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初心者から楽しめるサーキット走行会「D-SPORT CUP」の魅力を参加者に聞いてみた
2022年11月7日 12:31
- 2022年11月5日 開催
アットホームな雰囲気の会場
D-SPORTが主催するダイハツ車(OEM車両も含む)ユーザー向けのサーキットイベント「D-SPORT CUP」が、11月5日に茂原ツインサーキット(千葉県)で開催された。2020年、2021年とコロナ禍のため開催が見送られてきたが、2022年は感染対策を講じながら5月と11月の2回行なわれた。
このD-SPORT CUPは参加費が7000円で、昼食、タイム計測、保険も込みとリーズナブルな価格設定なうえ、毎回ゲストドライバーがきてサーキットを走るうえでの心得からタイムアップのコツや同乗走行(抽選)もあるなど、初心者から上級者まで幅広く楽しめる内容が人気で、この日も参加者募集を開始してすぐに定員枠が埋まるほど大盛況という。
軽自動車のみというのもポイントで、一般の走行会の場合は台数が走行1枠分集まらなければ排気量の大きい上のクラスの車両と混走になったり、最悪は参加すらできない場合もある。また、速度差のあるクルマと一緒に走るのはリスクも高まるし、いつも以上に後方を気にする時間が増えて疲れるし、走りに集中しずらい。そういう面でも軽自動車だけの走行会は貴重で、すぐに定員が埋まってしまうという。ナンバープレートを見てみると、大阪、金沢、岡崎、水戸、宇都宮、高崎、神戸、尾張小牧など遠方からの参加者も多い。
2022年度の第2回の舞台は、千葉県茂原市にある茂原ツインサーキットの東コース。1周1170mで、コーナー数は10個。半時計回りに走るコースで、最終コーナーから1コーナーへかけて上り、そこからゆるやかに下っていくテクニカルコース。グリップクラスが5、ドリフトクラスが1の全6クラスに分けられ、各クラスの走行時間は15分×4枠。午前中の2回が練習走行で、午後の2回はタイムアタックとして開催された(ドリフトクラスは除く)。
主催者であるD-SPORTの松尾氏は「D-SPORT CUPは、タイムアタックによる表彰もありますが、あくまで賞はオマケで、とにかく全員が楽しく安全に走ってくれればうれしいです」とあいさつ。
この日のゲストドライバーは、数えきれないほどのドライビングレクチャー実績を持つという菊池靖選手。朝のレクチャーでは「サーキットでは基本的にステアリングは持ち替えない(送りハンドルをしない)。ヘルメットをかぶるのでいつもより少し背もたれを倒さないと前傾姿勢になってしまう。シートベルトをしっかりしめる」など、サーキット走行するうえでの必要事項を解説していた。
同乗走行では、そのクルマの仕様に合わせて細かくアドバイスを実施。また、ステアリング操作やライン取りなど、コースサイドから全員の走りをチェックして、都度アドバイスを実施していた。
また、D-SPORTの松尾氏は閉会式にて、「2023年度はコロナ前と同じ年4回の実施、もしくは6回に増やすことも検討しています」とコメントしつつ、「回数が増えると皆勤賞が取りにくくなってしまいますが、奮って参加していただければありがたいです」とD-SPORT CUPを締めくくった。
参加者にD-SPORT CUPの魅力を聞いてみた
今回のD-SPORT CUP参加者に、参加したきっかけやイベントの魅力を聞いてみた。
ゼッケン63 班長さん(コペン/LA400K)
コペン ビギナークラスにエントリーしていた「班長」さん。若かりしころは日産の「シルビア」でドリフトをして楽しんでいたという。そして一旦はスポーツカーから離れたものの、再びスポーツカーで遊ぼうと思ったが、国産スポーツカーのあまりの高騰ぶりに愕然。そこでランニングコストを抑えられる軽自動車を検討。通勤も兼用することから他の軽スポーツカーもしっかりと試乗して、自分にしっくりきたコペンを6年ほど前に購入。これまで「スポーツカーはFR」という固定概念を持っていたけれど、実際にコペンで走ってみたら、FFの楽しさを発見し、D-SPORT CUPに参加している他のコペンを参考にしながら、少しずつ自分に合わせたチューニングして今の仕様になったという。
ゼッケン56 maxさん(コペン/LA400K)
8年前にコペンを購入したmaxさん。「最初の1年はサーキット走行なんてまったく考えていなかったし、自分とは別の世界のことだと思っていた」という。しかし、オーナーズクラブのオフ会などに参加して、周囲の「楽しいから参加してみれば」との声に押され、次第に興味が出てきて参加することに。実際に参加してみたら本当に楽しくて、まさしく「ハマった」とのことで、今では顔なじみも増え「D-SPORT CUPがクラブ活動のようになっている」と語ってくれた。
また、最初は普段着で走っていたが、少しずつチューニングパーツやモータースポーツ用品にもこだわりが出てきて、OMPのレーシングスーツには車両に装着しているパーツメーカーのワッペンを並べるこだわりも。また、通販で見つけた「アイアンマン」ヘルメットは、目の部分を自分で加工したオリジナル仕様とのこと。
ゼッケン67 たけぞうさん(ミラ/L650S)
若い頃は「シビック(EG、EK)」のN1仕様などに乗り、仙台ハイランドやスポーツランドSUGOで本格的に走り込んでいたというたけぞうさん。コロナ禍の2年を費やしてD-SPORT CUPの年間シリーズチャンピオンを狙った車両を製作していたが、今年4月のシェイクダウンでもらい事故にあい、イチから製作していたボディが全損に。その時はもう走るのを辞めようかと思ったというが、周囲の励ましもあり復活を決意。とはいえ、もう本格的な車両は製作せず、長く安く楽しめる車両を作ろうと方向転換。ボディが使えなくなったマシンから別のミラに足まわりやトランスミッションを移植して、単純にテクニックのみでタイムを追求することに。
福井県金沢市から自走できて、D-SPORT CUPに参加しつつ途中の観光旅行も兼ねて、のんびり楽しく軽カーライフを満喫しているという。また、「これからサーキット走行をするなら、首(頸椎)を守るハンスやバイク用ではなくちゃんと4輪用のヘルメットを推奨します」とのこと。
ゼッケン2/31 チキンミウラさん(CCJ☆FRプレオ/L285B)
静岡県でカーショップ「C.C.J チキンカーズジャパン」を営むチキンミウラさんは、ずっとハチロク(AE86)に乗っていたことからFRが大好きとのことで、ダイハツ「ミラ(L285S)」や兄弟車種のスバル「プレオ(L285B)」の4WDモデルをFR化して遊ぶことを提唱する1人。過去にはスズキの「アルトワークス」もFR化してみたが、プレオのほうがハンドリングがしっくりきたという。この日は奥さんと一緒に、FRプレオでグリップとドリフトクラスにWエントリー。さらに常連のお客さんも一緒に参加して、腕を磨いていた。
このFR化したプレオは、ベース車両の価格は状態によって異なるが、安ければ10万円台~入手でき、そこにドリフト用センターデフとリアデフを溶接デフロックに交換して、タイヤとホイール、足まわりとシートなど、とりあえず100万円以下で製作できるとのこと。また、リアの溶接デフロックはコントロール性がシビアになるとのことで上級者向け、乗りやすさ重視ならクスコ製LSDがオススメとのこと。ただし、溶接デフロックは4万4000円、クスコ製LEDは13万2000円と価格もだいぶ差がある。
ちなみにグリップ走行の時は、タイヤは4本とも横浜ゴムの「ADVANネオバ」で、ドリフト走行のときはリアのみブリヂストンのスタッドレスタイヤを使用するという。また、C.C.J チキンカーズジャパンではKYB製オリジナル車高調も制作している。
チキンミウラさんによると「ミラやプレオはベースの玉数は多いし、ダイハツの他車パーツの流用もしやすいのも魅力です。また、普段の買い物やお迎えにも使うようなら5ドアもあるので、それをベースに製作するのもありですよ」とのこと。