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トヨタ、バリ島の観光地ウブド地区でモビリティサービスの実証実験「SMART@ウブド プログラム」開始

2023年8月24日 発表

トライアルで使用される乗客用アプリケーション

 トヨタ・モビリティ基金(以下:TMF)は8月24日、インドネシア・バリ島の観光地ウブドにて、バリ州政府と協力した実証実験「SMART(Sustainable Mobility Advancing Real Transformation)@ウブド プログラム」を実施すると発表した。実施期間は2023年9月~2024年2月の6か月間のトライアルで、プロジェクト費用は170万USドル。

 同プログラムは、バリ州政府運輸局とトヨタのインドネシア現地法人による協力のもと、TMFとデロイト(Deloitte Future of Mobility Solution Center)の共同プロジェクトとなる。

 実証実験では、ウブド中心部で運行する電動車両のオンデマンドのシャトルサービス10台を導入することや、バリ島公共路線バス「トランスメトロデワタ」のルート内の交通量の多いバス停に沿って9台のデジタルディスプレイモニターの設置などを実施。同プログラムの目的は、バリ州政府の合意覚書(Letter of Intent、LOI)を得て、データ駆動型・電動化された交通ソリューションを提供することにより、持続可能なモビリティ社会の実現を推進していくこととなる。

 具体的な実施内容としては、SWAT Mobilityが開発したオンデマンドアプリを備えたスマートxEV(電動車)シャトルサービス(SMART Shuttle@ウブド)を展開。乗客はアプリケーションをダウンロードし、所定の停留所から乗降地を選択して利用する。試験期間中は5台の電気自動車と5台のハイブリッド自動車が無料で配備され、運行はSerasi Autoraya(TRAC)が担い、ウブドコミュニティと協力してサービスを展開。また、Tri Energi Berkaryaが電気自動車用の充電ステーションを配備する。

 また、Papercastが開発した大型のバススケジュールのディスプレイに、バリ島の公共路線バス「トランスメトロデワタ」のバス到着予想時刻を表示。バスの時刻表、地図、その他のスポット広告を表示することで乗客の利便性と効率性を向上させ、公共バスの利用率を高めるように設計。これにより、「SMART Shuttle@ウブド」への乗り継ぎが容易になり、利用者がより効率よく移動を計画することが可能になるとしている。

 実証実験により、デロイトではグローバルなモビリティの課題に取り組むとともに、エコシステムにおいて新しいソリューションとアセットの開発を推進。TMFでは能力開発のイニシアチブに取り組むとともに、最終目標として地元コミュニティに合わせた持続的で実行可能なビジネスモデルを構築するための具体的な推奨項目を提案。さらに、政府や関係者がバリ島のみならず、インドネシア国内、その他の地域全体でモデルを拡張や展開できるよう目指すとしている。

試験的に使用する大型ディスプレイ(デジタルサイネージ)の表示内容