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SUPER GT最終戦富士、GT500は36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が優勝 大逆転でシリーズチャンピオンに
2021年11月28日 15:29
- 2021年11月28日 発表
SUPER GT最終戦富士が11月27日~28日の2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。11月28日13時から決勝レースが行なわれ、GT500、GT300ともに年間チャンピオンが決定した。
GT500は予選2位からスタートした1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が有利だと見られており、決勝レースでは中盤まで4位であり、そのまま行けば十分チャンピオンが狙えた。終盤にGT300の55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮、BS)とまさかの接触となり、修復のためほとんど手にしていたチャンピオンの座を失うことになった。
レース前はランキング4位だった36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)が優勝し、1号車が沈んだこともあって大逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。
ホンダ3車が圧倒的優勢という状況でレースがスタートし、1号車は着実に上位を走る
GT500クラスでチャンピオンの可能性があるのは、60点を獲得している1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)。57点の8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)が2位、52点の17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)が3位と、ランキング上位3台をホンダ勢が占める状況になっていた(なお1号車の牧野任祐選手は開幕戦を病欠しているため、チャンピオンの権利はないので除外している)。
トヨタ勢は44点の36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)が4位、昨日の予選でポールポジションを獲得して1点を加えて41点となった14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)が6位。また、ニッサン勢は43点の12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治組、BS)が5位となっている。
SUPER GTでは優勝20点、2位15点、3位が11点……というポイントシステムであるため、ホンダが圧倒的に有利な状況で決勝レースを迎えている、トヨタ、日産勢はホンダの3台ともが下位に沈んだ場合に優勝すればチャンピオンの可能性があるという状況になっている。
第7戦終了時点の獲得ポイント
順位 | カーナンバー | ドライバー | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 1 | 山本尚貴 | 60 |
2 | 1 | 牧野任祐 | 57 |
3 | 8 | 野尻智紀/福住仁嶺 | 55 |
4 | 17 | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | 52 |
5 | 36 | 関口雄飛/坪井翔 | 44 |
6 | 12 | 平峰一貴/松下信治 | 43 |
7 | 14 | 大嶋和也/山下健太 | 41 |
SUPER GT最終戦富士予選、GT300は61号車BRZがチャンピオン獲得へポールポジションで好発進 GT500は14号車GR Supra
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1369709.html
前日の予選では、14号車 ENEOS X PRIME GR Supraがポールを獲得したものの、1号車 STANLEY NSX-GTが予選2位となっており、そのままの順位でゴールすれば1号車がチャンピオンという圧倒的に優位な状況の中で決勝レースを迎えることになった。
GT500のホールショットを奪ったのはポールからスタートした14号車 ENEOS X PRIME GR Supra。2番グリッドからスタートした1号車 STANLEY NSX-GTは、3番グリッドからスタートした36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔組、BS)、4番グリッドからスタートした37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ組、BS)の2台に激しく追い上げられ、36号車と37号車はタイヤが温まらない1号車をオーバーテイクして2位と3位にあがった。これで1号車は4位だ。その背後には、チャンピオン争いで直接のライバルになる8号車 ARTA NSX-GTが5位で迫っている。
3周目の終わりにはチャンピオン争いを左右する大きなアクシデントが発生する。17号車 Astemo NSX-GTと12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが最終コーナーで接触。それに19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋組、YH)と64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹組、DL)が巻き込まれていずれも大きく順位を下げることになった。
17号車以外はそのまま走り続けたものの、いずれも順位を下げたほか、17号車はリアウィングも破損するなど大きなダメージを受け、ゆっくりと1周するとそのままピットに入りリタイアとなりチャンピオン争いから脱落することになった。
12号車にはスタート時に他車を押し出したことによりドライブスルーペナルティが科され、GT500の最後尾に。こちらも実質的にチャンピオン争いから脱落することになった。
7周目にGT300の事故が発生しダンロップコーナーの外側に車両が停止したままになってしまったことで、セーフティーカー導入が宣言された。これにより14号車が稼いだリードは一挙になくなり、レースは再び振り出しに戻ることになった。
レース終盤にホンダ陣営同士の接触で1号車脱落、36号車 au GR Supraが優勝、逆転チャンピオン獲得
レースが再開したのは13周目。その1コーナーで36号車 au TOM'S GR Supraがトップを走る14号車 ENEOS X PRIME GR Supraのインに入りトップに浮上する。続くアドバンコーナーで37号車 KeePer TOM'S GR Supraも続く。これでトムスチームのGR Supraが1-2体制だ。
トヨタ陣営としては一番チャンピオンの可能性があるのが36号車なので、願ったり叶ったりの展開と言える。ここから36号車は飛ばして徐々に2位以下に差をつけていった。
レースが動いたのは22周目。レース距離の1/3となる規定の周回数ギリギリで4位の1号車 STANLEY NSX-GT、5位の8号車 ARTA NSX-GT、6位の3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)がピットに入る。このピットで3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは8号車よりも短い時間で前にでると、さらにミシュランタイヤの温まりのよさを活かして1号車の前にも出た。
そして全車がピットストップを終えるとトップに戻っていたのは36号車 au TOM'S GR Supra、2位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、3位は37号車 KeePer TOM'S GR Supra、4位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、5位は1号車 STANLEY NSX-GT。
1号車としては、36号車が優勝しても6位以上であればチャンピオンを獲得できるため、この順位を維持したままゴールまで行きたいところだ。まもなく3号車をオーバーテイクして4位に上がり、2台に抜かれてもチャンピオンを取れる位置につけた。
レース終盤、順調に4位を走っていた1号車にGT300の55号車 ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮、BS)が無理にインに入ってきて接触。ホンダのジュニアドライバーである佐藤蓮選手とホンダのエースドライバー山本尚貴選手が接触というまさかの展開に。1号車は車両にダメージを受けピットに入る。この接触でほぼ手中にしていたチャンピオンの座を失うことになった。ホンダ陣営の自滅としか言いようがない思いもよらない展開だ。
これで、36号車 au TOM'S GR Supraがそのままゴールすればシリーズチャンピオンという状況になった。そこから36号車は危なげなくレースを走りきってチェッカーを受けて見事優勝でシリーズチャンピオンを獲得した。関口雄飛選手、坪井翔選手はどちらもシリーズチャンピオンの獲得は初めて。
2位は37号車 KeePer TOM'S GR Supraで、トムスチームは1-2フィニッシュを果たした。3位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supra、4位は39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)、5位は38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)、6位は8号車 ARTA NSX-GTとなった。
GT500クラス 第8戦富士決勝結果(暫定)
順位 | カーナンバー | 車両名 | ドライバー | タイヤ | 周回数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | au TOM'S GR Supra | 関口雄飛/坪井翔 | BS | 66 |
2 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 平川亮/サッシャ・フェネストラズ | BS | 66 |
3 | 14 | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/山下健太 | BS | 66 |
4 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | BS | 66 |
5 | 38 | ZENT CERUMO GR Supra | 立川祐路/石浦宏明 | BS | 66 |
6 | 8 | ARTA NSX-GT | 野尻智紀/福住仁嶺 | BS | 66 |
7 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | MI | 66 |
8 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 平手晃平/千代勝正 | MI | 66 |
9 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 平峰一貴/松下信治 | BS | 66 |
10 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 笹原右京/大湯都史樹 | DL | 66 |
11 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R | 高星明誠/佐々木大樹 | YH | 65 |
12 | 64 | Modulo NSX-GT | 伊沢拓也/大津弘樹 | DL | 65 |
13 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/宮田莉朋 | YH | 63 |
14 | 1 | STANLEY NSX-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | BS | 59 |
R | 17 | Astemo NSX-GT | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | BS | 4 |
第8戦終了時点のドライバーランキング(暫定)
順位 | カーナンバー | ドライバー | Rd1 | Rd2 | Rd3 | Rd4 | Rd5 | Rd6 | Rd7 | Rd8 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | 関口雄飛/坪井翔 | 15 | - | 6 | 11 | 8 | 1 | 3 | 20 | 64 |
2 | 1 | 山本尚貴 | 3 | 8 | 8 | 21 | 15 | 5 | - | - | 60 |
3 | 8 | 野尻智紀/福住仁嶺 | 4 | 3 | - | 6 | 2 | 20 | 20 | 5 | 60 |
4 | 1 | 牧野任祐 | - | 8 | 8 | 21 | 15 | 5 | - | - | 57 |
5 | 17 | 塚越広大/ベルトラン・バゲット | 6 | 20 | 4 | - | 11 | 3 | 8 | - | 52 |
6 | 14 | 大嶋和也/山下健太 | 20 | 15 | - | - | - | - | 5 | 12 | 52 |
7 | 37 | 平川亮 | 12 | 11 | 1 | 4 | - | 2 | 1 | 15 | 46 |
8 | 12 | 平峰一貴/松下信治 | 1 | 2 | 5 | - | 20 | 4 | 11 | 2 | 45 |
9 | 23 | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | - | - | 20 | 2 | 4 | 11 | - | 4 | 41 |
10 | 3 | 平手晃平/千代勝正 | 2 | 6 | 15 | 5 | - | 8 | - | 3 | 39 |
11 | 19 | 国本雄資/宮田莉朋 | - | 5 | - | 15 | - | - | 16 | - | 36 |
12 | 38 | 立川祐路/石浦宏明 | 5 | - | 3 | 3 | - | 15 | 2 | 6 | 34 |
13 | 39 | ヘイキ・コバライネン/中山雄一 | 8 | 5 | - | 1 | 6 | 6 | - | 8 | 34 |
14 | 37 | 阪口晴南 | 12 | 11 | 1 | 4 | - | - | - | - | 28 |
15 | 24 | 高星明誠/佐々木大樹 | - | - | 11 | - | 5 | - | 4 | - | 20 |
16 | 16 | 笹原右京/大湯都史樹 | - | - | 2 | 8 | 2 | 1 | 6 | 1 | 20 |
17 | 37 | サッシャ・フェネストラズ | - | - | - | - | - | 2 | 1 | 15 | 18 |
18 | 64 | 伊沢拓也/大津弘樹 | - | 1 | 1 | - | 3 | - | - | - | 5 |
19 | 1 | 武藤英紀 | 3 | - | - | - | - | - | - | - | 3 |