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野間智の「ニュルブルクリンク24時間レース 2022」レポート

2022年5月26日~29日(現地時間) 開催

第50回ニュルブルクリンク24時間レースをレポート

 5月26日~29日(現地時間)、「第50回ニュルブルクリンク24時間レース」が行なわれた。

 週を通して肌寒い感じが続き、夜中は2度を下まわるニュルブルクリンク。また日曜日は14時ごろから15時半ごろまで雨が降ったり止んだりの不安定な天候で、スリックタイヤからカットスリック、またスリックへと難しいコンディションだった。バーストする車両、クラッシュする車両が続出する中、93台が完走した。

 コロナ禍で制限があった2020年、2021年から変わって関係者も観客もコロナによる制限はまったくなし。マスクを着用している人を見かけたのはごくわずか(取材パス申請時には3回のワクチン接種の証明が必要でしたが)。スタート前のグランドスタンドは満席。ノルドシュライフェ(北コース)名物のキャンプ村も復活して、バーベキューしながらビールを片手にレース観戦をするファンが戻ってきた。

北コースに戻ってきたキャンプする人々。ビール片手にレース観戦をする人々
予選風景

7度目の優勝を目指すスバル/STI

 3年ぶりに復帰し、SP3Tクラスで7度目の優勝を目指すスバル/STI(スバルテクニカインターナショナル)はクラス1位。スターティンググリッドは3グループの先頭、総合74番手からスタートした。

 1時間も経過しないうちからタイヤバーストする車両が続出する中、クラス1位をキープしながら順調に順位を上げていた。夜中の2時20分ごろにティム・シュリック選手から佐々木孝太選手に交代。クラス1位、総合41位を走行中の3時11分にアクシデントが発生(グランプリサーキットから北コースに入った左側の高速の下りFuchsrohre付近)。

 アクシデントから2時間以上経過した5時半ごろに車両が戻ってきて修復作業を始めるも、フレームのダメージが大きくレース中の修復は不可能と判断し、6時前にリタイアを決めた。

グリッドにつくSUBARU WRX STI。ドライバーはカルロ・ヴァン・ダム選手(オランダ)、ティム・シュリック選手(ドイツ)、マセール・ラッセー選手(ドイツ)、佐々木孝太選手(日本)の布陣で挑んだ。チーム総監督は辰己英治氏、監督は沢田拓也氏
グループ3からトップでスタートするSUBARU WRX STI
夕闇まで順調に走行するSUBARU WRX STI
深夜2時ごろのスバルピット
2時過ぎのピット交代。ティム・シュリック選手から佐々木孝太選手へ
タイヤのチェックをする辰己監督ら
夜中の3時過ぎ、アクシデントが発生の報が。現場を地図で確かめる監督ら
朝5時ごろ、曇り空ながら明るくなり始めるニュルブルク城跡
車両が戻り次第修理できるようにパーツを並べ待つスバルガレージ
5時半ごろに戻った車両
レーススタート後、約11時間経過した深夜に発生したアクシデントでリタイアとなったが、また来年のチャレンジに期待したい

総合優勝は15号車 アウディR8 LMS GT3 Evo II

 総合優勝はSP9クラスの15号車 アウディR8 LMS GT3 Evo II(Audi Sport Team Phoenix)、2位にメルセデス-AMG Team GetSpeedの3号車 メルセデス-AMG GT3、3位に同じくメルセデス-AMG Team GetSpeedの4号車 メルセデス-AMG GT3。上位8位までをアウディとメルセデスが占める中で、33号車 Falken Motorsportsのポルシェ911 GT3R(991 II)が9位、7号車 Konrad Motorsport GmbHのランボルギーニ Huracan GT3が10位に入った。BMW勢は振るわず、78号車 FK Performance MotorsportのBMW M4(Evo 2021)が19位とBMW勢最上位だった。

 特認車両が参戦するSP-Xクラスの706号車 SCG 004c(Glickenhaus Racing LLC)は、デビューした2020年は総合で14位、2021年は総合20位、2022年はSP9クラスに割って入り総合12位、クラス1位と大健闘。

 2021年の覇者である1号車 Manthey-Racing GmbH のポルシェ911 GT3R(991 II)はスタートから約3時間を過ぎたころにアウディと接触し、激しくクラッシュして戦線離脱した。また、2020年の優勝車でスタートから1時間でトップを走行していた99号車 ROWE RACINGのBMWも同じころ戦線を離脱している。

 河村直樹選手は今年も120号車 トヨタカローラアルティスでTOYOTA GAZOO Racing team THAILANDから参戦して総合75位。2021年に続きSP3クラスで優勝した。

セレモニー、スターティンググリッドは車両が見えないほどの人
グリッドからフォーメーションに出る車両、PPは26号車 フェラーリ488 GT3 Evo20(octane126,Serliana)
満員のグランドスタンド
昨年の覇者 1号車 Manthey-Racing GmbH のポルシェ911 GT3R(991 II)
スタートから2周目、トップを走る26号車 フェラーリ488 GT3 Evo20(octane126,Serliana)
グループ2のバックショット
タイヤバーストする26号車 フェラーリ488 GT3 Evo20(octane126,Serliana)
706号車 SCG 004c(Glickenhaus Racing LLC)
コース上から運ばれるクラッシュ車両
日本国旗が振られる観戦キャンプ場
コース上を牽引されるパンクした車両
激走するマシン。RH11は2021年の覇者 1号車 Manthey-Racing GmbH のポルシェ911 GT3R (991 II)
夕日が沈み夜に突入
夜のピットとパドックなど
チェッカーから表彰式風景