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ダイハツ、仕事で使う車両ならではの使い勝手やメンテナンス性にこだわった「ハイゼット カーゴ」「アトレー ワゴン」発表会

「働く人々に寄り添い、支えたいと考えるダイハツならではの商品」

2017年11月13日 開催

マイナーチェンジした「ハイゼット カーゴ」

 ダイハツ工業は11月13日、マイナーチェンジを行なった軽商用車「ハイゼット カーゴ」、軽乗用車「アトレー ワゴン」の発表会とともに、通所介護事業施設向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」の発表会を東京都千代田区のベルサール秋葉原で開催した。

 主なマイナーチェンジの内容は、歩行者も認識して作動する衝突回避支援システム「スマートアシストIII」を搭載したほか、収納スペースを多く確保するなどインテリアを変更して使い勝手を向上。さらに、フロントバンパー左右下部に傷がついた場合でも部分的に交換できる「コーナーピース」をハイゼット カーゴに設定してメンテナンス性を高めた。詳しくは、「ダイハツ、『アトレー ワゴン』『ハイゼット カーゴ』マイチェンで歩行者にも対応する“スマートアシストIII”設定」を確認いただきたい。

ハイゼット カーゴ。グレードは「デラックス“SA III”」
タイヤサイズは145/80 R12
傷がついても部分的に交換できる「コーナーピース」を新採用。ボディカラーが「ブライトシルバーメタリック」「ホワイト」の場合は黒、メーカーオプションの「選べるカラーパック」を選択した場合はボディ同色となる
アンテナ
軽商用車で初採用となる「スマートアシストIII」
燃費性能を向上させるため、これまでの油圧式パワーステアリングから電動式パワーステアリングに変更
ハロゲンヘッドライトの点灯パターン
インテリア
ステアリング右下のスイッチ類
助手席トレイ/センタートレイを、より使い勝手のよいデザインに変更
メーター内にエコドライブアシスト照明を採用
フロントシートはヘッドレスト一体型
リアシートはヘッドレストが装着されない
リアシートは足下スペースに収納でき、荷室はフルフラットとなる
荷室上部にオプションのシステムバーやオーバーネットを装着して使い勝手を高めることもできる
前席頭上のオーバーヘッドシェルフは底をメッシュ状に変更して、置いてある物が見えるようになった
ハイゼット カーゴの特装車「デッキバン G“SA III”」
タイヤサイズはハイゼット カーゴと同じ145/80 R12
フロントシート
リアシート
リアシートを足下スペースに収納してフルフラットにできる
LEDヘッドライトの点灯パターン
会場にはディーラーオプション装着車も用意されていた
福祉車両「フレンドシップ シリーズ」の「アトレー スローパー」。グレードは「スローパー“SA III”リアシートレス仕様(折りたたみ補助シート付)」
タイヤサイズは165/65 R13
運転席まわり
ステアリング右下のスイッチ類。リアヒーターを設定
インパネまわりを一新。ナビゲーションはディーラーオプション
オプションとなるナビ連動タイプのドライブレコーダーを装着
リアの車いすスペース
スロープは軽量化され、女性や力の弱い人でも簡単に収納ができるようになった
車いすにウインチを引っかけ、リモコン操作で乗降を行なう
遠隔操作用のリモコン
車体側にも操作ボタンが付いている
リモコンを収納するスペース

 最初に登壇したダイハツ工業 取締役(専務執行役員)の松林淳氏は、商用車でスマートアシストIIIを初めて展開したことに触れるとともに、自動車メーカーが送迎支援システムを開発したことについて、「今年から新たに掲げたスローガン“Light you up”を指針として、モノづくりとコトづくりの両面でダイハツブランドの進化を目指しています。ハード面だけでなく、ソフト面でもお客様に貢献できることはないかと考え、今回の送迎支援システムの開発に着手しました」と説明。

ダイハツ工業株式会社 取締役(専務執行役員)松林淳氏

 発表されたハイゼット カーゴとアトレー ワゴン、楽ピタ送迎について「働く人々に寄り添い、支えたいと考えるダイハツならではの商品やサービスであると確信しております」と述べ「これからのダイハツにどうぞご期待ください」と挨拶した。

 続けて、ダイハツ工業 開発本部 商品企画部 チーフエンジニアの鈴鹿信之氏が、ハイゼット カーゴとアトレー ワゴンの商品概要を説明。「“仕事を支えるクルマも、お客様のニーズの変化に積極的にお応えしたい”との思いから、近年ますます多様化している働く方々のニーズにお応えすべく、2014年9月にフルモデルチェンジした『ハイゼット トラック』、2016年6月に投入した『ハイゼット キャディー』に次ぐ、働く人に寄り添う商用車シリーズの第3弾となる」と話した。

ダイハツ工業株式会社 開発本部 商品企画部 チーフエンジニア 鈴鹿信之氏

 また、AT比率が年々高まりドライバーの高齢化が加速する傾向にある軽キャブバンの市場や、女性やシニアの活躍が増加しているという社会変化について説明したのち、開発のために行なったユーザー調査について、「全国各地のあらゆる業種の軽キャブバンユーザー様に生の声を聞き、販売店さんの聞き込み調査も実施いたしました。そこで、安全・安心に対する関心の高さや仕事で使う車両ならではの燃費や使い勝手、メンテナンス性などのニーズを確認し、開発に生かしました」と述べた。

ハイゼットシリーズで展開する「働くヒトに寄り添う商用車」
軽キャブバン市場について
近年の社会変化について
ユーザーニーズや営業の意見を聞きながら開発
仕事で使うクルマならではのユーザーニーズ
スマートアシストIIIについて
燃費について
防錆性能を高めるとともに、3年ないしは5年のサビ保証期間を設定
ボディカラーは全7色
ハイゼット カーゴのエクステリアについて
初採用のコーナーピースについて
LEDライトを軽キャブバンで初採用
ハイゼット カーゴのインテリアについて
収納スペースについて
アトレー ワゴンのエクステリアについて
アトレー ワゴンのインテリアについて
福祉車両のラインアップ
特装車両のラインアップ
ナビゲーションと連動するドライブレコーダーをオプションに設定。スマートアシストIII非装着車向けには、オプションで車線逸脱警報や標識認識といった機能を備えた衝突警報装置を用意した
使い勝手を高めるアイテムや個性的なスタイルに変更するオプションを設定

 通所介護事業施設向けの送迎運転システムのらくぴた送迎については、ダイハツ工業 Dブランドオフィス 法人事業部 部長の谷本敦彦氏が説明。

ダイハツ工業株式会社 Dブランドオフィス 法人事業部 部長 谷本敦彦氏

 らくぴた送迎は、1度に多人数を送迎できる大型車の活用が一般的なデイサービス送迎の現場で「送迎時間が長い」「自宅の前にクルマをつけられない」という利用者の声や、「通れない道がある」「事故などの不安がある」といった施設のスタッフの声を聞き、小回りの効くスモールカーを利用しやすい環境を作るため、送迎業務の悩みを解決するシステムとして開発したという。

 システムは、施設のスタッフでも限られた人しか作成できない送迎計画を誰でも簡単に作成できるようにしたほか、作成した送迎計画を各ドライバーが持つスマートフォンに送り、運行記録やキャンセル通知の相互連絡が可能となる国内初の機能を採用。スマホを活用した簡易テレマティクスのため、施設で保有しているすべての車両で使用することができるようにしている。

 7月から開始した実証実験は、10月時点でSOMPOケアネクストなどの6カ所の事業所で現在も行なわれているとのこと。また、クルマに依存しないシステムということで、販売の際にはシステム単体での提供も考えており、今後はナビゲーションなどとの連携や介護分野以外での応用も検討しているとした。

 谷本氏は「らくぴた送迎は今後、南関東の施設を対象に実証実験を拡大し、2018年度内のサービス提供を視野に検討を進めてまいります。これからもお客様に一番近い会社として、お客様の生活を豊かにするモビリティ社会の実現を目指してまいります」と述べた。

刷新されたグループスローガンのもと「モノづくり」「コトづくり」の両面で「少子高齢化」「地域活性化」に向き合う取り組みを推進
開発の背景について
らくぴた送迎システムは、介護事業施設において3つの業務をサポート
施設の利用者と管理車両を一覧で表示
送迎計画を誰でも自動作成することができる
手動での編集や別日の計画がコピーできるほか、利用者の相性を考慮したルート作成が可能
送迎中はリアルタイムで車両の位置を確認できる
急なキャンセルが発生した場合のスムーズな情報共有が可能
利用者の自宅に近づいた際に、自動で連絡する機能も搭載
作成したルートの実績を蓄積して、よりよいルートの見直しや車両の変更といった業務の見える化ができる
らくぴた送迎システムのメリット
介護事業所向け送迎支援システムで、スマートフォンを活用した動態・実績管理は国内で初めてとのこと
今後の方向性について

 最後に、実証実験に参加してらくぴた送迎のシステムを実際に活用したSOMPOケアメッセージ、SOMPOケアネクスト 代表取締役副社長の角秀洋氏が現場の声を紹介。

SOMPOケアメッセージ株式会社、SOMPOケアネクスト株式会社 代表取締役副社長 角秀洋氏

 角氏は「システムの導入により、これまで約60分かかっていた介護サービススタッフの送迎計画作成に要する時間が、4分の1の15分に短縮できたこと、また、ご利用者様の送迎時刻が正確になったこと、これらが大きな効果として挙げられます」と述べた。

 また、「改めて現場で見ますと、ダイハツ工業様が現場のニーズをいかにきめ細かく汲み取って対応していただいているかがよく分かりました。これからも介護サービス現場の業務効率化に役立つ実用的なツールとして、らくぴた送迎システムが大きな役割を発揮することを期待しております」と今後について語った。

SOMPOホールディングスの概要
介護・ヘルスケア事業を行なうSOMPOケアグループの概要
介護業界の課題について
らくぴた送迎を導入したメリットについて
会場ではモニターを使用して、らくぴた送迎の機能説明も行なわれた