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ダイハツ、仕事で使う車両ならではの使い勝手やメンテナンス性にこだわった「ハイゼット カーゴ」「アトレー ワゴン」発表会
「働く人々に寄り添い、支えたいと考えるダイハツならではの商品」
2017年11月14日 00:00
- 2017年11月13日 開催
ダイハツ工業は11月13日、マイナーチェンジを行なった軽商用車「ハイゼット カーゴ」、軽乗用車「アトレー ワゴン」の発表会とともに、通所介護事業施設向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」の発表会を東京都千代田区のベルサール秋葉原で開催した。
主なマイナーチェンジの内容は、歩行者も認識して作動する衝突回避支援システム「スマートアシストIII」を搭載したほか、収納スペースを多く確保するなどインテリアを変更して使い勝手を向上。さらに、フロントバンパー左右下部に傷がついた場合でも部分的に交換できる「コーナーピース」をハイゼット カーゴに設定してメンテナンス性を高めた。詳しくは、「ダイハツ、『アトレー ワゴン』『ハイゼット カーゴ』マイチェンで歩行者にも対応する“スマートアシストIII”設定」を確認いただきたい。
最初に登壇したダイハツ工業 取締役(専務執行役員)の松林淳氏は、商用車でスマートアシストIIIを初めて展開したことに触れるとともに、自動車メーカーが送迎支援システムを開発したことについて、「今年から新たに掲げたスローガン“Light you up”を指針として、モノづくりとコトづくりの両面でダイハツブランドの進化を目指しています。ハード面だけでなく、ソフト面でもお客様に貢献できることはないかと考え、今回の送迎支援システムの開発に着手しました」と説明。
発表されたハイゼット カーゴとアトレー ワゴン、楽ピタ送迎について「働く人々に寄り添い、支えたいと考えるダイハツならではの商品やサービスであると確信しております」と述べ「これからのダイハツにどうぞご期待ください」と挨拶した。
続けて、ダイハツ工業 開発本部 商品企画部 チーフエンジニアの鈴鹿信之氏が、ハイゼット カーゴとアトレー ワゴンの商品概要を説明。「“仕事を支えるクルマも、お客様のニーズの変化に積極的にお応えしたい”との思いから、近年ますます多様化している働く方々のニーズにお応えすべく、2014年9月にフルモデルチェンジした『ハイゼット トラック』、2016年6月に投入した『ハイゼット キャディー』に次ぐ、働く人に寄り添う商用車シリーズの第3弾となる」と話した。
また、AT比率が年々高まりドライバーの高齢化が加速する傾向にある軽キャブバンの市場や、女性やシニアの活躍が増加しているという社会変化について説明したのち、開発のために行なったユーザー調査について、「全国各地のあらゆる業種の軽キャブバンユーザー様に生の声を聞き、販売店さんの聞き込み調査も実施いたしました。そこで、安全・安心に対する関心の高さや仕事で使う車両ならではの燃費や使い勝手、メンテナンス性などのニーズを確認し、開発に生かしました」と述べた。
通所介護事業施設向けの送迎運転システムのらくぴた送迎については、ダイハツ工業 Dブランドオフィス 法人事業部 部長の谷本敦彦氏が説明。
らくぴた送迎は、1度に多人数を送迎できる大型車の活用が一般的なデイサービス送迎の現場で「送迎時間が長い」「自宅の前にクルマをつけられない」という利用者の声や、「通れない道がある」「事故などの不安がある」といった施設のスタッフの声を聞き、小回りの効くスモールカーを利用しやすい環境を作るため、送迎業務の悩みを解決するシステムとして開発したという。
システムは、施設のスタッフでも限られた人しか作成できない送迎計画を誰でも簡単に作成できるようにしたほか、作成した送迎計画を各ドライバーが持つスマートフォンに送り、運行記録やキャンセル通知の相互連絡が可能となる国内初の機能を採用。スマホを活用した簡易テレマティクスのため、施設で保有しているすべての車両で使用することができるようにしている。
7月から開始した実証実験は、10月時点でSOMPOケアネクストなどの6カ所の事業所で現在も行なわれているとのこと。また、クルマに依存しないシステムということで、販売の際にはシステム単体での提供も考えており、今後はナビゲーションなどとの連携や介護分野以外での応用も検討しているとした。
谷本氏は「らくぴた送迎は今後、南関東の施設を対象に実証実験を拡大し、2018年度内のサービス提供を視野に検討を進めてまいります。これからもお客様に一番近い会社として、お客様の生活を豊かにするモビリティ社会の実現を目指してまいります」と述べた。
最後に、実証実験に参加してらくぴた送迎のシステムを実際に活用したSOMPOケアメッセージ、SOMPOケアネクスト 代表取締役副社長の角秀洋氏が現場の声を紹介。
角氏は「システムの導入により、これまで約60分かかっていた介護サービススタッフの送迎計画作成に要する時間が、4分の1の15分に短縮できたこと、また、ご利用者様の送迎時刻が正確になったこと、これらが大きな効果として挙げられます」と述べた。
また、「改めて現場で見ますと、ダイハツ工業様が現場のニーズをいかにきめ細かく汲み取って対応していただいているかがよく分かりました。これからも介護サービス現場の業務効率化に役立つ実用的なツールとして、らくぴた送迎システムが大きな役割を発揮することを期待しております」と今後について語った。