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サントリー、ノンアル部新設 ウイスキー原酒使用のノンアルハイボールなど「アルコール0.00%のお酒」商品群を大幅拡充

2025年2月5日 発表

サントリー株式会社 代表取締役社長 鳥井信宏氏(右)と、ビール・RTD本部 ノンアル部長 福本匡志氏(左)

サントリー、ノンアル部新設。ノンアルコール市場の拡大へ

 サントリーは2月5日、「のんある酒場 レモンサワー ノンアルコール」「のんある酒場 ハイボール ノンアルコール」を2月下旬より順次、「オールフリー クリア〈レモン&ライム〉」「オールフリー 〈ビターオレンジ〉」などを4月上旬より順次発売していくことを発表した。サントリーはこれら数多くのノンアルコール商品を“アルコール0.00%のお酒”と位置付け、「攻めのノンアルしちゃおっか。」というタグラインとともに訴求していく。

 これらの新製品群の発表とともに、サントリー 代表取締役社長 鳥井信宏氏、同 ビール・RTD本部 ノンアル部長 福本匡志氏が出席する「ノンアルコール飲料戦略説明会」を行なった。

 鳥井社長は、サントリーグループの企業パーパスについて「人と自然と響き合い、豊かな生活文化を創造し、人間の命の輝きを目指すこと」と語り、その中心的会社であるサントリーについては「国内酒類を担いますサントリー株式会社は、お酒の価値を大切に伝え届け、人々の生活に潤いを与えるということを使命としております」という。

 その中で、ノンアルコール商品は「単なるお酒の代替品ではありません」と語り、「アルコール0.00%のお酒」と訴求していくという。

 そのための取り組みとして、2025年1月に「ビール本部」「ワイン本部」「スピリッツ本部」にそれぞれ存在していたノンアル担当をまとめて「ノンアル部」を新設。マーケティング活動も力を入れていく。

ノンアルコール飲料市場の推移

 ノンアル部長に就任したのが福本匡志氏で、福本部長は今後ノンアルコール市場が伸びていくと予測し、2024年には全体で1055億円だった市場が、2030年には1400億円規模に成長するという。ちなみにこの数字は、酒類が3.2兆円、飲料が5.3兆円という市場規模のため、2024年の1055億円は約1%にあたるとのこと。

ノンアルコール市場のポテンシャル

 市場全体を成長させていく取り組みを行なうことで2030年には1400億円規模の市場を作り上げ、その中の半分、700億円をサントリーが占めたいと語る。

中期販売計画

 取り組みとしては、今回発表された新たな商品群に加え、ノンアルワインや、ノンアルハイボールについては、ワインを脱アルコールしたワインエキスやウイスキー原酒由来であることをコミュニケーション。本格感のあるノンアルコール飲料であることを伝えていく。

ノンアルコール商品の新製品群
ノンアルレモンサワーとノンアルハイボール

 2025年秋には飲食店向けに新商品を投入。現在、ノンアルコールビールである「オールフリー」では家庭用が7、業務用が1という比率だが、業務用の比率も上げていきたいという。

 ノンアルコールの商品に加え、ノンアルコールの飲まれる場所も増やしていくことを行なっていき、市場規模を拡大していく。

 福本部長は「将来的にはアルコール飲料の10%にあたる8000億円規模まで成長させたい」とノンアルコール市場のやや遠目の将来像(2050年ごろ)も描き、清涼飲料やアルコール飲料と異なり、「ノンアル飲料は独自の価値を持っていると考えている」と語る。

 プレゼンテーションの最後には、「ノンアルコール飲料ならではのアルコール0.00%のお酒という価値をもっとたくさんの人に知っていただいて、実際に飲んでいただいて、それが酒類文化を未来に伝承する点においても非常に重要であり、何よりお客さまおひとりおひとりの生活をより豊かに、華やかにすることにもつながっていくと確信をしております。私たちはその使命を担っていることを肝に銘じて、市場の創造、発展に責任を持って挑戦をしてまいりたいと考えております。カテゴリイメージを前向きに変えていくというこの挑戦については、非常に難しい挑戦ではあると思います。しっかりと先頭に立って、このチャレンジ、粘り強く、このチャレンジを続けてまいりたいと考えております」語り、ノンアル市場拡大に対する強い思いを伝えた。

戦略説明会ではノンアルコール飲料の試飲も用意された。壇上の鳥井社長、福本部長もノンアルコール飲料を飲みながらプレゼンテーションを行なった