ダイハツ、海外向け4車種で側面衝突試験の認証申請に不正行為確認

ダイハツ工業株式会社代表取締役社長の奥平総一郎氏

　ダイハツ工業は4月28日、ダイハツで開発を行なった海外市場向け車両4車種について、側面衝突試験の認証申請における不正行為を確認したと発表した。同日、同社代表取締役社長の奥平総一郎氏が登壇する緊急記者会見を実施して、説明が行なわれている。

　不正を確認した対象車種は、タイで2022年8月生産開始のトヨタ「ヤリスエイティブ」7万6289台、マレーシアで2023年2月生産開始のプロドゥア「アジア」1万1834台、インドネシアで2023年6月生産開始予定のトヨタ「アギヤ」、開発中の車種1車種で、販売実績のある累計台数は計8万8123台（2023年3月末時点）。

　不正発覚の経緯としては、2023年4月に内部通報のあった不正について調査を行なったところ、通報通りの不正行為があったことを確認。確認された不正は、車両の側面衝突試験において、認証する車両の前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を行なっており、法規に定められた側面衝突試験の手順・方法に違反があったことを確認した。

　トヨタブランドの車種が含まれる不正となるが、トヨタとダイハツとの役割としては、トヨタとダイハツ間のOEM供給契約・共同開発契約にもとづき、ダイハツが開発から必要な各種認証試験合格までを実施。そのうえで、トヨタとして、当局に車両型式の認可の申請をし、必要な認可を受けた後、トヨタブランドで販売している。

　ダイハツでは、不正行為の事実が判明後、速やかに審査機関・認証当局に報告・相談の上、トヨタと協議し、認可対象国における出荷を停止。なお、審査機関・認証当局に報告・相談する中で、正規部品を用いた社内再試験において、側面衝突試験で定められた基準を満足していることを確認し、報告している。今後、審査機関・認証当局の立ち合いのもとでの再試験などを行ない、側面衝突性能が法規に適合していることが確認されれば、出荷を再開するとしている。

　出荷停止する車両については、審査機関・認証当局の指導を受けながら、出荷を再開できるよう努めているとし、現時点では、当該車種を使用するユーザーに、使用の継続にあたり何らかの対応をする必要はないとしている。

　再発防止に向けては、これまで調査を行なってきた内部調査委員会に加え、独立した第3者委員会を設置した体制で、本件内容の解明や真因分析、これに基づく再発防止策を取りまとめて、第3者委員会からの報告後、再度公表するとしている。