ニュース

福岡市とトヨタが連携協定を締結、スーパー耐久での取り組みが水素社会の早期実現に向けた協業へ

2022年2月7日 発表

オンラインで共同会見を行なう福岡市とトヨタ。左上から髙島宗一郎 福岡市長、トヨタ自動車株式会社 トヨタZEVファクトリーFC事業領域統括部長 濱村芳彦氏、同 CV Company President 兼Commercial Japan Partnership Technologies 代表取締役社長 中嶋裕樹氏

 福岡市とトヨタ自動車は2月7日、水素社会の早期実現に向け商用事業での協業に取り組むCommercial Japan Partnership Technologiesと共同で、相互に連携した幅広い取り組みを推進していくことに合意したと発表した。最初の取り組みとして、燃料電池車両の導入に向けた検討を開始した。

 髙島宗一郎 福岡市長は、福岡市は日本で初めて燃料電池技術を用いたトラックやバイクなどの実証実験に取り組んだことを紹介するとともに、市民の生活排水(下水)から水素を製造し燃料電池自動車に供給する世界初の取り組みを行なっていることを紹介。2021年11月には、福岡市が製造した水素をトヨタが水素エンジン搭載カローラで参戦しているスーパー耐久へ供給したことなどにも触れた。

 今回の取り組みに関しては、福岡市への給食配送車やパッカー車(ゴミ収集車)として燃料電池トラック、移動式発電・給電システム(Moving e)の導入を検討。水素を安全に便利に、そして低コストで使っていける取り組みを行なっていく。

 トヨタ自動車 トヨタZEVファクトリーFC事業領域統括部長 濱村芳彦氏は、この取り組みを実際のフィールドで福岡市と一緒にやっていくことに言及。「どんどん挑戦をさせていただきたい」と語った。

 またトヨタで新しい商用車ビジネスを手がけるCV Company President 兼Commercial Japan Partnership Technologies 代表取締役社長 中嶋裕樹氏は、「豊田章男社長からは、この取り組みをサステナブルかつプラクティカルなものに」とのミッションを得ており、机上の論議ではなく、実際に燃料電池車を商用車として運用することで課題などが見えてくるほか、運行管理など得るものは多いとした。

福岡市が製造した水素を用いて走る水素エンジン搭載カローラ