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横浜ゴム、EVバスを活用して「タイヤの異常を早期発見するサービス」の精度向上を目指す実証実験

2023年4月21日 発表

横浜ゴムがEVバスを活用して「EVのエネルギー消費の効率化」と「タイヤ空気圧遠隔監視システム」の精度向上を目指す実証実験を開始

 横浜ゴムは4月21日、神奈川中央交通が平塚市(神奈川県)で運行しているEVバスを使用して、自社で開発した「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー」「タイヤ空気圧遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)」のEVバスでの実証実験を3月より開始したと発表した。

 横浜ゴムは輸送事業者向けのタイヤソリューションサービスとして、タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES(ハイテス)」とタイヤ運用を総合的にサポートするタイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」を展開しているが、今回はすでに乗用車向けとしてカーシェアリング事業者やタクシー事業者と実施している実証実験を初めてEVバスで行ない、EV車両に求められるエネルギー消費の効率化と「TPRS」の精度向上の効果を検証するのが狙い。

 TPRSは、タイヤ内面貼り付け型空気圧センサが検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を、車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートでリアルタイムに把握できるシステム。タイヤの始業前点検の省力化や空気圧情報の記録化、スローパンクチャーの早期発見、適切なタイヤメンテナンスの実施、点検のバラツキ防止、異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献する遠隔監視システムとなる。

 また、タイヤ内面貼り付け型空気圧センサによる検知データはクラウドサーバーに送られ、車両管理者や横浜ゴム営業所などにおけるタイヤ空気圧の見える化を実現。これらの取得データによって、空気圧低下時やスローパンクチャーの恐れがある場合には警報装置で管理者に通達することが可能となるという。さらにタイヤ内面貼り付け型空気圧センサは、装着するホイールを選ばないため、アフターパーツとして多種多様の車両やホイールに採用できるのもポイントとなる。

 横浜ゴムは車両のEVシフトが世界的に本格化するなか、高レベルな燃費(電費)性能、耐久性、静粛性がタイヤに求められるEVバスで実施することによって、EVバスにおいても経済性や安全性の向上、効率的なタイヤ運用に貢献できるソリューションサービスの確立を目指すほか、実証実験で得られたデータはEVバスに対応するタイヤ開発にも活かすとしている。