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SUPER GT第6戦SUGO決勝、GT500は3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が優勝 シリーズランキングもトップに

2022年9月17日~18日 開催

GT500を優勝した3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)。シリーズランキングでもトップに

 SUPER GT第6戦SUGOの決勝レースが9月18日、スポーツランドSUGO(宮城県村田町)で開催された。GT500は3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)が今季2勝目を上げ、年間シリーズランキングでもトップに浮上した。GT300は2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威、BS)が今季初優勝。

GT500クラス:ピットストップ戦略、ピットインタイミングが鍵に

Rd.6 SUGO 決勝ダイジェスト GT500:ミシュランタイヤのアドバンテージを活かしたMOTUL AUTECH Zが今季2勝目!

 曇り空でウェットレースが懸念されるなか決勝レースはスタートした。GT500は、ポールポジションの19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南、YH)が無難にホールショットを決めるも、38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明、BS)と100号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐、BS)に立て続けにかわされ3位へ。

GT500のスタート

 38号車は1分14秒台をコンスタントに記録しながら後続を徐々に引き離すかと思われたが、SUGOのコンパクトなコースレイアウトの影響もあって、GT300マシンのバックマーカーが発生しはじめた段階で部分的に渋滞のような状況に陥り、タイムギャップが反対に縮まっていった。

序盤、レースをリードした38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明、BS)

 スタートから20分、予想されていたとおりに雨が降り始めたことで、各車が続々とピットイン。ほとんどがウェットタイヤに交換する一方で、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹、DL)や23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)など一部はコンディションが悪化しないと見たのか、スリックタイヤのまま走り続けた。

 その後GT300のマシンがクラッシュし、フルコースイエローとなる直前に16号車と23号車がそろってピットインしてウェットタイヤに交換。この絶妙のピットインタイミングのおかげで、フルコースイエローのなか23号車は大きくポジションアップし、30周目までにトップに立った。その後ろ、2位に3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠、MI)、3位に16号車がつけた。

ピットインのタイミングをずらし、フルコースイエローも活用できたことで、一時トップに立った23号車MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ、MI)
23号車と同様の判断が功を奏して上位に入った16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹、DL)

 50周も目前になると、路面が乾いてきたところもあるためスリックタイヤに戻すチームも現れはじめた。トップはピットストップをここまで2回に抑えてきた3号車、それに23号車、16号車が続く。

 レース終盤、残り15周ほどのところで再び雨がちらつくコンディションに。しかし、路面は乾いたままの箇所が多かったためかウェットタイヤに交換するチームは現われなかった。3号車は2ストップ作戦が見事にはまり、今季2勝目。シリーズランキングも12号車カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット、BS)に3.5ポイント差をつけ、チャンピオン獲得に向けても大きな一歩に。

 2着は23号車で、3号車とともにミシュランタイヤ装着車のワンツーフィニッシュ。3位には16号車が入り、上位はいずれもピットインタイミングの判断が決め手となった。

2ストップ作戦で今季2勝目を挙げた3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
GT500クラスで優勝した3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正選手と高星明誠選手(中央)
[SUPER GT Rd.6 決勝]GT500 Winnerインタビュー /#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z

第6戦SUGO GT500 決勝結果

順位号車チーム/車両ドライバー周回数ベストタイムタイム差(平均時速)タイヤサクセスウェイト
13CRAFTSPORTS MOTUL Z/Nissan Z GT500千代勝正/高星明誠841'13.9971:58'41.824MI68
223MOTUL AUTECH Z/Nissan Z GT500松田次生/ロニー・クインタレッリ841'14.0279.114MI44
316Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT/Honda NSX-GT笹原右京/大湯都史樹841'14.00046.72DL11
438ZENT CERUMO GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500立川祐路/石浦宏明841'13.1941'05.148BS16
512カルソニック IMPUL Z/Nissan Z GT500平峰一貴/ベルトラン・バゲット831'13.9351周BS89
639DENSO KOBELCO SARD GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500関口雄飛/中山雄一831'13.7251周BS54
764Modulo NSX-GT/Honda NSX-GT伊沢拓也/大津弘樹831'14.2881周DL
8100STANLEY NSX-GT/Honda NSX-GT山本尚貴/牧野任祐831'13.3561周BS46
937KeePer TOM'S GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋831'14.3111周BS68
1036au TOM'S GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500坪井翔/ジュリアーノ・アレジ831'14.0811周BS47
1114ENEOS X PRIME GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500大嶋和也/山下健太821'13.7442周BS60
1217Astemo NSX-GT/Honda NSX-GT塚越広大/松下信治821'13.6842周BS68
138ARTA NSX-GT/Honda NSX-GT野尻智紀/福住仁嶺821'14.1262周BS42
1424リアライズコーポレーション ADVAN Z/Nissan Z GT500佐々木大樹/平手晃平811'13.8063周YH37
1519WedsSport ADVAN GR Supra/TOYOTA GR Supra GT500国本雄資/阪口晴南801'13.4204周YH35

GT300クラス:先手を打ったスリックタイヤへの交換が勝利を呼び込む

Rd.6 SUGO 決勝ダイジェスト GT300:13番手スタートのmuta Racing GR86 GTが悪天候に翻弄されたサバイバル戦を制す!

 GT300はスタート直後に9号車PACIFIC hololive NAC Ferrari(木村武史/ケイ・コッツォリーノ、YH)がコースアウト。1周目から早速セーフティカーが導入され、波乱を予感させる幕開けとなった。

 再スタートしてしばらくたつと、今度は雨が降り始め、各車がタイヤ交換のためピットイン。スリックタイヤのまま走り続けていた車両も何台かあったが、そのうち87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月、YH)はコーナーを曲がりきれずタイヤバリアへ突っ込み、フルコースイエローが宣言されることに。GT300の方ではスリックタイヤのままで優位性を得るチームはほぼなかったようだ。

 レース中盤、55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織、BS)と2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威、BS)がレースをリードするなかで、11号車GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍、DL)がいち早くスリックタイヤに交換し、その後2号車と55号車もスリックに。

GT300のスタート
いち早くスリックタイヤに交換した11号車GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍、DL)
同じく55号車ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織、BS)もスリックに履き替えるが……

 他より先手を打つ判断が有利に働き、2号車がトップ、11号車が後に続く。55号車もスリックタイヤで上位を伺う形だったが、他車との接触によりドライブスルーペナルティを課され、7位に後退してしまう。

 終盤、2号車は後続を周回遅れにするほどの十分なギャップを築き、そのままチェッカー。2位に11号車、3位に10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき、DL)が入った。2号車は予選13位から、11号車は同17位から、そして10号車は同12位からと、いずれも大きな追い上げで表彰台をさらった。

優勝した2号車muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威、BS)
表彰台の加藤寛規選手と堤優威選手(中央)
3位に入った10号車TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき、DL)
[SUPER GT Rd.6 決勝]GT300 Winnerインタビュー /#2 muta Racing GR86 GT

第6戦SUGO GT300 決勝結果

順位号車チーム/車両ドライバー周回数ベストタイムタイム差(平均時速)タイヤサクセスウェイト
12muta Racing GR86 GT/TOYOTA GR86加藤寛規/堤優威791'20.8661:59'15.748BS14
211GAINER TANAX GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3安田裕信/石川京侍781'21.2941周DL60
310TANAX GAINER GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3富田竜一郎/大草りき781'21.4751周DL93
456リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ781'21.2471周YH100
57Studie BMW M4/BMW M4 GT3荒聖治/アウグスト・ファルフス781'20.8851周MI63
665LEON PYRAMID AMG/Mercedes AMG GT3蒲生尚弥/篠原拓朗781'20.9391周BS51
755ARTA NSX GT3/Honda NSX GT3武藤英紀/木村偉織781'20.4891周BS3
861SUBARU BRZ R&D SPORT/SUBARU BRZ GT300井口卓人/山内英輝781'20.0701周DL89
996K-tunes RC F GT3/LEXUS RC F GT3新田守男/高木真一781'20.4181周DL38
1025HOPPY Schatz GR Supra/TOYOTA GR Supra松井孝允/野中誠太781'21.2121周YH
1118UPGARAGE NSX GT3/Honda NSX GT3小林崇志/太田格之進771'21.2742周YH78
12360RUNUP RIVAUX GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3青木孝行/柴田優作771'21.4942周YH5
1388Weibo Primez ランボルギーニ GT3/Lamborghini HURACAN GT3小暮卓史/元嶋佑弥771'20.5712周YH33
14244HACHI-ICHI GR Supra GT/TOYOTA GR Supra佐藤公哉/三宅淳詞771'20.5992周YH
1560Syntium LMcorsa GR Supra GT/TOYOTA GR Supra吉本大樹/河野駿佑771'21.0642周DL33
166Team LeMans Audi R8 LMS/Audi R8 LMS片山義章/R.メルヒ・ムンタン761'20.3973周YH36
1731apr GR SPORT PRIUS GT/TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV嵯峨宏紀/中山友貴761'21.5453周BS
1852埼玉トヨペットGB GR Supra GT/TOYOTA GR Supra吉田広樹/川合孝汰751'20.9144周BS51
1987Bamboo Airways ランボルギーニ GT3/Lamborghini HURACAN GT3松浦孝亮/坂口夏月751'20.6374周YH24
2030apr GR86 GT/TOYOTA GR86永井宏明/織戸学751'21.0054周YH42
215マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号/TOYOTA 86 MC冨林勇佑/平木玲次751'22.8054周YH45
2250Arnage MC86/TOYOTA 86 MC加納政樹/阪口良平741'22.0155周YH12
2320シェイドレーシング GR86 GT/TOYOTA GR86平中克幸/清水英志郎741'21.4335周DL12
2422アールキューズ AMG GT3/Mercedes AMG GT3和田久/城内政樹741'24.6345周YH
2548植毛ケーズフロンティア GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3井田太陽/田中優暉701'23.1979周YH
264グッドスマイル初音ミク AMG/Mercedes AMG GT3谷口信輝/片岡龍也561'21.10723周YH72
9PACIFIC hololive NAC Ferrari/Ferrari 488 GT3木村武史/ケイ・コッツォリーノ079周YH24