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キャデラック、新型バッテリEV「セレスティック」 2モーター全輪駆動で600PS/870Nmを発生するラグジュアリーカー
2022年11月2日 09:25
- 2022年10月27日(現地時間) 発表
すべてがハンドメイドのフラグシップカー
キャデラックは10月27日(現地時間)、ハンドメイドの高級フラグシップEV(電気自動車)「セレスティック(CELESTIQ)」を発表した。
セレスティックは、1933年のV16 Aerodynamic Coupeや1957年のEldorado Broughamなど、キャデラックの歴史に根ざしたデザインを採用するとともに、「最先端のテクノロジー」「パーソナライズされたラグジュアリー」を特徴とし、購入者はディーラーやキャデラックのデザイナーと直接打ち合わせを行ない、自分の好みに合わせて自分だけの1台を完成させることができるという。
セレスティックは、111kWhのバッテリパックと2つのモーター全輪駆動システムを組み合わせた専用のUltiumプラットフォームを採用したことで、600PSのパワーと640lb-ft(約870Nm)のトルクを発生し、フル充電で300マイル(483km)の走行航続距離を実現。ギヤ比はフロント11.59:1、リア11.63:1で、0-60mph(約100km/h)加速は3.8秒を誇るという(※性能数値はすべてGMの推定値)。
Ultiumプラットフォームは車両全体の強度にも寄与しており、バッテリセルを水平に搭載することで、長く、低く、スマートなスタイルと低重心を実現。広い室内を確保しながら、ハンドリングと乗り心地のよさも実現している。また、車両前進時の運動エネルギーを電気に変換して、バッテリパックに蓄えることで航続距離の最大化に寄与する「リジェン・オン・デマンド・ブレーキ(強制回生ブレーキ)」を標準装備するほか、アクセルペダルだけで車両を停止できる「ワンペダルドライビング」も搭載している。
200kWのDC急速充電器を使用すると、10分の充電で78マイル分(推定)の充電が可能。また、アメリカとカナダにある11万か所以上の公共充電ポイントにアクセスできる「Ultium Charge 360」も利用可能で、アプリの「マイ キャデラック モバイル」を使用すれば、近くの充電ステーションの検索や、充電器の空き状況のリアルタイム表示、ルート計画、充電セッションの開始などが可能になる。
ソフトな乗り心地と高いハンドリング性能を両立
セレスティックが搭載する2つのモーターは、トルクオプティマイザーモジュールと連動し、必要に応じてフロントまたはリアのモーターをON/OFFして常に最適なトルクを提供するほか、アダプティブ・エア・サスペンションを採用し、よりソフトで独立した乗り心地を実現。また、路面の凹凸からより高い応答性と高い分離性を実現する「マグネティック・ライド・コントロール4.0」を搭載。前後5リンクサスペンションで、EVモーターの高トルク出力に対応し、室内の揺れを最小限に抑えるという。
また、低速域では後輪を前輪とは逆位相に舵を切らせる「アクティブリアステアリング」も採用していて、最大3.5度まで舵が切れることで操縦性を向上させ、高速走行時には後輪も前輪と同位相で舵を切るという。さらに低速域では空力効率を向上させ、高速域ではさらに上昇させ、車両のバランスを保つアクティブ・リア・スポイラーも装着する。
キャデラックのグローバル副社長であるRory Harvey氏は、「セレスティックは、キャデラックの最も純粋な表現であり、われわれの素晴らしい歴史を認識し、より大胆で明るい未来へとわれわれを駆り立てるものです。このクルマは、私たちがこれまで自動車に組み込んできた最も高度で革新的な技術を中心に作られた、完全オーダーメイドの自動車芸術作品です。セレスティックは、これまでのキャデラックにはないものであり、お客さまの体験も同様に卓越したものです。1台1台がオーナーの個性を表現し、最先端のテクノロジーを駆使することで、ドライビングエクスペリエンスをパーソナルで実りあるものにします」と述べている。
ウルトラ・ラグジュアリーの新しい基準を打ち出すインテリア
インテリアは、キャデラックのデザイン哲学である「Art of Travel」に基づき構築。照明には450個以上の異なるLEDが使用され、没入感のある室内を実現するほか、各照明のカラーをカスタマイズすることも可能で、車内全体に調和するような照明の組み合わせをセレスティック自体が考えることも可能という。さらに、18種類の照明アニメーションも用意している。
ルーフにはSuspended Particle Device Technologyにより、4人の乗員エリアの明るさを自由に調整できる固定式スマートガラスルーフを初めて採用。最も暗い1%以下の不透明度から、従来のサンルーフの標準的な色合いレベルである20%まで変化できるという。
運転席から助手席のダッシュボードには、1枚のガラスの下に2つの画面が配置されている55インチの「アドバンストHDディスプレイ」を搭載。運転席側のディスプレイは車両情報を表示し、助手席側では同乗者がメディアを再生したり、インターネットに接続したり、スマートフォン接続などを行なえる。フロントコンソールには11インチのタッチスクリーン式フロントコマンドセンター、リアコンソールには8インチのタッチスクリーン式リアコマンドセンターを搭載。また、後席には前席の後側に設置された12.6インチ径のアドバンストディスプレイでもエンターテインメントを楽しむことを可能としている。
フロントセンターコンソール設置されている、インフォテインメントシステムなどを直感的に操作できる「クリスタルマルチファンクションコントローラー」は、精巧な金属とガラスで構成された精緻な文字盤に、キャデラックの女神のエンブレムも収められている。
オーディオに関しては、3つのエクステリアスピーカーを含む41のスピーカーで構成。車内ではプロのオーディオエンジニアが、カスタムチューニングした38スピーカーのAKG Studio Reference Audio Systemが、3つの独立したアンプで駆動てし、臨場感あふれるサウンドを実現するとしている。また、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Playなどを利用できるほか、ハンズフリーヘルプ、交通情報のライブアップデート、お気に入りのアプリなどにアクセスすることができる。
セレスティックは新しいコネクテッドカメラも導入していて、直感的なモバイルインターフェースを通じて、盗難検知、衝突記録、その他の便利な機能を搭載。先進安全機能については、縦列または直角の駐車スペースを検知し、必要に応じてギアシフト、ブレーキ、ステアリングを操作して駐車スペースに誘導してくれる「リモート・オート・パーキング」を搭載する。
インテリアデザインマネージャーであるTristan Murphy氏は、「セレスティックは、クラシックなアメリカのラグジュアリーを、新しいモダンな空間に押し上げることができました。卓越したクラフトマンシップによって実現された、驚くほど多様なカラー、トリム、純正素材は、2台として同じものが存在しないことを保証しています。クリーンでミニマルな美しさを持つインテリアのキャビンは、すべての異なる素材とカラーオプションの純粋なショーケースとして機能します。インテリアは、途切れることのない長い面とテーマラインによって定義され、動きのある感覚がそこかしこに感じられるようになっています。このようにクリーンなデザインにすることで、ディテールを輝かせ、小さな部分にもこだわり、空間とスケール感を際立たせることができました」と語っている。