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TVアニメ「ハイスピード エトワール」とコラボした、女性ドライバーによるレースチーム「ハイスピード エトワール レーシング」発足発表会
2024年4月3日 12:23
- 2024年4月2日 開催
2024年4月5日より放送開始となるTVアニメ「HIGHSPEED Etoile(ハイスピード エトワール)」は環境問題の解決や交通における安全、安心な社会の構築を達成した架空の近未来社会が舞台。そんな時代に突如として開催が発表された次世代レース「NEX Race」。思いがけずこのレースに参加することになったヒロインを中心に物語が進んでいくという内容。スーパーフォーミュラやHRC、TOYOTA GAZOO Racingなどの協力を経て製作される作品だ。
そして今回、TVアニメ「ハイスピード エトワール」とコラボレーションした、女性ドライバーによるカーレースチーム「ハイスピード エトワール レーシング」の発足記者発表会が、4月2日に都内で開催された。
同チームは現役レーシングドライバーでもある川合孝汰氏が監督を務め、ドライバーはオーディションによって選ばれた前田琴未選手と清水愛選手という布陣。レースに使用する車両はレース専用に作られた「VITA-01」で、JAF公式レースの「KYOJO CUP」と「富士チャンピオンレース」に参戦していく。また、もう1つの活動としてEV限定レースである「EV-GP」に「テスラ モデルS プラッド」で参戦することが発表された。
ハイスピード エトワール レーシング発足の経緯
発表会ではまず、チームを運営するプラチナムファクトリー 代表取締役の中川隆太郎氏が登壇して、ハイスピード エトワール レーシング発足の経緯が解説された。中川氏は「7年前より女性ドライバー限定のレースシリーズ『Kyojo CUP』が開催されたり、海外では世界選手権で女性チームが優勝するなど近年モータースポーツの世界でも女性の活躍が注目されています。それらを背景にハイスピード エトワール レーシングは女性ドライバーによるレーシングチームとして結成されました」。
「ハイスピード エトワール レーシングの企画は昨年の秋にスタートしたものです。そして2023年の年末にドライバーのオーディションを行ないました。このオーディションは多くの女性ドライバーに参加していただきましたが、その中でも魅力的なドライバーをお迎えできたと思っております。チームとしましてはハイスピード エトワールという作品に登場するキャラクターと共に、われわれのドライバーが成長できるような環境を作っていきたいと思っております」と語った。
続いてはTVアニメ「ハイスピード エトワール」のプロデューサーである、佐々木ゆうろ氏と木梨美涼氏のあいさつとなった。
佐々木氏からは、「本作(ハイスピード エトワール)は、クルマが好きではあるがレースのことはよく知らない、といった人たちであっても楽しめるモータースポーツアニメを作りたいという想いを持って企画されたものです。TVアニメという分かりやすいエンターテイメントの部分から入っていっていただいて、作品を楽しんでいただき、最終的にモータースポーツの現場に行って生のレースも楽しんでほしいという流れをコンセプトにしている作品です。また、モータスポーツを取り上げるからにはモータースポーツファンの人たちも楽しめるような本気の製作もしておりますので、放送をお楽しみにしていだければと思います」と、ハイスピード エトワール制作に込めた気持ちが語られた。
また、木梨氏は「本作はコミックなどの原作がないわれわれのオリジナル作品です。そのため作る側としても非常にチャレンジングな試みでしたが、本作をきっかけにモータースポーツの新しい楽しみ方であったり、これまで興味がなかった人もこれをきっかけにモータースポーツを好きになってくれるような、いい取り組みにしていきたいなと思っております」とコメントした。
「やるからにはトップを目指していきたい」と川合孝汰監督
作品の紹介が終わったあとはハイスピード エトワール レーシングの紹介。川合監督は「実は僕がレースを始めるきっかけになったのは『カペタ』というアニメでした。それだけに今回のようなアニメーションとのコラボという形で携われることを本当に嬉しく思います。そして今シーズンですけれども、やるからにはやはりトップを目指していきたいなと思っております。とはいえ、現状はチーム、ドライバー、そして僕も、立ち上げ段階だけにトップを目指すことは大変であると強く認識しています。難しい挑戦ではあると思いますけれども、チームの気持ちは非常に強いので、みんなで協力してトップを狙っていきたいなと思っておりますので、ぜひご指導、ご声援をよろしくお願いします」。
「今シーズンに参戦するカテゴリーについて紹介させていただきます。まずはVITA-01を使用する女性ドライバー限定のプロシリーズである『KYOJO CUP』と、新人ドライバーの登竜門である『富士チャンピオンレース』になります。このVITA-01を使うレースは日本全国各地で開催されていて、非常に人気のあるカテゴリーになっています。レースの数は多いのですが、われわれは富士スピードウェイで行なわれておりますレースに集中していきます。そしてさらにもう1つ、ちょっと今日はクルマを用意できませんでしたが、EVレースのEV-GPにテスラ モデルS プラッドで参戦予定です。このレースは今までのガソリン車のレースとは違い、バッテリ残量をドライバーが計算をしながらチェッカーまで走らせるレースです。スタートしたら全力で走るレースではなく、電気をうまくセーブしつつ、緻密に計算しながら走るという耐久レースのような要素があります」と、参戦するレースの紹介を行なった。
続いてはドライバーの自己紹介が行なわれた。前田選手は「以前からレースを見るのが好きだったので、自分もやってみたいということから会社のチームに所属してN-ONEオーナーズカップに参戦しています。また、レース以外でもカートで練習をしていますし、愛車として所有しているシビックやS2000でサーキット走行も行なっています。そうしているなか、さらに上のレベルに挑戦したいと常々考えていたので、オーディションの開催を知り受けさせていただきました。実力も実績もないのにこんなにいい話をいただけるとは全く思ってなかったので、チームの方々、関係者の方々にはとても感謝しています。私としては絶対にうまくなる、そして速くなるぞという気持ちで走りますので、よろしくお願いします」と語った。
また、清水選手は「私はクルマが好きで、いま乗っているのがトヨタの86です。新型じゃなくて1つ前のモデルですが、5年ほど前に自分で購入しました。そして2年くらい前からサーキット走行会に行き始めて、そこでモータースポーツに興味を持ち始め、アマチュアの草レースや耐久レースに出ていました。そんな活動をしながらも公式のレースにも出たいという気持ちは常にありましたが、テクニックなどいろいろな面に自信がなく足踏みをしていたんですけれども、そこにハイスピード エトワール レーシングのオーディションという機会をいただいて今日を迎えることができました。環境とバックアップが整ったとてもすごいチームなので、レースの中でアニメのタイトルにもあるエトワールになれるよう頑張っていきたいと思います」とコメントした。
最後に川合監督に2人のドライバーの現時点での実力を聞いてみたところ、「正直なところまだまだだと思います。お世辞でも速いとは言えないですし、強いとも言えません。ただ、2人とも素質は持ってると思うので、そこを引き出してあげたいと思っています。練習もまだシミュレータが中心で実際にコースを走ったのは1回だけですので、これからは実車での走行時間を増やしていこうと思っています」と語った。