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トヨタ、水素を使った大型商用トラック向け燃料電池パワートレーンキットが米カリフォルニアでゼロエミッションパワートレーン認定を取得

2023年4月24日(現地時間) 発表

トヨタが手掛ける大型商用車用の燃料電池電動パワートレーンキット

 トヨタ自動車は4月24日(現地時間)、大型商用トラック(クラス8)向けの新たな大型燃料電池パワートレーンが、カリフォルニア州大気資源局(CARB:California Air Resources Board)からZEP(ゼロ・エミッション・パワートレーン)認定を取得したと発表した。

 トヨタが開発した新たな大型燃料電池パワートレーンは、水素燃料貯蔵タンク、燃料電池スタック、バッテリ、電気モーター、トランスミッションが一体になっていて、商業貨物輸送に使用されている従来のディーゼルパワートレーンに代わる有力な選択肢になるとしている。

 CARBの「ZEP Executive Order」は、カリフォルニア州で販売するために必要な特定の排出基準を満たすと判断されたパワートレーンに与えられるもの。今回トヨタが認定されたパワートレーンを使用するメーカーは、CARBのハイブリッドおよびゼロエミッショントラック・バスのバウチャーインセンティブプロジェクト(HVIP)、ロサンゼルスおよびロングビーチ港が昨年導入したクリーントラック基金(CTF)、特定の連邦インセンティブなどの対象となり、インセンティブを受け取ることが可能となる。

 世界初の量産FCEV(燃料電池電気自動車)「MIRAI」の誕生から、大型輸送、発電システムなど、ゼロ・エミッションの恩恵を受けられる他の用途への応用・拡大まで、トヨタの水素燃料電池技術に関する研究開発は約30年におよんでいる。今回CARBのZEP認証をとった新型パワートレーンキットは、現在商品化の準備が進められていて、ケンタッキー州の製造工場で2023年後半から生産が開始される予定という。

 北米トヨタ自動車の上級プログラム・マネージャーであるScott Friedman氏は、「トヨタはすべてのモビリティ・ソリューションにおいて、排出ガスの削減または排除を目指しており、当社の燃料電池電気パワートレーンは、大型輸送機関の排出ガス削減において、水素が重要な役割を果たすことを証明しています。CARBからゼロ・エミッション・パワートレーン認証を受けたことは、信じられないほどの時間と労力を費やしてきたわれわれのチームにとって重要な成果であり、近い将来、このパワートレーンを商業的に提供できることに興奮しています」と述べている。

 また、北米トヨタ自動車のアドバンスト・モビリティ担当エグゼクティブ・プログラム・マネージャーであるChris Rovik氏は、「水素は大型輸送車の排出削減において重要な役割を果たすと同時に、これらのフリートや個人事業主の走行に必要な距離、パワー、燃料補給時間を犠牲にすることはないと考えています。また、燃料電池技術は拡張性があり、水素社会への移行に伴い、二酸化炭素を削減・除去するためのわれわれの集団的な戦いにおいて、ますます目に見える重要な役割を果たすと信じています」とコメントしている。