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野間智の「ニュルブルクリンク24時間レース 2022」レポート
2022年6月1日 14:30
- 2022年5月26日~29日(現地時間) 開催
5月26日~29日(現地時間)、「第50回ニュルブルクリンク24時間レース」が行なわれた。
週を通して肌寒い感じが続き、夜中は2度を下まわるニュルブルクリンク。また日曜日は14時ごろから15時半ごろまで雨が降ったり止んだりの不安定な天候で、スリックタイヤからカットスリック、またスリックへと難しいコンディションだった。バーストする車両、クラッシュする車両が続出する中、93台が完走した。
コロナ禍で制限があった2020年、2021年から変わって関係者も観客もコロナによる制限はまったくなし。マスクを着用している人を見かけたのはごくわずか(取材パス申請時には3回のワクチン接種の証明が必要でしたが)。スタート前のグランドスタンドは満席。ノルドシュライフェ(北コース)名物のキャンプ村も復活して、バーベキューしながらビールを片手にレース観戦をするファンが戻ってきた。
7度目の優勝を目指すスバル/STI
3年ぶりに復帰し、SP3Tクラスで7度目の優勝を目指すスバル/STI(スバルテクニカインターナショナル)はクラス1位。スターティンググリッドは3グループの先頭、総合74番手からスタートした。
1時間も経過しないうちからタイヤバーストする車両が続出する中、クラス1位をキープしながら順調に順位を上げていた。夜中の2時20分ごろにティム・シュリック選手から佐々木孝太選手に交代。クラス1位、総合41位を走行中の3時11分にアクシデントが発生(グランプリサーキットから北コースに入った左側の高速の下りFuchsrohre付近)。
アクシデントから2時間以上経過した5時半ごろに車両が戻ってきて修復作業を始めるも、フレームのダメージが大きくレース中の修復は不可能と判断し、6時前にリタイアを決めた。
総合優勝は15号車 アウディR8 LMS GT3 Evo II
総合優勝はSP9クラスの15号車 アウディR8 LMS GT3 Evo II(Audi Sport Team Phoenix)、2位にメルセデス-AMG Team GetSpeedの3号車 メルセデス-AMG GT3、3位に同じくメルセデス-AMG Team GetSpeedの4号車 メルセデス-AMG GT3。上位8位までをアウディとメルセデスが占める中で、33号車 Falken Motorsportsのポルシェ911 GT3R(991 II)が9位、7号車 Konrad Motorsport GmbHのランボルギーニ Huracan GT3が10位に入った。BMW勢は振るわず、78号車 FK Performance MotorsportのBMW M4(Evo 2021)が19位とBMW勢最上位だった。
特認車両が参戦するSP-Xクラスの706号車 SCG 004c(Glickenhaus Racing LLC)は、デビューした2020年は総合で14位、2021年は総合20位、2022年はSP9クラスに割って入り総合12位、クラス1位と大健闘。
2021年の覇者である1号車 Manthey-Racing GmbH のポルシェ911 GT3R(991 II)はスタートから約3時間を過ぎたころにアウディと接触し、激しくクラッシュして戦線離脱した。また、2020年の優勝車でスタートから1時間でトップを走行していた99号車 ROWE RACINGのBMWも同じころ戦線を離脱している。
河村直樹選手は今年も120号車 トヨタカローラアルティスでTOYOTA GAZOO Racing team THAILANDから参戦して総合75位。2021年に続きSP3クラスで優勝した。