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ダイハツ、「異業種ラウンドマッチング輸送」スタート 紙を運んできた鉄道コンテナに自動車を積んで輸送してCO2を削減
2025年3月14日 07:02
- 2025年3月13日 発表
北越コーポレーション、ダイハツ工業、日本通運、JR貨物(日本貨物鉄道)の4社は3月13日、北越コーポレーションが運用する20ftコンテナ(長さ約6m)を活用し、環境負荷低減と安定した輸送能力の確保を目的に鉄道による「異業種ラウンドマッチング輸送」を2025年2月から開始したと発表した。
ラウンドマッチング輸送とは、貨物を目的地で下ろした後、空コンテナで回送することなく適合する貨物を積み、出発地まで戻ることにより、往路と復路のコンテナ積載率を高め、環境負荷低減とコストの低減を可能にする方式のこと。
そこで北越コーポレーションは2018年10月から、JR貨物と連携して新潟発関西向けの紙製品の輸送にて、20ftコンテナを使用した鉄道モーダルシフト(貨物輸送を鉄道や船舶などの輸送手段に転換する取り組み)を開始。2021年には国土交通省のエコレールマーク取り組み企業に認定され、CO2排出量の削減や持続可能な輸送体系の構築に継続的に取り組んいた。しかし、これは片道での輸送であり、復路の有効活用が課題となっていた。
一方ダイハツは、2018年2月から12ftコンテナ(長さ約3.6m)を使用して、九州発北陸向けの軽自動車輸送を開始し、日本通運と連携して新潟、長野地区への輸送拡大を進めてきた。しかし、コンテナサイズの問題から鉄道利用では軽自動車輸送に限られていたことや長距離トラック輸送となる日本海側への輸送に課題を抱えていて、より持続可能な方法を構築すべく検討を進めていたという。
そこで今回、北越コーポレーションが課題としていた復路の空コンテナ輸送区間の京都貨物駅(京都府京都市)から焼島駅(新潟県新潟市)にて、ダイハツの小型自動車を積載する新たな輸送スキームを、日本通運とJR貨物の協力により構築し、2025年2月より北越コーポレーション、ダイハツによる異業種ラウンドマッチング輸送を開始。
北越コーポレーションは、新潟工場で生産した「上質紙 キンマリSW」「塗工紙 ミューコートネオス」などの紙製品を関西地区の顧客へ輸送し、ダイハツは北越コーポレーションが運用する20ftコンテナを活用し、京都(大山崎)工場および、滋賀(竜王)工場で生産した「トール」「ロッキー」などの小型自動車を新潟地区の販売会社へ輸送する。
異業種である2社が物流面で連携を図ることにより、将来に続く持続可能な輸送モードの確保ならびに物流効率化にも貢献できるとしている。今後も4社は、各社が有する物流資源の有効活用や効率的な仕組みの構築に取り組み、、物流面での脱炭素化や持続可能な社会の実現を目指すとしている。