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愛知県蒲郡市で「パワステがまごおり」開催、鈴木寿明市長と勝田照夫会長は「日本のモンテカルロを目指すイベントに」と

愛知県蒲郡市のラグーナビーチをメイン会場に開催された「パワステがまごおり」

全日本ラリー選手権 Rally 三河湾 2025のプレイベント「パワステがまごおり」

 愛知県蒲郡市のラグーナビーチをメイン会場に「パワステがまごおり」が9月22日開催された。パワステがまごおりは、「JAF 全日本ラリー選手権 Rally 三河湾 2025」のプレイベントとして位置付けられ、ラリーカーによるデモラン走行、スカベンジャーラリー、オートテストなどが実施された。

 開会式であいさつに立った蒲郡市長 鈴木寿明氏は、「このイベントはみんなで作るイベントでございます」と、参加者によって支えられているイベントであることを伝えるとともに、「三河湾全日本ラリー選手権のプレイベントとして来年3月を目指しております。この位置づけがありますので、この蒲郡、日本のモンテカルロを目指すイベントとしてしっかり盛り上げていきたいと思います」と語った。

蒲郡市長 鈴木寿明氏

 ラリーの開催には、地元自治体の協力、警察など公的機関の協力、そしてなにより住民の理解が欠かせないが、プレイベントを行なっていくことで大規模ラリーの開催へ向けての盛り上げや問題点の洗い出しなどを行なっている。

 日本のモンテカルロとは、蒲郡市はモンテカルロラリーが開催されるモナコと同様に美しい三河湾が広がるほか、リゾートホテルやマリーナを持ち、北側には蒲郡オレンジパークなどみかんの産地として知られる丘陵地が広がる。そうしたことから、国際的な観光イベントとしてのラリーの定着を目指している。

警察車両や消防車両など働くクルマを展示

 その思いはパワステがまごおり実行委員会 会長の勝田照夫氏も同様で、行政と一緒に地域の交通安全の意識を高めていく必要があると語る。勝田会長によると、交通安全の意識を高めるために併催されているのがオートテストであるとし、簡易なジムカーナ競技であるオートテストを「JAFや警察と一緒になってイベントを実施することが大切」といい、モータースポーツの理解を深めていく。

行政と一緒になってイベントを行なうことが大切と語る、パワステがまごおり実行委員会 会長 勝田照夫氏

 ただ、実際のイベントはモータースポーツビギナーが参加しやすいもので、各地のチェックポイントを巡るスカベンジャーラリーには多くのクルマが参加し、ラリーのベースとなったラグーナビーチエリアには働くクルマなどの展示車があり、家族連れも楽しんでいた。

 パワステがまごおりでは、ラリー車のデモランも実施。アイシンが全日本ラリーで開発中のCVTラリー車、GRカローラのラリー車のほか、WRC仕様のGRヤリス ラリー1も用意された。ドライバーは、全日本ラリーを9度制した勝田範彦選手など全日本クラスの選手が参加。WRC仕様のGRヤリス ラリー1は、この蒲郡に研修所「KIZUNA」を持つトヨタ自動車 会長でありモリゾウ選手としても知られる豊田章男氏がステアリングを握った。

デモランを行なったアイシンのCVT開発車
ラリー仕様のGRカローラ
勝田範彦選手の手による豪快なデモラン

 このデモランでは同乗走行も行なわれたが、豊田章男会長は愛知県副知事で東三河地域を担当する江口幸雄氏と同乗走行。同乗走行前のお互いのあいさつでは、「私はF1がとても好きなのです」(江口副知事)、「ぼくはF1をやめた男だよ」(豊田会長)、「今後はラリーを好きに……」(勝田範彦選手)という謎なやり取りを聞くことができた。

モリゾウ選手も13時のデモランに登場。アイシンのCVT開発車両について意見交換
左からモリゾウ選手、江口副知事、鈴木市長、勝田会長。話題はF1からラリーへ
モリゾウ選手は江口副知事を同乗してデモラン
デモランドライバーによるミニトークショー

 豊田会長は三河湾ラリー開催の際にもあいさつに立っており、この地域の盛り上げのために参加したようだ。

 パワステがまごおりはコンパクトなモータースポーツイベントだったが、勝田照夫会長によると、「このようなイベントを継続的に行なうことが大切」とのこと。オートテストなどは、年に数回開催していきたいと語ってくれた。