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D-SPORT、「ミライース」で全日本ラリー選手権に挑戦中 “もっといいクルマづくり”をモータースポーツの場で実践
2024年3月3日 09:27
- 3月1日~3月3日 開催
D-SPORT Racing Teamは、モータースポーツを基点とした“もっといいクルマづくり”および、モータースポーツの裾野を広げる活動を通じたファンづくりの一環として、3月1日~3月3日にかけ、愛知県蒲郡市などで開催されている全日本ラリー選手権第1戦「ラリー三河湾2024」に参戦している。
参戦車両はこれまでのダイハツ「コペン」ではなく、2023年に軽自動車の耐久レース「K4GP」に参戦した「ミライース」で、モータースポーツシーンで楽しく走れるようにと、エンジンはコペンのターボ仕様に換装。合わせてトランスミッションもコペンの5速MTに乗せ換えてある。そのほかにも、ロールバー、サスペンション、ブレーキ、ホイール、タイヤをスポーツ用に交換したライトチューン仕様。
今回コペンではなくミライースで全日本ラリー選手に参戦した理由についてドライバーの相原選手は、「そもそもこの車両を製作したきっかけは、エコカーであるミライースを、クルマ好きがワクワクドキドキするような愛車に仕上げるにはどうすればいいかな? というのが起点で、クルマ好きのみんなでアイデアを出し合いながら作っている最中です。ミライースは車重がロールケージを入れても710kgなんです。もしロールケージがなければ600kg台です。それでターボエンジンをブーストアップすれば80PSぐらい出ますので、これで充分モータースポーツを楽しめるという提案ができるかなと思っています」とマシン製作の狙いを教えてくれた。
続けて相原選手は、「昨年参戦した夏の耐久レースで、放熱性の低くさが浮き彫りになり、対策が必要だと分かりました。そこで全日本ラリー選手権参戦に向け、ボンネットに吸気ダクトを1つ、排熱ダクトを2つを追加。さらにAピラーの付け根にも穴を開け、ワンオフで放熱用のフィンダクトを設けました。これはメカニックのアイデアなんです。こういったクルマ作りは部署が分かれているとなかなか進みが遅くなりがちですが、今は会社の考え方も、DGR(DAIHATSU GAZOO Racing)のみんなのマインドも変わってきていて、ワンチームで『こんなのあったらいいよね』って意見を出しあいながら作っています」と言う。
また、ブレーキは昨年ラリーに参戦していたコペンからの流用とのことで、「パーツを流用できる車種は、いろいろな意味でコスパもいいですし、アフターとして発売してもいいですし、マネしやすいチューニングです。もしかしたらユーザーさんから『こういうクルマが欲しい』という声がたくさん集まればメーカーも動くかもしれませんし、中古車をカスタマイズできるようにD-SPORTブランドでキットとして発売する方法もあるかもしれません。現状はまだ何も決まっていませんけど。4人乗れてお父さんのお小遣いで全日本ラリーに参加できちゃうなんて夢がありますよね!」と、さまざまな可能性を模索しながらクルマ作りを実践していると相原選手は語る。
ラリー用にバージョンアップしてまだ1戦目なのと、寒い時期のため熱対策が万全かは今後も経過を見守るとのことだが、フロントまわりの剛性不足があるとのことで、今後はタワーバーやAピラーの付け根とフロントをつなぐブレースバーなどの装着を検討するという。今後の進化にも注目だ。
なお、ラリー三河湾は3月3日まで、SS9やSS12などはYouTubeライブ配信も行なわれているので、ぜひチェックしていただきたい。