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マツダ、現行「ロードスターRF」「MAZDA2」などで型式指定申請における不正行為を確認

2024年6月3日 発表

過去生産車種3車種でも不正行為を確認

 マツダは6月3日、国土交通省から2024年1月26日に要請を受けた「型式指定申請における不正行為の有無等に係る実態調査」(国自審第2018号)に基づき、調査対象期間となる2014年1月~2024年1月の10年間におけるすべての型式指定申請2403試験を対象に調査を行なった結果、過去生産車3車種で「衝突試験における試験車両の不正加工」、現行生産車2車種で「出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換え」の、2つの試験項目、計5試験で不正があったことを確認したと発表。5月30日に同省に報告した。

 今回判明した不正の対象となるのは、生産実績として15万878台、販売実績として14万9313台。調査結果を踏まえ、現在生産を継続している対象車種の「ロードスターRF」「MAZDA2」は5月30日から出荷が一時停止されている。

 過去生産車3車種の衝突試験における試験車両の不正加工については、すでに生産を終了しているものの、社内で技術検証と再試験を行ない、前面衝突時の乗員保護性能について法規で定められた基準を満たす性能を有していることを確認。利用者においては、該当する車両に引き続き乗っても安全性の問題はないとのこと。今後、速やかに法規適合性の確認などの適切な対応を国土交通省と相談しながら進めていくとした。

 また、現行生産車2車種の出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換えについては安全性に関連するものではなく、当該車両を引き続き安全に乗れるとしている。今後、速やかに量産車と同じ状態で再試験を行ない、改めて型式指定について当局の審査を受ける準備を進めていくとした。

 不正の原因としては、「試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の整備不足」「認証法規に準拠した試験を実施するための手順の不備」「認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備不足」の3つを挙げ、再発防止策として「試験が認証法規に準拠した状態で実施されたかをチェックする仕組み、およびガバナンス体制の再整備」「認証法規に準拠した試験を適正に実施するための手順書の見直し・教育・実践の徹底」「認証法規に準拠した試験条件を安定的に満たす設備の整備強化」を行なっていくとした。

 マツダは「このたびの事案により、お客さまをはじめ、お取引先さま、販売会社などマツダに関係するすべてのステークホルダーの皆さまに多大なるご迷惑をおかけすることを、改めて深くお詫び申し上げます。マツダは、本事案を重要な問題と捉えており、このような事案が今後発生することのないよう経営の責任において再発防止に努めてまいります」とコメントしている。

過去生産車3車種について、衝突試験における試験車両の不正加工

 過去生産車の3車種では、前面衝突時の乗員保護に対する認証試験において、エアバッグを車載センサーの衝突検知による自然起爆ではなく、外部装置を用いて時間指定で起爆させた試験実績があったとした。

対象車種

・アテンザ(商品改良モデル)
仕向地:日本
生産時期:2014年11月~2018年4月
生産実績:2万9547台
販売時期:2015年1月~2018年5月ごろ
販売実績:2万9505台

・アクセラ(商品改良モデル)
仕向地:日本
生産時期:2016年8月~2019年2月
生産実績:4万6067台
販売時期:2016年9月~2019年3月ごろ
販売実績:4万6046台

・アテンザ/MAZDA6(商品改良モデル)
仕向地:日本
生産時期:2018年4月~2024年4月
生産実績:2万2094台
販売時期:2018年6月~
販売実績:2万1641台

現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書き換え

 現行生産車の2車種では、ガソリンエンジンの原動機車載出力に対する認証試験において、量産車両と同一状態のエンジン制御ソフトにより出力試験を行なうべきところ、点火時期補正機能の一部を停止させた制御ソフトによる試験実績があったとした。

対象車種

・ロードスターRF(商品改良モデル)
仕向地:日本
生産時期:2018年6月~
生産実績:1万930台
販売時期:2018年7月~
販売実績:1万760台

・MAZDA2(1.5リッターガソリンエンジン搭載 商品改良モデル)
仕向地:日本
生産時期:2021年6月~
生産実績:4万2240台
販売時期:2021年6月~
販売実績:4万1361台