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スーパーフォーミュラ第2戦富士、ホンダのエース野尻智紀選手が昨シーズン王者の貫禄でポールトゥウイン

第2戦富士を優勝した野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕ラウンドとなる第1戦・第2戦富士が、4月9日~10日の2日間にわたり富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された。2022年のスーパーフォーミュラは全7ラウンドで行われる。そのうち3ラウンドは土日それぞれにレースを行う2レース制になっており、開幕戦となる富士スピードウェイも2レース制で行なわれた。9日には第1戦の予選と決勝が、10日は第2戦の予選が午前中に、決勝が午後に行なわれた。

 午前中の予選では昨日の開幕戦で2位になった2021年チャンピオン野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)がポールポジションを獲得した。午後の決勝レースでは、ポールからスタートした野尻選手が、義務づけられたタイヤ交換を行なうタイミングを除けば、一度もトップの座を譲ることなく最初にチェッカーを受けてポールトゥウインで優勝した。2位は前戦の優勝者平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)、3位は宮田莉朋選手(37号車 Kuo VANTELIN TOM’S SF19)

予選:野尻智紀選手がポールポジションを獲得、2位は宮田莉朋選手

 第2戦の予選では、第1戦を終えて見えてきた勢力図がそのまま結果になったような順位となった。序盤を支配したのは、第1戦でフロントローを独占したホンダ若手の2人、笹原右京選手(15号車 TEAM MUGEN BINGO SF19)と佐藤蓮選手(53号車 Red Bull TEAM GOH G01 SF19)。セッション終盤までこの2人がタイミングモニタの一番上に表示され、昨日の予選の再現になるかに思われた。

 2人のタイムを最初に上回ったのが、宮田莉朋選手(37号車 Kuo VANTELIN TOM’S SF19)で、笹原選手のタイムを0.014秒上回り一気に1位に躍り出た。

 最終ラップに宮田選手を0.195秒という大差をつけて上回ったのが昨年のチャンピオン野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)。第1戦の予選は新しくチームに加入したばかりの笹原選手にポールポジションを獲られて悔しい思いをした昨年のチャンピオンは、見事その雪辱を果たした。2位は宮田選手、3位は笹原選手、4位は佐藤選手となり、5位は山下健太選手(3号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)、6位は小林可夢偉選手(7号車 Kids com KCMG Cayman SF19)となった。

 昨日の開幕戦で優勝した平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)は予選8位、同3位だったサッシャ・フェネストラズ選手(4号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)は予選7位。決勝レースで追い上げを狙うことになる。

第2戦富士 予選結果

順位カーナンバードライバー車両Q1Q2
11野尻智紀TEAM MUGEN MOTUL SF191分21秒8991分21秒522
237宮田莉朋Kuo VANTELIN TOM’S SF191分21秒8431分21秒717
315笹原右京TEAM MUGEN BINGO SF191分21秒8981分21秒731
453佐藤蓮Red Bull TEAM GOH G01 SF191分22秒3171分21秒754
53山下健太REALIZE Corporation KONDO SF191分22秒1001分21秒763
67小林可夢偉Kids com KCMG Cayman SF191分22秒2791分21秒842
74サッシャ・フェネストラズREALIZE Corporation KONDO SF191分21秒7291分21秒857
820平川亮carenex TEAM IMPUL SF191分22秒2071分21秒882
955三宅淳詞TEAM GOH G01 SF191分21秒7961分21秒934
1036ジュリアーノ・アレジKuo VANTELIN TOM’S SF191分22秒0011分21秒948
1138坪井翔P.MU/CERUMO・INGING SF191分21秒9871分22秒178
126大津弘樹DOCOMO DANDELION M6Y SF191分22秒1641分22秒249
135牧野任祐DOCOMO DANDELION M5S SF191分22秒374
1412福住仁嶺ThreeBond Drago CORSE SF191分22秒238
1539阪口晴南P.MU/CERUMO・INGING SF191分22秒518
1619関口雄飛carenex TEAM IMPUL SF191分22秒277
1764山本尚貴TCS NAKAJIMA RACING SF191分22秒667
1865大湯都史樹TCS NAKAJIMA RACING SF191分22秒477
1914大嶋和也docomo business ROOKIE SF191分23秒075
2018国本雄資Kids com KCMG Elyse SF191分22秒635
2150松下信治BYOUBUGAURA B-MAX SF191分22秒733

決勝:ポールからスタートした野尻智紀選手が、タイヤ交換時以外はトップを維持してポールトゥウイン

決勝レースのスタート直後

 決勝レースのスタートは、まるで昨日のレースのリプレイを見るように、笹原右京選手がエンジンストールしてスタートができず、その横のグリッドだった佐藤蓮選手も出遅れて順位をさげてしまった。しかし、後方の選手は笹原選手を避けることができ、大きな混乱にはならずに済んだのは不幸中の幸いだった。

 フロントローの2人(野尻智紀選手、宮田莉朋選手)はきれいなスタートを切り、そのままの順位で1コーナーに入っていった。そこに小林可夢偉選手、サッシャ・フェネストラズ選手、平川亮選手と続いた。しかし、ダンロップコーナーに入っていったところで、牧野任祐選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF19)が松下信治選手(50号車 BYOUBUGAURA B-MAX SF19)に押された形でスピン、コース上に止まってしまったためセーフティカーが導入された(後に松下選手にはドライブスルーペナルティーが出された)。

 セーフティカーがピットに戻ったのは5周目。そこからトップの野尻選手は徐々に宮田選手など2位以下を引き離していく。トップ争いから最初に脱落したのはフェネストラズ選手。タイヤにトラブルを抱えたフェネストラズ選手は何度かコースを飛び出して、最終的に義務づけられているタイヤ交換が可能になるトップが10周目に入るより前にタイヤ交換を行なうことになったため、周回遅れになってしまい脱落した。

 トップが10周目に入ると、予選で下位に沈んだドライバーはいち早く義務づけられたタイヤ交換を行なう。タイヤ交換組のトップはジュリアーノ・アレジ選手(36号車 Kuo VANTELIN TOM’S SF19)。トップの野尻選手は、そうしたタイヤ交換を終えた選手のタイムを見ながらペースを調整していくレースとなった。

 上位勢で最初に義務づけされたタイヤ交換を終えたのは平川亮選手。その後2位だった宮田莉朋選手が行ない、平川選手の前に戻ることに成功したが、タイヤが温まるまでに平川選手が宮田選手を軽々とオーバーテイクしていく。そしてほぼ最後にピットインしたのはトップの野尻選手。その野尻選手がピットアウトしてからしばらくして平川選手がやってくる。野尻選手はタイヤが温まるまでなんとか逃げ切り、平川選手を抑えることに成功した。

2位は第1戦の優勝者である平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)

 レースはそのまま野尻選手がトップの座を譲らずに優勝した。2位には第1戦に優勝した平川選手が入り、第1戦と逆の順位でゴールすることになった。3位は宮田選手。4位は予選5位から1つ上げた山下健太選手(3号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)、5位は予選9位から順調に順位を上げたルーキーの三宅淳詞選手(55号車 TEAM GOH G01 SF19)。6位はこちらもタイヤ交換を後半に引っ張る戦略を成功させて予選16位から大きく順位を上げた関口雄飛選手(19号車 carenex TEAM IMPUL SF19)となった。

第2戦富士の表彰台

第2戦富士 決勝結果

順位カーナンバードライバー車両名周回数
11野尻智紀TEAM MUGEN MOTUL SF1941
220平川亮carenex TEAM IMPUL SF1941
337宮田莉朋Kuo VANTELIN TOM’S SF1941
43山下健太REALIZE Corporation KONDO SF1941
555三宅淳詞TEAM GOH G01 SF1941
619関口雄飛carenex TEAM IMPUL SF1941
76大津弘樹DOCOMO DANDELION M6Y SF1941
836ジュリアーノ・アレジKuo VANTELIN TOM’S SF1941
97小林可夢偉Kids com KCMG Cayman SF1941
1015笹原右京TEAM MUGEN BINGO SF1941
1165大湯都史樹TCS NAKAJIMA RACING SF1941
1238坪井翔P.MU/CERUMO・INGING SF1941
1353佐藤蓮Red Bull TEAM GOH G01 SF1941
1464山本尚貴TCS NAKAJIMA RACING SF1941
1518国本雄資Kids com KCMG Elyse SF1941
1612福住仁嶺ThreeBond Drago CORSE SF1941
1739阪口晴南P.MU/CERUMO・INGING SF1941
1814大嶋和也docomo business ROOKIE SF1941
1950松下信治BYOUBUGAURA B-MAX SF1941
204サッシャ・フェネストラズREALIZE Corporation KONDO SF1940
R5牧野任祐DOCOMO DANDELION M5S SF19