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スバル、水平対向とシンメトリカルAWDの未来を開発する「ハイパフォエックス」がスーパー耐久を走行

スバルがスーパー耐久第3戦オートポリスからST-Qクラスに投入するHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT。井口選手によると略称は「ハイパフォエックス」

スバルのハイパフォエックス

 7月27日~28日の2日間にわたってスーパー耐久第3戦がオートポリス(大分県日田市)で開催される。前日となる26日は参戦予定の各チームによる練習走行が行なわれた。今回は5時間の耐久レースとなり、各メーカーがさまざまなテスト車両をエントリーできるST-Qクラスも用意される。

 その中でも注目の1台となるのが、スバルがBRZに代わって参戦を開始する「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT(ハイ パフォーマンス エックス フューチャー コンセプト)」。現状のスバルが持つスポーツ要素を集めた車両で、2.4リッター 水平対向4気筒 DOHC 16バルブ AVCS シングルスクロールターボ「FA24型」エンジンを搭載し、大トルクに対応する高容量6速MTとDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式AWD改に組み合わせる。

外観はWRXだが、2.4ターボ+6速MTという構成でWRXの後継モデルという位置づではない。スバルの持つ動的パッケージやプラットフォームそのものの未来を開発していく

 外観はWRXを現時点では流用しており、MBD(モデルベース開発)をフルに活用することで、さまざまな開発を行なっていく。

 これまでのBRZでは、2.4リッター自然吸気エンジンでカーボンニュートラル燃料と水平対向4気筒の可能性を確認してきたが、より高出力・高トルクなターボエンジン(最高出力:300PS以上、最大トルク:400Nm以上)と、スバルならではの4WD機構「シンメトリカルAWD」の将来的な可能性を探っていく。燃料はもちろんカーボンニュートラル燃料で、過給をかけた状態による耐久レースを行なうことで問題点を洗い出していく。

リアまわり
リアウィング
フロントタイヤまわりやリアタイヤまわりの造形は3Dプリンタで開発。高速な開発体制を狙っている

 これまでの知見で、カーボンニュートラル燃料は浸食性が高く、高過給域でのオイル希釈が大きく出る傾向にあるため、高出力過給エンジンでの挑戦を開始する。

 ちなみに、スーパー耐久にHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTで参戦する 井口卓人選手や山内英輝選手は、「名称が長いので我々はハイパフォエックスと呼んでおります」とXに投稿しており、今後はハイパフォエックスという呼び名が一般的になると思われるし、本稿でもその略称を使用した。

 スバルではMBDによる高速な開発をレースを通じて行なっていくとしており、どれだけハイパフォエックスが進化し、それが市販車にどのようにフィードバックされるのかが楽しみだ。