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最新の輸入電動車が神戸旧居留地に集結 「JAIA輸入電動車普及促進イベント in 神戸」7月14日~15日に開催中

2023年7月14日~15日 開催

入場無料

兵庫県神戸市の旧居留地明石町筋で「JAIA輸入電動車普及促進イベント in 神戸」を開催中

輸入電動車の最新ラインアップや関連設備を展示

 JAIA(日本自動車輸入組合)は7月14日~15日に、兵庫県神戸市の旧居留地明石町筋において輸入四輪車インポーター10社、輸入二輪車インポーター1社、充電関連事業者&リサイクル事業者10社が、輸入電動車の最新ラインアップや関連設備などを展示するイベント「JAIA輸入電動車普及促進イベント in 神戸」を開催している。7月14日にはイベントに先んじてオープニング式典が開かれ、JAIA理事長 上野金太郎氏らがあいさつを行なった。

 世界規模でカーボンニュートラルへの取り組みが広がり、日本でも施政方針演説で「2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現」の方針が明言されるなど、電動車への流れが加速している。JAIAも現在「輸入電動車普及促進プロジェクト」を推進しており、今回はその一環として神戸の旧居留地を開催地とし、メインストリートの一部を利用することで、初めて一般人も参加できるイベントとして実施している。

会場周辺図。A、B、Cブロックに分けて行なわれている
Aブロックではメルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディの車両が並ぶ
Bブロックはマクラーレン、レンジローバー、ボルボ、BYD、ヒョンデ、テスラ、プロトのモデルが展示される
Cブロックにはカワサキの「Z」「ニンジャ」のEVバイクプロトタイプが

 四輪10社としては、BMWが「i7 xDrive60 Excellence」「i4 M50」「iX xDrive50」「iX3 M Sport」「iX1 xDrive30 M Sport」、BYDが「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」、ヒョンデが「IONIQ5」「NEXO」、ジャガー・ランドローバーが「RANGE ROVER SV PHEV」、マクラーレンが「アルトゥーラ」、メルセデス・ベンツが「EQS 450 4MATIC SUV」「EQB 350 4MATIC」「EQS 450+」「EQA 250」「Mercedes-AMG EQE 53 4MATIC+」、ポルシェが「タイカン GTS」、テスラが「モデルY」「モデル3」、フォルクスワーゲングループジャパン(アウディ事業部)が「Q4 e-tron」「e-tron GT quattro」「Q8 e-tron」「Q8 Sportback e-tron」、ボルボが「XC40 Recharge Ultimate Twin Motor」「C40 Recharge Plus Single Motor」「XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」「XC90 Recharge Ultimate T8 AWD plug-in hybrid」を出展するなど、大規模なイベントとして開催されている。

メルセデス・ベンツ「EQS 450 4MATIC SUV」
BMW「i7 xDrive60 Excellence」
ポルシェ「タイカン GTS」
フォルクスワーゲングループジャパン(アウディ事業部)「Q8 e-tron」
マクラーレン「アルトゥーラ」
ボルボ「C40 Recharge Plus Single Motor」
BYD「SEAL」
ヒョンデ「IONIQ5」
テスラ「モデル3」
カワサキはネイキッドタイプの「Z」とフルカウルタイプの「ニンジャ(Ninja)」のEVモーターサイクル(プロトタイプ)、そして普通自動車運転免許所有者が自転車感覚で乗れる電動3輪ビークル「noslisu e」を展示

 初日となる7月14日は13時~19時、7月15日は10時~17時までの実施となるので、最新の電動車に興味がある方はぜひ足を運んでみてほしい。

兵庫県は輸入車にとって大変重要な地域

テープカットのようす

 オープニング式典で登壇した上野金太郎氏は、2021年度から電動車の認知向上を目的としたイベントを実施しており、初年度は東京で、2022年度は大阪で、2023年度は神戸で実施することになったことについて触れ、「関西エリアは登録乗用車に占める輸入車のシェアが大変高く、都道府県ランキングではトップ6に兵庫、大阪、奈良、京都の4県が入り、兵庫県では芦屋市、西宮市、神戸市の灘区、東灘区、中央区のエリアでは実に輸入車所有比率が2割を超えるほどで、輸入車にとっては大変重要な地域」と述べるなど、関西地域で開催することになった理由について紹介。

 また、今回のイベントへの出展社を含めたJAIA会員各社の輸入EVのラインアップは2020年10月時点で10ブランド、20モデルだったのに対し、2023年6月時点で16ブランド、90モデルまで拡大したとし、「会員各社がこの日本市場に対して大変積極的にモデルを投入していることがお分かりになると思います。その結果、輸入車のEVおよびPHEVの販売も急拡大し、特に輸入EVは2022年通年として初めて1万台を超え、前年の約1.6倍となる1万4341台と着実に販売台数を伸ばしております。本年も1~6月の上半期の実績でございますが9239台と、前年5192台の約1.8倍と好調さを継続しており、年間で約2万台の大台も見えてきたのではないかと考えております。輸入車メーカーの締めるEVのシェアも、2019年は0.5%にとどまっておりましたが、2022年は5.9%と4年間で実に10倍に拡大しております。加えて販売店への急速充電器の設置なども進みまして、ユーザーの充電環境が急速に改善されつつあります、今後も日本において輸入EVのシェアが拡大していくことを私どもは確信しております。これはJAIA会員各社がお客さまのニーズに合わせてそのラインアップを拡充したことに加え、JAIAからの要望にも答えてくださった政府による電動車の購入や充電インフラへの補助金拡充のおかげでもございます」。

「兵庫県さま、神戸市さまにおかれましても、市長とともに導入の補助をいただいております。地方公共団体の皆さまは自動車をご利用いただくお立場でもありますので、地域の企業、自治体の皆さまの社用車、公用車について、本日展示されておりますさまざまな輸入EVも含めてご利用、ご検討いただければ皆さまと共にカーボンニュートラル並びに持続可能な社会の実現に向けて取り組ませていただくことも一案と存じます。また、東京都では電動車に対する補助金だけでなく、集合住宅などへの充電設備普及促進事業や、公道での充電器設置も開始されるなど、今後このような充電環境の基盤整備が全国においても進んでいくことを私どもは期待しております。経済産業省をはじめとする各省庁の皆さま、兵庫県、神戸市の皆さまには厚く御礼申し上げ、また今後も引き続きご支援を賜れば幸いでございます」。

「JAIAはこれからも世界の幅広い車種を取り扱い、日本のお客さまに多様な選択肢を提供することで、カーボンニュートラル実現のため成熟した市場であるこの日本における電動車の普及促進に貢献していきたいと考えております。ぜひとも皆さまにおかれましては、このイベントで多様な自動車の価値をご体感いただきたいと思います」と述べた。

JAIA理事長 上野金太郎氏

 また、経済産業省 製造産業局 自動車課 自動車戦略企画室長の田邉国治氏は「自動車産業は、大変大きな変革の時期にございます。CASEと呼ばれるデジタル化と電動化、環境対応が複合的に進む、いわば100年に1度の大変革期になるということでございます。こうした中において、自動車分野のカーボンニュートラルということに向けましては、電動車の普及ということはもちろんのこと、燃料の脱炭素化、またそれに関連するインフラの整備といったさまざまな技術、そして多様な選択肢を組み合わせながら達成しなければできない大変難しい課題だと考えております。先般、G7が日本の議長国で開催され、札幌、また広島で議論がなされまして、こういった多様な道筋の重要性、多様な道筋を用いてカーボンニュートラルを実現するということについて大きな共通理解が得られたと考えております。日本政府といたしましても、グリーンイノベーション基金をはじめとして、電動車の普及に向けてはクリーンエネルギー自動車の補助金、また充電インフラの整備に向けてはインフラ整備の補助金、そして水素燃料、水素ステーションといったものの整備に向けましてさまざまな予算措置を講じ、また関係各社の皆さま方と共にさまざまな制度の見直しを含めて取り組んでいるところでございます。こうしたカーボンニュートラルに向けた選択肢の1つとしての電動車は大変大きな量になっていると考えております」とコメント。

 一方で本格的な電動車社会の確立に向けていくつかの大きな課題が残ってるとし、「1点目につきましては、電動車のラインアップ拡充ということでございます。やはり消費者の皆さまに選択いただけるラインアップが増えることが重要でありまして、蓄電池の調達、生産の拡充に合わせてだんだんそのラインアップが増え、またその価格の低下ということも伝えたいところでございます。より多くの電動車のラインアップが増え、そして手ごろな価格になっていく中で消費者の選択肢が増えてくるということが大変重要だと考えております。2点目に認知度の向上ということでございます。まだ多くの方はガソリン車とハイブリッド車は知っているけども、電気自動車を見聞きしたことがある方は少ないと思いますし、さらに言えばその特性や使い方について届いていない部分があると思います。そうした点におきまして、本日のイベントは初めて一般の方々にも見ていただけるイベントだと思っております。先ほどご紹介ありましたように、この関西、神戸は情報発信地であり、またこういったものに対して感度の高い地域ではないかと考えております。この関西、神戸の地からこういった情報が発信されることについて大変期待をしております」。

「3点目は充電インフラの整備でございます。政府といたしましては、2030年に公共用の急速充電器3万基を含む15万基の充電インフラを整備するという目標を掲げておりますし、合わせまして事業所、マンション、集合住宅、こういったところも含めて充電インフラの整備の助成をさせていただいております。昨年度に65億円ありました補助金が、本年度は3倍の175億円を措置してございますが、第1弾で設けました募集はすでに締めていまして、大変力強い投資事業があるという状況でございます。官民ともにさまざまな課題がある状況でございますが、本日のイベントを契機としましてさらに皆さま方との協力を図りながら、ぜひ電動車の普及に取り組んでまいりたいと思います」と述べた。

経済産業省 製造産業局 自動車課 自動車戦略企画室長の田邉国治氏

 次に登壇した兵庫県 環境部長 菅範昭氏は、今回のイベントが街中で開催されるということで電動車の普及促進について期待感を示すとともに、「私ども兵庫県では自動車公害対策として大型車の運行規制などさまざまな大気環境の改善に向けて取り組みを進めておりますが、近年は気候変動対策というところでカーボンニュートラルが求めてられていますので、電気自動車をはじめとした次世代自動車の普及がキーになってくると考えております。兵庫県では昨年3月に兵庫県地球温暖化対策推進計画を見直しまして、2050年には二酸化炭素の実質排出量をゼロにする目標を掲げるとともに、2030年には48%削減(2013年度比)という目標を掲げて展開しているところです。2050年のカーボンニュートラルのキーになるのは水素ではないかと考えておりまして、兵庫県知事のリーダーシップのもと水素の導入に向けて展開しておるところでございますが、その一環といたしまして、私ども環境部といたしましては水素ステーションの整備や燃料電池自動車の普及促進に尽力しているところでございます」。

「先ほど、電動車のラインアップが増えていくことが期待されるというごあいさつでございましたが、かなり以前から見ますとだいぶ増えてきたのではないかと私は思っておりまして、非常に心強いと思っているところでございます。本日のイベントが電気自動車を始めとして、プラグインハイブリッド、燃料電池車、また2輪を展示されるということで、非常に幅広いさまざまな種類の電動車が展示されるということで、この電動車をアピールするいいイベントなのではないかと期待しておるところです。地域環境の改善、またカーボンニュートラルという非常にグローバルな課題の解決にはこの電動車が1つのキーになると考えていますので、本日、また明日のこのイベントが電動車普及への大きな転機になることを期待しています」とコメントしている。

兵庫県 環境部長 菅範昭氏

 また、神戸市 環境局長の柏木和馬氏は「神戸市においても、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、今年3月に神戸市地球温暖化防止実行計画を大幅に見直しました。その中の1つの柱として電動車の普及促進を掲げ、国の補助金に上乗せする形で神戸市独自の補助制度を設け、また外部給電・神戸モデルと申しまして、災害時に停電が発生しても1週間ほど稼働できるゴミ処理施設で発電したその電気で電動車を充電し、避難所にそれを供給する。そのためにディーラーの皆さまと災害時における電動車の配車について連携協定を結ばせていただいたり、また避難所となる神戸市内の全ての市立の小学校、中学校に充電するための電気設備の工事を順次進めています。そういったように、阪神淡路大震災を経験した神戸ならではの電動車の災害時における利用という観点から電動車の普及・啓発に取り組んでいるところでございます。今回は一般の方にも広くオープンな形でこのイベントを開催いただくと聞いております。1人でも多くの方にこのイベントに足を運んでいただいて、電動車の普及促進につながることを願っております」と述べ、あいさつを締めくくった。

神戸市 環境局長の柏木和馬氏

【お詫びと訂正】記事初出時、神戸市のエリア表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。