
1	61	井口卓人/山内英輝	－	16	2	－	21	11	5	12	67
2	56	藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ	20	4	3	－	11	－	11	6	55
3	60	吉本大樹/河野駿佑	3	20	－	－	6	－	－	20	49
4	55	高木真一/佐藤蓮	－	11	4	－	15	－	15	－	45
5	244	三宅淳詞/堤優威	6	－	20	8	2	－	4	4	44
6	65	蒲生尚弥/菅波冬悟	15	8	－	2	－	3	－	15	43
7	11	平中克幸/安田裕信	9	－	－	16	1	6	3	3	38
8	88	小暮卓史/元嶋佑弥	2	5	15	－	4	－	8	－	34
9	52	吉田広樹/川合孝汰	11	－	－	11	－	8	2	2	34
10	4	谷口信輝/片岡龍也	－	3	11	6	－	5	－	8	33
11	2	加藤寛規/阪口良平	－	1	2	20	－	－	－	－	23
12	96	新田守男	5	－	－	－	3	15	－	－	23
13	31	嵯峨宏紀/中山友貴	－	－	－	－	－	21	－	－	21
14	25	松井孝允/佐藤公哉	4	－	－	5	－	1	6	5	21
15	21	川端伸太朗/篠原拓朗	－	－	－	－	－	－	20	－	20
16	96	阪口晴南	－	－	－	－	－	15	－	－	15
17	9	ケイ・コッツォリーノ	－	－	8	4	－	2	－	－	14
18	10	星野一樹/石川京侍	1	6	－	－	－	4	1	1	13
19	9	横溝直輝	－	－	8	4	－	－	－	－	12
20	87	松浦孝亮/坂口夏月	－	－	－	－	8	－	－	－	8
21	30	永井宏明/織戸学	－	－	5	3	－	－	－	－	8
22	5	平木湧也/平木玲次	－	－	6	－	－	－	－	－	6
23	34	道上龍/密山祥吾	－	－	－	－	5	－	－	－	5
24	96	平良響	5	－	－	－	－	－	－	－	5
25	18	小林崇志/名取鉄平	－	2	－	1	－	－	1	－	4
26	96	小高一斗	－	－	－	－	3	－	－	－	3
27	9	木村武史	－	－	－	－	－	2	－	－	2