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SUPER GT第5戦鈴鹿、最後尾スタートの12号車カルソニック IMPUL Zが大逆転勝利 GT300はミク号が5年半ぶりの優勝

2022年8月27日~28日 開催

優勝した12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)

 SUPER GT第5戦鈴鹿の決勝レースが8月28日に行なわれた。GT500は12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)が最後尾スタートからの大逆転で今季初優勝を果たした。GT300は4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)が優勝、ミク号が優勝するのは5年半ぶりとなる。

GT500:セーフティカー導入時のピットストップが命運を分ける

鈴鹿 決勝ダイジェストGT500:カルソニック IMPUL Zが最後尾から残り3周で奇跡の大逆転勝利!
GT500のスタート

 シーズン折り返しの後半戦は、シーズン3回目となるロングディスタンスの450kmレース。鈴鹿サーキットを77周することで戦う。

 ポールポジションスタートの23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)は、ローリングスタートから危なげなくホールショットを決め、オープニングラップを制した。トップグループの順位はスタート順と変わらなかったものの、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)が1周目からアグレッシブに攻め、すぐにポジションを3つアップし6位となる快走を見せる。

23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)

 レースのおよそ4分の1程度を終えたところで、トップを走る23号車がタイヤ交換・給油のため最初のピットストップへ。徐々にピットインする車両が増え始め、33周終了時点でGT300も含め全車が1回目のピットストップを終えた。このときの戦略の違いなどから16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)が、中盤までレースをリードする。

 16号車に続く38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組、BS)および17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)が三つ巴状態にあるなか、中盤過ぎ、17号車が混戦を避けるためか一足早くピットイン。

セーフティーカー導入を予見していたかのような判断が光った17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)。2位表彰台を獲得

 すると、直後にGT300車のクラッシュが発生し、セーフティカーが導入された。このクラッシュを見たのか、セーフティーカーが入る前にすかさず39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)と12号車もピットインする。結果的にこのピットインの判断がレースの命運を分けることとなった。

セーフティカー直前にピットインして有利に立った39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)は、結果3位をもぎ取る

 セーフティカーが導入されている間はピットインが不可となり、しかもクラスごとの再整列が行なわれ各車のギャップが小さくなる。そのため、セーフティーカー導入の直前にルーティンのピットストップをこなしていた車両は特に有利になる。

 終盤、ポールポジションスタートだった23号車が2位につけ、17号車、23号車、12号車の並びで3台が接近戦を繰り広げる。が、そんななかで12号車が一瞬コースアウト。23号車が幅寄せしたことが原因と見なされ、23号車にドライブスルーペナルティが課されてしまう。

 これにより23号車は6位へ後退し、トップ争いから脱落。12号車は2位に上がると、トップを猛烈に追走し始める。残り3周のところで一気に詰め寄り、17号車をヘアピンでかわしてそのままチェッカー。最後尾スタートながら奇跡的な追い上げで優勝を奪った。

優勝した12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)
[SUPER GT Rd.5 決勝]GT500 Winnerインタビュー /#12 CALSONIC IMPUL Z

GT500 決勝レース暫定結果(上位10チーム)

順位:チーム(選手)
1位:12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組、BS)
2位:17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治組、BS)
3位:39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一組、BS)
4位:3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)
5位:23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)
6位:16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹組、DL)
7位:19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)
8位:37号車KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組、BS)
9位:36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組、BS)
10位:24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)

GT300:10号車が運を味方につけるも勝利の女神は4号車に

鈴鹿 決勝ダイジェスト GT300 グッドスマイル 初音ミク AMGが2017年以来の優勝をもぎ取り谷口•片岡がビッグスマイル!
GT300のスタート

 GT300は、ポールポジションスタートの10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組、DL)がオープニングラップを制し、2位スタートの244号車HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞組、YH)と序盤からトップ争いを演じる。

ポールポジションスタートの10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組、DL)。最終的には2位に

 堅実にポジションアップしていた予選5番手の4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)が中盤、ピットストップを経てトップに。予選8番手の55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織組、BS)が2位につける。

4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)

 ところが、244号車が痛恨のクラッシュを喫しセーフティカーが導入されたことで、利を得たのがGT500と同様にピットインしていた10号車。終盤には4号車、10号車、55号車がトップグループを作り、つばぜり合いになるかと思われた。

 が、それも長くは続かなかった。表彰台の見えていた55号車が突如マシントラブルでストップし、あえなくリタイアとなる。結局、4号車がリードを保ってトップでゴールラインを通過。グッドスマイルレーシングとしては2017年開幕戦以来。5年半ぶりの勝利を飾った。

3位は30号車apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太組、YH)
優勝した4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)
[SUPER GT Rd.5 決勝]GT300 Winnerインタビュー /#4 グッドスマイル 初音ミク AMG

GT300 決勝レース最終結果(上位10チーム)

順位:チーム(選手)
1位:4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)
2位:10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組、DL)
3位:30号車apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太組、YH)
4位:52号車TOYOTA GR Supra(吉田広樹/川合孝汰組、BS)
5位:6号車Team LeMans Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン組、YH)
6位:65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)
7位:20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎/山田真之亮組、DL)
8位:2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威組、BS)
9位:87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月組、YH)
10位:60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑組、DL)