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BMW、新型BEV「i4」を公開 2022年ビジネス・ストラテジーおよび新型電動モデル発表会

2022年2月16日 開催

2022年ビジネス・ストラテジーおよび新型電動モデル発表会を開催。ミドルクラスの4ドアクーペモデル「4シリーズ グラン クーペ」のBEV(バッテリ電気自動車)「i4(アイフォー)」を発表

 ビー・エム・ダブリューは2月16日、2022年ビジネス・ストラテジーおよび新型電動モデル発表会を開催。会場で、ミドルクラスの4ドアクーペモデル「4シリーズ グラン クーペ」のBEV(バッテリ電気自動車)となる「i4(アイフォー)」と、電動スクーター「CE 04(シーイー・ゼロフォー)」を公開した。

 i4のラインアップは、340PS/430Nmを発生する電気モーターをリアに搭載する後輪駆動モデルの「i4 eDrive40」と「i4 eDrive40 M Sport」のほか、BEVとして初のMモデルとなる「i4 M50」の3モデル。特にM50は、フロントに258PS/430Nmを発生する電気モーターを、リアに313PS/365Nmを発生する電気モーターをそれぞれ搭載し、システムトータルで544PS/795Nmという、同社のV型8気筒 4.4リッターエンジンを搭載するMモデルを超える出力を誇るモデルとなる。

 全モデルともに、搭載されるリチウムイオン電池の容量は210.6Ah、総エネルギー量は83.9kWhで、一充電での走行可能距離はeDrive40が590km(ヨーロッパ仕様値)、M50が510km(ヨーロッパ仕様値)。

 充電は普通充電と急速充電(CHAdeMO)に対応し、普通充電では6.4kWのBMWウォール・ボックス(200V/32A)を利用すると、約15時間で0%の状態から100%まで充電が可能。急速充電(CHAdeMO)では90kW充電器を利用すると、約40分で0%の状態から約80%までの充電ができるとしている。

BMW、初の完全電動グラン クーペ「i4」デビュー 後輪駆動の「i4 eDrive40」と4輪駆動の「i4 M50」

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1388721.html

i4 M50
4シリーズの特徴的なキドニーグリルを継承。6ライトウィンドウでありながら、サッシュレスドアを採用することで、乗降性を確保。フロントには高性能の3眼カメラを設置
左側フロントフェンダーに通常充電用のポートを、右側リアフェンダーに急速充電用のポートを備える
i4 M50のインパネ
基本デザインはベースの4シリーズ グラン クーペを継承しつつ、一体型のワイドスクリーンを採用することで、先進性や利便性を実現。各所にブルーのアクセントを加えることで電動車であることをさりげなく主張している
荷室容量は470L~最大1290L

4シリーズ グラン クーペに電動化の個性を加えた「i4」

 i4の概要については、BMW ブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マーケティング プロダクト・マネージャー 岩崎格氏が解説。

BMW ブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マーケティング プロダクト・マネージャー 岩崎格氏

 外観は4シリーズ グラン クーペとほぼ同じデザインとなっているが、穴のあいていない大型のキドニーグリル、フロントフェンダーのエアアウトレット、フラッシュサーフェス化されたドアハンドルなどが特徴となる。

 また、eDrive40 M SportとM50では、リアの本来ならばテールパイプがあるであろう部分のデザインがデュフューザー形状となっており、空力とスポーティな外観を両立させている。

 内装は、外観と同じように基本は4シリーズ グラン クーペと共通としつつ、シフトレバーなどにブルーのアクセントを取り入れることで、さりげなく電動車であることをアピール。iXでも採用されている一体型のワイドスクリーンを取り入れることで、先進性と利便性を両立している。

 リチウムイオン電池は床下に搭載されているため、ベースの4シリーズ グラン クーペよりフロアが25mm高くなっているとのこと。荷室容量は4シリーズ グラン クーペと同じ470Lを確保。リアシートを倒すことにより、最大で1290Lまで拡大可能としている。

車両区分は軽二輪となる電動スクーター「CE 04」

 i4と同時に公開された電動スクーターのCE 04については、BMW Motorrad ゼネラル・マネージャー 佐伯要氏が解説。

BMW Motorrad ゼネラル・マネージャー 佐伯要氏

 CE 04は、定格出力15kW、最高出力42PSというパワフルなモーターを搭載することで、停止状態から50km/hまでの加速は2.6秒を実現。最高速は120km/hとなり、高速道路でも問題なく利用できるとしている。

 バッテリ容量は8.9kWhで、都市部での移動手段を想定したモデルとなるため、航続可能距離は約130km。充電は200VのAC充電に対応し、家庭用の2.3kWの出力であれば、0%から満充電まで約4時間30分で充電可能。6.4kWの充電にも対応し、その場合の0%から満充電までの時間は約1時間40分とのこと。CHAdeMOへの対応はしていないが、「一度乗って自宅に戻って充電をして、再度出かけるまでの時間で充電ができるため、普通充電でもまったく問題なく使えるのではないか」としている。

 また、400ccクラスのような見た目でありながらも、車両区分は軽二輪になるため、車検不要で維持が可能となるとのこと。

CE 04
CE 04

2022年は「EV」「Mモデル」「ラグジュアリー」の3本柱を中心に展開

 ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏は、グループ全体における2021年の業績を振り返るとともに、2022年の計画と展望を紹介。

ビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏

 グループごとの販売台数では、BMWが3万5950台、MINIは1万8211台、BMW Motorradは5866台を記録。新型コロナウイルスや半導体不足の影響を抑えることができなかったとしながらも、BMW Motorradは過去最高の販売台数を記録するとともに、BMWグループの売り上げは前年(2020年)を上まわったとした。

 2021年はBMWが16車種、MINIは3車種、BMW Motorradが14車種の新型車を発売。「M3」「M4」といったニューモデルや、14種類の限定車などに加え、電動化を加速させるモデルとなる「iX」「iX3」の2台のBEVを日本に導入した。これらのモデルが牽引役となり、登録台数では2016年から6年連続となる1位を記録。4シリーズが日本カー・オブ・ザ・イヤーの「デザインカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたことも喜ばしいトピックだと話した。

 そのほかにも、2021年はオンラインストアの販売が好調であったこと、工場やパーツセンターなどでリサイクル可能な再生エネルギーや環境負荷の少ない素材を使うなど、サステナビリティにも取り組んだことなどを紹介した。

 そして、2022年はBMWのブランドスローガン「駆けぬける歓び」のもと、「EV」「Mモデル」「ラグジュアリー」を3本柱としていくとした。

 EVについては、2014年に「i3」でEV分野に参入し、2021年にはこれまでの7年間で培った技術を凝縮したというiX、iX3を発売。そして、「上半期にはiXのバリエーションモデルを追加し、Mの傘下に別のEVモデルとして追加される予定」と今後の計画を示した。また、BMW MotorradではEVのラインアップを充実させ、リーダーとしての位置付けを確固たるものにしていきたいとの想いを述べた。

 さらに、EV戦略を進める上で重要となる充電システムについては、現在の872基の充電器に加えて、急速充電器への投資を行なうと明言した。

 Mモデルについては、販売台数が8年連続で前年を上まわっていると現状を紹介。2022年はMモデルが50周年を迎える年となるにあたり、50周年の特別なロゴを装着するとともに、日本向けに限定モデルとイベントを検討していると明かした。

 ラグジュアリーについては、「今年は多くの新製品がBMWのラグジュアリーセグメントに投入される」としたほか、限定車や新たに“エキサイティングなモデル”も登場すると予告。

 上期には、「8シリーズ」においてクーペ、コンバーチブル、グラン クーペといったラインアップをそろえ、下期にはさらなるエキサイティングなモデルを投入。加えて、EVモデルもラグジュアリーセグメントで発表するとした。

 また、この3本の柱のほかに、コンパクトミドルクラスへ多くのモデルを投入するとして、「2シリーズ クーペ」「2シリーズ アクティブツアラー」を2月にリリースすると明かすとともに、「JOY」をキーワードにしたブランドキャンペーンを展開していくと述べた。

 そのほかにも、BMWグループにMINIジャパンが加わってから20年になることを記念したイベントを計画しているほか、BMW Motorradでは2021年の過去最高の売り上げに続き、今年も積極的に営業を続けていくとした。

 最後にヴィードマン氏は「i4は、まさにカーボンニュートラルが世界的に叫ばれる中、BMWとしてこれまでのガソリン車、ディーゼル車で培ってきた“駆けぬける歓び”とまったく何も変わらない楽しい走りを、実用的な航続距離の実現と同時に成し遂げるということを目指して開発されてきました。ガソリン車、ディーゼル車に加えて、電動車もいいんじゃないかと、お客さまにご提案できるモデルであると確信しています。また、日本で初めての電動Mモデルということで、現在、そして未来のBMWを体験していただけます。BMWグループジャパンは、今年、世界と日本のプレミアムセグメントにおけるリーダーとしての位置を確固たるものにするために、電気自動車戦略を推し進めるつもりでございます」と締めくくった。