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「カペラ」と「アテンザ」の系譜である「MAZDA6」 節目となる20年目の進化の狙いを谷本智弘主査が解説
2022年12月9日 11:30
- 2022年12月9日 予約受け付け開始
- 296万2300円~473万9900円
マツダは「MAZDA6」の商品改良に合わせて、その狙いなどを解説するメディア向けオンライン説明会を実施。MAZDA6の主査である谷本智弘氏と国内営業本部 国内商品マーケティング部 空閑俊夫氏の2名が登壇した。
「走る歓び」や「Zoom-Zoom」の指標となってきたフラグシップモデル
1970年5月に誕生したマツダの「カペラ」は、32年間(7代)にわたり「ファミリア」とともにマツダの基幹車種として活躍し、グローバルで累計約520万台を販売するなどマツダブランドを世界に浸透させた1台。
そして2002年に初代「アテンザ(海外ではMAZDA6)」がその流れを引き継ぎ、新たなブランドメッセージである「Zoom-Zoom」を象徴する1台として誕生。当時もっとも競争の激しい中型セダンのカテゴリーで、価値を1から見直し「最低でも一流、最高で超一流」という高い志をもって世界中に導入され、グローバルで約390万台を販売した。
谷本主査によると初代アテンザは、「個性的で魅力的なデザイン、運動性能に対するこだわり、欧州の強豪に勝るダイナミクス性能、革新的なパッケージ、質感と静粛性、安全と環境性能など、6つの領域の開発テーマを掲げてクルマの本質的な価値を追求した」といい、その後も走る歓びを追求したモデルが次々と投入され、新生マツダの浸透を図ったという。
2代目アテンザは、Zoom-Zoomのさらなる進化をテーマに2008年に登場。最高の高速ロングツアラーを目指し、初代の特徴であるスポーティかつ品格のあるデザイン、クルマとの対話を通じて一体感を楽しめるドライビング性能などを継承そして進化をしながら、環境安全性能を大幅に向上。
3代目はディーゼルエンジンをはじめとするSKYACTIV技術と鼓動デザイン、先進安全技術、i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)を初搭載し、マツダブランドの中核となるフラッグシップモデルとして2012年に導入。また、ボディカラーに鼓動デザインの象徴となる「ソウルレッドプレミアムメタリック」を初めて採用した。
そして2019年、人間中心の安心安全、エレガンス性を追求したデザイン、利便快適・安全装備の進化を重ねたうえで、マツダブランドを鮮明化すべく、グローバルネーミングの「MAZDA6」に改称した。
今回の商品改良の狙いについて谷本氏は、「MAZDA6のユーザーは62%がセダンからの乗り換えで、そのうち39%はアテンザやMAZDA6であるため、さらなる個性のあるモデルが必要だと考え、最上位グレードの導入、最量販グレードの個性の強化と鮮明化、商品の継続的進化も実施しました」と説明。
特別仕様車「20th アニバーサリー エディション」
最上位グレードの特別仕様車20th アニバーサリー エディションについては、「フルボディのワインのように20年の歳月をかけて、初代からの伝統を継承しながら丹念に熟成を重ねることで、大人のスポーツセダン、ステーションワゴンに仕上げました。また、SUVが拡大する中でも日本に約10万台いる、ダイナミクス性能のポテンシャルが高いセダン・ステーションワゴンオーナーや、アテンザおよびMAZDA6ファンのカーライフに彩りを添える風格を備えました」と紹介した。
続けて、「ボディカラーには、これからも共に過ごす喜びを深く長く感じていただけるように、匠塗(TAKUMINURI)の第4弾となる新色アーティザンレッドプレミアムメタリックを専用色として設定しました。光の当たるハイライト部は、きめ細かく透明感のある赤が鮮やかに光る一方、シェード部は深みと濃厚さを演出し、熟成されたワインのようなハイコントラストな表現で、造形の強さと美しさを際立たせています」と谷本主査。
谷本主査は、「かつてアテンザに乗っていて、その後はしばらくはファミリーカーが続いていたが、現在は自分自身とパートナーのためのクルマ選びと、これまで以上に自由なカーライフを楽しむことができる。そういった走りの楽しさを知っているクルマ好きな大人におススメの1台」とユーザー層を表現した。
大人らしい佇まいと力強さを両立させた「スポーツアピアランス」
続いて、スポーティな走りによって活力が高まり、クルマの本質や運転の楽しさにこだわりを持っている大人向けの「スポーツアピアランス(Sports Appearance)」について谷本主査は、「2020年に誕生したBLACK TONE EDITION(ブラックトーンエディション)のスポーティさをさらに強調したモデルで、全身をブラックで引き締め、成熟した大人のスポーツマインドを刺激する走りとアピアランスをセットで強化しつつ、洗練化も図っています」と説明。
個性を大事にしつつ、エナジーと高揚感、走りへの期待に応えるパフォーマンスとともに精悍さや情熱を常に感じられるスポーティさを強調するアピアランスで一層際立たせている。
既存モデルもしっかりと熟成を重ねているMAZDA6
既存グレードのLパッケージについては、「ゆとりやおもてなしの心を持っているような上質さを知るユーザーに対し、ゆとりを感じられる佇まいにふさわしくなるように少し世界観の幅を広げました」と谷本主査は紹介。
外板色には「プラチナムクォーツメタリック」と「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」の2色が追加され、インテリアには成熟したクルマに合わせて、大人のゆとりを表現するレザーパッケージを採用。スエード調の素材との組み合わせでシックに洗練された黒内装を追加をして、ピュアで端正な白革内装はステッチカラーをライトグレーに変更して継続した。「風格」「情熱」「気品」と、ユーザー嗜好に合わせて、選ぶ楽しさや所有してからも愛着とともにカーライフを豊かにしてくれるラインアップにしたという。
走りの面では、コーナー入口までの力強い走り、コーナーの入口で狙ったラインをトレースできる一体感、コーナリング中の安心感、コーナー出口での達成感により、「いつまでも走り続けたくなる」感情を掻き立てるという。
具体的にはエンジン制御を変更することで、「SKYACTIV-D 2.2」の最高出力を2021年モデル比で+10PS、中間トルク増強として4000rpmでの最大トルクを+25Nmアップ。最大トルク自体に変更はないが、高回転域でのトルクの落ち込みを抑制した。また、エンジンだけでなくアクセルペダルの踏力特性も変更。アクセルペダル操作の感覚を明瞭に感じられるペダル反力に変えることで、走りのコントロール性を向上させている。
電動パワーステアリングのアシスト特性にも手を入れ、路面の接地感をよりステアリングから感じられるようにしたほか、狙い通りのラインへクルマの方向を決められるなど、手のひらへの感知性やコントロール性を向上させた。
さらに、運転支援機能として「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」を採用したことで、高速や自動車専用道路での渋滞やロングドライブでのドライバーの負担軽減が見込まれるほか、ワイヤレス接続機能、ワイヤレス充電を設定して利便性も高めている。