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川崎重工業、舶用エンジンで燃費データ改ざんの不正事案 国交省は全容解明と再発防止策策定などを指示

2024年8月21日 発表

 国土交通省は8月21日、川崎重工業より同社が製造する舶用エンジンの燃料消費率の測定において、データが改ざんされるという不適切行為があったとの報告を受けたと発表。国交省は、川崎重工業に対して事実関係の詳細な調査および再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示した。

 国交省では舶用エンジンに関して、4月にIHI原動機と親会社のIHIより、IHI原動機が製造する舶用エンジン等について、試運転時に行なう燃料消費率の測定においてデータが改ざんされるという不適切行為があったと報告を受け、他の舶用エンジンメーカーに対して環境・安全に関する規則遵守の徹底と適切な業務運営に関する注意喚起を行なっていた。

 今回、川崎重工業からの報告概要は以下の通り。


・舶用エンジンの組立完了後に行なう陸上試運転において、実際の燃料消費率とは異なる数値を工場試験成績書に記載していた。

・NOx放出量基準対象(2000年1月1日以降に起工した船舶に搭載)の舶用エンジン674台(うち国内向け28台)中、673台(うち国内向け27台)において燃料消費率のデータ改ざんが行なわれていた。

・NOx放出量基準等への適合性については確認中。

・引き続き本件に係る調査を行ない、国土交通省へ報告を行なう。


 川崎重工業の報告を踏まえ、国交省の対応としては、「本件について引き続き調査し、全容の解明と再発防止策を策定すること。判明・措置した事項については9月末を目途に報告すること」「海外を含めた関係事業者への丁寧な説明や対応に努めること」「不適切行為のあったエンジンを搭載している船舶について、他の関係規則への適合に影響する可能性があるかどうかを確認すること」の指示を行なうとともに、今後国交省が行なう調査も踏まえNOx放出量基準への遵守が確認されるまでの間、関連証書の交付は行なわない旨を伝達。

 今後、川崎重工業からの報告を踏まえ、事実確認を行なった上で厳正に対応するとしている。

 国交省では「このような舶用エンジンに関する不適切行為が相次ぐ事態は、ユーザーからの信頼を損なう行為であり、また、船舶の環境・安全性能の確保の観点からも極めて遺憾です。引き続き、船舶の環境・安全性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処してまいります」とコメントしている。