ホンダ、韓国の鉄鋼メーカー・POSCOとカーボンニュートラルの実現に向けた包括的パートナーシップの検討を開始

　本田技研工業と韓国の鉄鋼メーカーであるPOSCO（POSCOホールディングス）は4月11日、カーボンニュートラルの実現に向けた包括的パートナーシップの検討を開始したことを発表した。

　両社は、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速するためには、環境対応技術や電動化技術といった互いの強みを持ち合い、将来的な協業を見据えた検討が必要と考え、今回の合意に至ったとしている。

　この合意に基づく、両社の取り組みの検討範囲は主に以下の通り。

車体鋼板領域
・車体の軽量化に寄与する超高張力鋼板や、製造工程での温室効果ガス発生を抑制した自動車鋼板などに関する採用

電磁鋼板領域
・電動アクスルの駆動モーターに必要な無方向性電磁鋼板の量産適用

バッテリ領域
・将来電池用素材に関する技術交流
・正極・負極などの主要材料の調達協力

リサイクル領域
・低炭素社会実現に向けたリサイクル材適用拡大
・バッテリ再生材を活用したクローズドループリサイクルの構築

　POSCOホールディングス 代表取締役 会長 崔正友（チェ・ジョンウ）氏は、「鉄鋼事業の戦略的パートナーであるホンダとバッテリ素材分野まで協力体系を拡大することができてうれしく思います。リチウムやニッケルなどの資源、正・負極材、将来電池用素材およびリサイクル領域まで、バッテリのフルバリューチェーンを保有しているPOSCOグループが、ホンダの電気自動車拡張戦略に大きく役立つものと期待しています」とコメント。

　本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏は、「ホンダは、2050年までにホンダが関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを実現するという目標を掲げています。バッテリ材料・リサイクル・および鋼板・電磁鋼板の幅広い知見を持つPOSCOとのパートナーシップ拡大により、ホンダの電動化戦略はさらに加速するものと考えます」とコメントしている。