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AIで乗客を認識、ジェンテックスが提案する旅客機用パーソナル環境

ジェンテックスはCES2023で、旅客機の客席を模したデモステージを設置

AIによって乗客それぞれにパーソナルサービス

 自動防眩ミラーなどで知られるジェンテックスは、アメリカ ネバダ州ラスベガスで開催された技術見本市「CES2023」において、さまざまな自動車向け提案を行なっていたが、航空機用の提案も見ることができた。

 ジェンテックスはミラーに関する高い知見を持ち、航空機用としてはボーイング 787に電子シェードが採用されるなど、航空機向けのデバイス生産能力を持つ。CES2023のジェンテックスブースでは旅客機の客席を再現、ジェンテックス技術を訴求した。

ビジネスクラスやエコノミークラスそれぞれの提案が行なわれている

 1つ目の提案がパーソナライズ。ジェンテックスではAIによる個人認証技術を持っているため、シートに座った瞬間から個人認証が始まる。そして個人認証が終わると、その個人が契約しているストリーミングサービスを提供。機内でも個人個人が契約しているサービスを使用することができるといった具合だ。

エコノミークラスでの提案。シートに座るとAIによるドライバーモニタリング技術によって個人認識が始まる
個人の旅行予定が表示された。コネクティングフライトなどの情報も表示される
例として示された認証中画面。顔の骨格や、目のまわりの状況などが生体認証の判断材料に使われる
認証されました
あらかじめ課金情報を結びつけておくことで有料ドリンク注文をスムーズに行なえたり、個人が契約しているストリーミングサービスを利用できる、といった提案

 広めのビジネスクラス提案としては、AIによる物体認識追従サービスがある。これは、食事の際は食事に適したライティングに変更し、ノートPCの場合は仕事に適したライティングに変更。さらに、本やノートPCのある位置を認識することで、スポットライトが追従するというデモを行なっていた。

 また、ミラーの中でデジタルインフォメーション行なえるデバイスも展示。航空機ではラバトリーなどにミラーが設置されているが、そこに各種インフォメーション(到着時刻などの旅行情報)を映し出していた。これは、自動防眩ミラーなど、鏡の特性を知り尽くした同社ならではの高品位な技術が活かされたものになる。

CES2023でジェンテックスが提案する旅客機用パーソナル環境
食事の際は、色温度の低い暖色系のライトで照明
電子シェードの技術を応用した、電子カラーコントロールによるパーティション
ソフトウェアコントロールで色を変更可能。高級感もあり、さまざまな分野への応用も可能だろう
こちらは電子インフォメーションミラーのスマートグラス。ミラー内にインフォメーションが表示されている。ジェンテックスは煙センサーも得意ということで、上部の煙センサーと組み合わせた提案も実施
航空機用のデバイス提案。手前が電子シェードだが、ボーイング 787用ではなくエアバスに採用されたもの