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豊田章男社長が新城ラリー2023に来場、今後については「#こうしてモリゾウ」で要望をくださいと

ST165でデモランを行なったTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表(左)と勝田貴元選手(右)に囲まれるモリゾウ選手こと豊田章男社長

4年ぶりの有観客開催となった新城ラリーに登場したモリゾウ選手

 3月4日、愛知県新城市でJAF全日本ラリー選手権第2戦「新城ラリー2023」が開幕した。TOYOTA GAZOO Racingはこの新城ラリーに参戦し、WRC2車両として開発中のGRヤリス ラリー2を世界で初めて実戦投入。GAZOO RacingでWRC(世界ラリー選手権)を戦うTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表、勝田貴元選手がデモランのために来日するなど、新城ラリーに対して力を入れている。

 その新城ラリーに、トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男社長が来場。モリゾウ選手としてトークショーにのぞんだ。豊田社長は社長を退任し、4月1日から会長に就任することを発表しているが、退任発表後、一般イベントに出るのは初めて。ヤリ-マティ・ラトバラ代表、勝田貴元選手、TGR WRCプロジェクトディレクター 春名雄一郎氏らと新城ラリーやモータースポーツにちなむ話を繰り広げた。

 その中で明かされたのは、ヤリ-マティ・ラトバラ代表が全日本の北海道ラリーに参戦すること。参戦マシンはGRヤリス ラリー2であることなどが発表された。

ラトバラ代表によるデモラン。ST165セリカが美しい
激しくスピンターンを繰り返す

「#こうしてモリゾウ」で要望をくださいと

勝田貴元選手らとサービスパークを歩くモリゾウ選手

 トークショー前に豊田社長に話をうかがう機会があり、この新城ラリー来場した理由を聞いたところ、「(新城ラリーに出た意図というのは)我々はWRCをやっている。ラリチャレも出ている。ただ、全日本に関しては新参者なんです。トヨタは17年ぶりに戻ってきたけど、本格的にラリーに取り組んで、ちゃんとファンを増やしていかなければならない。ラリーを持続的にやっていくたには全日本をやっていかなければならない。ちゃんとしなければだめだと思い、盛り上げを含めやっていきたい」と語ってくれた。

 市販レーシングカーにするために開発しているGRヤリス ラリー2もそうだが、トヨタとしてはWRCに参戦するだけでなく、ラリー人口を増やす、ラリーファンを増やすことを大切だと考えている。それが、ラリー文化の発展につながり、ラリージャパンを継続的に実施する力になると考えているとのことだ。

 そして気になるのが、モリゾウ選手として、豊田新会長としての今後の活動。この辺りについては直球で効くよりも変化球で聞くのがよいかなと思い、新城市が舞台ともなっている大河ドラマ「どうする家康」に絡めて聞いてみた。

「3月3日の開会式で新城市長が、新城市はラリーと大河ドラマ『どうする家康』で盛り上がっているとあいさつしていたのですが、「自分としては『どうするモリゾウ選手』『どうする豊田新会長』というのが盛り上がっています。今後について語れる範囲で教えてください」と質問したところ、豊田社長は少し考えてから「それは、大河ドラマのプロデューサーに聞いてたら?」と返答。やはり将来の話はなかなか聞き出すのが難しい。

 しかしながら、「逆にモリゾウこうしてよってのを出してください。『こうしてモリゾウ』てのを出してくれないと消えちゃうよ。そうすれば僕はきっと自己主張をせずにみんなのために働くから」と笑いながら語る。モリゾウ選手は単なるクルマ好きと思われがちなところもあるが、ここ2年は550万人の就業関連人口を背景に持つ自工会の会長として、トヨタ自動車の社長として、カーボンニュートラル社会の理解のために水素燃焼自動車でスーパー耐久を走っている。クルマ好きのため、クルマ関連で働いている人のため、平日は社長として、土日は選手として休みなしに働いているようにも見える。

 新しくトヨタ自動車の会長となっても、誰かのために働くというスタンスは変わらないものの「#こうしてモリゾウ」のように、そのテーマは募集中だという。モリゾウ選手に豊田新会長に「もっとこうしてほしい」という要望のある方は、「#こうしてモリゾウ」のようにハッシュタグを付けてSNSに投稿してみてほしい。もしかしたらなにかが起きるのかもしれない。

 トークショー後は、ラトバラ代表や勝田貴元選手のデモランを見学。しかし、ラトバラ代表のデモランを見ているうちにクルマ好きの心が動いたらしく、急遽ラトバラ代表の助手席で同乗走行となった。モリゾウ選手、ラトバラ代表、勝田貴元選手、TGR WRCプロジェクトディレクター 春名氏のトークショーは3月5日も新城ラリーで行なわれるため、デモランの感想なども語られるかもしれない。

 デモラン、トークショー、そしてサービスパーク練り歩き、そして世界初のラリー2新型車両投入と、豊田章男氏はモリゾウ選手としてトヨタ社長としてラリーファンを増やす活動を精力的に行なっていた。