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自工会、二輪車委員会の設楽新委員長が2025年の抱負を「心」と表現
2025年1月30日 17:19
- 2025年1月30日 発表
日本自動車工業会は1月30日、自工会二輪車委員会による「第11回自工会二輪車委員会メディアミーティング」を開催。前任の日高祥博氏に代わり、新たに二輪車委員会委員長に就任したヤマハ発動機 代表取締役 副社長執行役員の設楽元文氏から年頭のあいさつとともに、新体制下における二輪車委員会の取り組みを説明、国内二輪市場における2025年の展望について話した。
2024年の振り返りでは、国内二輪の登録出荷実績は計36万7960台で前年比90.8%。2020年〜2024年の実績で比較すると、2020年の36万5924台、2021年の41万5892台、2022年の40万5201台、2023年の40万5216台と、コロナ禍のバイクブームによる需要が一服した感じだ。
2024年実績の内訳を見ると、小型二輪(250cc超)が8万8001台(前年比96.6%)、軽二輪(125cc超~250cc以下)が5万7180台(前年比79.8%)、原付二種(51cc~125cc)が11万2653台(前年比75.3%)、原付一種(50cc以下)が11万126台(前年比118.6%)と、新基準が導入される前の原付一種に駆け込み需要があったものの、そのほかのカテゴリでは前年割れとなった。
自工会二輪車委員会の2025年度活動方針
ミーティングでは、自工会二輪車委員会の2025年度活動方針として、二輪車産業政策ロードマップ2030政策課題の達成に向けた取組みを継続するとともに、「二輪車の任意保険普及率」「新基準原付施行」「二輪駐車場整備」「二輪車の魅力訴求」を最重点課題として取り組んでいくことが報告された。
二輪車の任意保険普及率に関しては、2024年3月時点で、国内には約396万台のバイク(排気量125cc超)が保有されているがファミリー特約など自動車保険に附帯するバイクの任意保険を除くバイク単独での任意保険の加入率は低く約46.7%(対人補償)という統計がある。
「中高年の方で複数台持ってる方は、全てのバイクに任意保険はかけてられないということであるとか、あるいは特に東北、北海道で年間のうち半分はオートバイに乗れない、そんな状況で2輪に保険はかけてられない」というような声があり、自工会としては、二輪向け保険商品の開発について損保業界との意見交換を続けていく考え。
また、新基準原付施行に関しては、普通自動車付帯免許や原付免許で原付二種の車両に乗れるという誤解が生まれていると、あくまでも原付免許で運転できるのは、最高出力が4.0kW以下へ制御された新基準原付の総排気量125cc以下の二輪車であること。新基準原付は、総排気量50cc以下の現行原付と同じルールが適用されることの周知を徹底していく考えが示された。
そして、2025年もファンづくりへの取り組みとして、8月19日に東京秋葉原で開催する「バイクの日」、9月19日〜20日には埼玉県小鹿野町で「BIKE LIVE FORUM」を開催することを明らかにした。
成熟したバイク文化が定着する日本に
新たに二輪車委員会委員長に就任した設楽氏からは、国内二輪市場に対して「中高年ライダーのマナー」「シニア層の事故増加」といった課題を指摘。そして、2025年に向けた抱負を漢字一文字で「心」と書いて披露、ライダーの「心」に触れる活動に取り組んでいく決意を示した。
設楽氏は「今活躍されておられている熟年層、中高年ライダーが、やはりマナーも含めて模範となるような乗り方をしてですね、年を取ってバイクに乗ってかっこいいなって言われるようなものにしていきたいと心の底から思っていることです」と述べるとともに、「安全とかの取り組み、プロテクターも含めていろんな取り組みが必要かなと思いますが、やはり1つはマインドを含めた成熟したバイク文化を日本の中でしっかり根付かして、10年先、20年先、30年先に、バイク文化が日本の中で定着して、あこがれられる国になりたい」との思いを述べた。
そして、2025年に向けた抱負を「心」と書いたことに、設楽氏は「勝負の世界で1番重要なものっていうのは“心”、マインドであり、テクニカルであり、フィジカルであり、いろいろなものを動かすときに、今非常に重要になっているものが、やはり“心”、琴線に触れられるかどうか? ということだと思います。世界で殺伐としたような情報が流れている中でも、2輪というものは心を豊かにする1つの道具として、今はポジショニングされていて、活躍する場面というのがこれからもあると思います。なので、心に触れるような活動を1年を通じて自工会を始め、進めていきたいなと思った次第でございます」との意気込みを話した。