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新型「プリウスPHEV」にカネカの結晶シリコン太陽電池を採用

2023年3月28日 発表

 カネカは3月28日、トヨタ自動車の新型「プリウスPHEV」のルーフガラス部分に、カネカが開発した世界最高水準の変換効率26.7%を達成した「結晶シリコン太陽電池」が採用されたことを明らかにした。

 今回採用された結晶シリコン太陽電池は、ヘテロ接合技術とバックコンタクト技術を組み合せたヘテロ接合バックコンタクト型で、世界最高水準の変換効率を誇るとともに、表面に配線のないバックコンタクト構造によって、自動車用ガラスに近い意匠性を実現した。

 ヘテロ接合技術は物性の異なる半導体材料を接合する技術で、結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合せによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合せることで変換効率を向上させることができる。バックコンタクト技術は太陽電池の裏側にのみ電極をつくり電気を取り出す技術で、電極を裏面に集約することで、受光面を広くできるため、変換効率を高めつつ、意匠性も向上させることができる。

 これら同社独自技術による高い変換効率と優れた意匠性に加え、曲面状の設計による自動車ボディへの装着が可能となった点が評価され、トヨタの新型EV「bZ4X」に続き、今回同社の太陽電池が採用されることになった。同社では、今後走行距離延長や二酸化炭素削減に貢献するソリューションとして車載用太陽電池の提案を引き続き強化し、電動車へのさらなる採用を目指す。また建物のZEH・ZEB化への寄与など幅広い用途での太陽電池の普及を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく考え。