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トヨタ、米国で初のバッテリEV生産と電池工場への追加投資を発表 3列SUVの新型車を2025年から生産

トヨタ自動車株式会社

 トヨタ自動車は6月1日、米国で初となるバッテリEV生産と電池工場への追加投資を発表した。バッテリEV生産はToyota Motor Manufacturing Kentucky, Inc.(以下、TMMK)で、2025年から新型車となる3列シートSUVを生産開始する。

 この新型バッテリEVには、Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(以下、TBMNC)で生産する電池を搭載する予定。

 現在、TBMNCはトヨタの北米統括会社であるToyota Motor North America, Inc.(以下、TMNA)と豊田通商の出資(TMNA 90%、豊田通商 10%)によって建設中で、両社は今後の電池の需要増を見据え、将来の拡張に備えた土台づくりとして21億ドルを追加投資してインフラ整備を進める。

 これによりTBMNCへの総投資額は59億ドルになり、拡大する電動車の需要に必要なリチウムイオン電池を生産・供給していく。

 TMNAの小川哲男CEOは、「カーボンニュートラルの実現に向け、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減することを目指してまいります。この目標を達成するためには、お客様のニーズを満たす電動車のラインナップを提供する必要があります。米国初のトヨタ単独の車両生産拠点であるTMMKと、最新の工場であるTBMNCが、電動車のラインナップを拡げるため、BEVとバッテリー生産を開始し、未来に向け走り出すことを楽しみにしております」と述べている。

 トヨタは電動化の取り組みを加速するため、過去2年間で米国の事業に対して80億ドル以上を投資。2025年ごろまでには、グローバルで販売する全車種を、電動専用車もしくは電動グレード設定車とする予定。バッテリEVに関しては、2026年までに年間150万台を基準として、10モデルの投入を計画。2030年までに約5兆円を投資することをすでに発表している。

 トヨタは、「カーボンニュートラルを実現するための選択肢は1つではない、と考えています。お客様の暮らしを守りながら、できる限り早く、できる限り多くのCO2排出量を削減していくためには、その手段は国や地域によって大きく異なります。この考えのもと、あらゆる国と地域における様々なお客様のニーズにマルチパワートレーンで柔軟に対応し、できる限り多くの選択肢をご提供するために、今後もあらゆる努力を続けてまいります」とコメントしている。

TMMK概要

名称:Toyota Motor Manufacturing Kentucky(トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー)
設立:1986年1月
生産開始:1988年5月
社長:Susan Elkington
従業員数:約9400名
生産能力:約55万台
事業概要:車両生産(RAV4 HEV、カムリ(含HEV)、ES(含HEV))及びエンジン生産

TBMNC概要

名称:Toyota Battery Manufacturing, North Carolina(トヨタ バッテリー マニュファクチュアリング ノースカロライナ)
設立:2021年11月
生産開始:2025年(予定)
社長:Sean Suggs
従業員数:約150名
出資比率:TMNA 90%、豊田通商 10%
事業概要:車載用電池の製造(HEV用・BEV用電池を2025年より順次生産開始予定)