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ダイハツ、自治体向け福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」販売開始 複数施設の送迎を共同で行ない効率化を図る
2022年4月22日 20:34
- 2022年4月22日 販売開始
介護施設の人手不足をカバーしつつ、あき時間で高齢者の外出もサポート
ダイハツ工業は4月22日、全国の地方自治体を対象にした福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」の販売を開始。オンラインで説明会を開催した。
ダイハツは、グループスローガン「Light you up」のもと、世界中の1人ひとりが自分らしく軽やかに輝くモビリティライフを提供すべく、1mm、1g、1円、1秒にこだわった良品廉価なもの作りと、ユーザーや地域の方々との接点拡大によるコトづくりの両輪で事業に取り組んでおり、2018年からは通所介護施設における送迎業務の効率化をサポートする「らくぴた送迎」サービスを開始。
また、介護施設における人手不足という課題解決に向け、ダイハツは「らくぴた送迎」で培った知見をもとに、地域内の複数の介護施設における送迎業務を外部に委託することで負担軽減を図り、共同化することで効率のよい送迎を実現する新たなモビリティサービスを開発。香川県三豊市において2020年11月から実証事業を実施し、送迎車両を2割削減するなどの効果が確認できたという。
今回販売を開始した「ゴイッショ」は、「らくぴた送迎」や香川県三豊市での実証事業で培った知見を活かし、複雑かつ相反する送迎ニーズをすり合わせる介護送迎専用のアルゴリズムを搭載したシステムを採用。介護送迎に特化した人材が「調査・検討」から「運行」までを一貫してサポートする。
サービス提供にあたっては、地域に根差したサービスとするべく、導入検討段階では介護施設送迎に関する課題調査、実証実験の企画・運営を地域と連携して実施。導入決定後は、ロードマップや収支計画の策定・ドライバーへの介助接遇研修など、運行に向けた準備を支援し、運行開始後には、運行管理システムの提供や日々の運営をサポートする。
加えて、送迎は朝と夕方に集中することから、空き時間を活用した「買い物支援などの移動サービス」「宅食サービスなどモノの配送」など、他のサービスとのかけ合わせによる発展的な取り組みの検討も支援していく。
説明会ではダイハツ工業 新規事業戦略室 福祉介護MaaS分野 統括グループリーダー 岡本仁也氏がサービスの詳細を説明。「共同送迎を移動のプラットフォームにしたい」という未来を目指し、介護人材不足と地域移動課題を一体で捉えるサービスとすることで、解決策を模索している自治体にサービスを提供していくとした。
岡本氏は「ご高齢者のお出かけ手段が不足する地域では、買い物やお出かけの移動をサポート。独居の方のご自宅にお食事をお届けする必要がある地域では、弁当のお届けサービスなど、地域のニーズに合ったサービスを組み合わせる。このように介護送迎のアセットをフル活用することで、地域の移動課題解決を目指します。これにより、質の高い介護サービスの実現と、自由に移動できる環境づくりに寄与し、高齢者にとっては、今暮らしている地域がさらに住みよいまちになること。これが私たちの実現したいことです」とサービスへの期待を語った。
また、ダイハツ工業 コーポレート事業本部 副統括部長 谷本敦彦氏は「私どもダイハツは地域の皆さまに愛されており、われわれのお客さまは高齢の方が非常に多いということで、クルマづくりにおいては福祉介護車両『フレンドシップシリーズ』と呼んでおります福祉介護車両を開発してまいりました。こういった“モノづくり”だけではなく、こういったクルマを使ったサービスをされている福祉介護の皆さまの時業務をサポートしたいという思いで取り組んでまいりました」。
「らくぴた送迎という個別の事業者さまを支える活動をしてまいりましたが、個別の事業者さまだけの努力だけでは、大きな社会課題となっている人手不足ということには対応できないということ、特に地方部では人手不足というのは本当に深刻だということについて、地域が一体となって取り組み、人を束ねて効率よく送迎するだけではなく、あいてる時間で高齢者の方にお弁当をお届けしたり、別のサービスをしたりすることで、地域のさまざまな移動を支えていくようなプラットフォームになっていきたいです」と思いを語った。