パイオニア、中期経営計画の発表会 三菱電機とカーナビを共同開発、2011年3月期には黒字転換 |
パイオニアは4月28日、中期経営計画発表会を行った。同社取締役社長の小谷進氏が壇上に上がり、現在進めている構造改革と中期事業計画について説明を行った。発表の詳細については関連記事に掲載している。
まず、現在進行中の構造改革については、黒字化の見込めないディスプレイ事業から完全撤退し、光ディスク事業は、シャープと合弁会社を設立することで、黒字化を目指す。さらに、カーエレクトロニクス事業に経営資源を振り向け、市販・OEM両方での事業拡大を図ると述べた。
また、カーエレクトロニクスの営業部門と販売子会社5社を統合するなど、グループ全体で体制を見直す。財務体質の改善として、本田技研工業に25億円の第三者割当新株式を発行すると発表した。
構造改革施策 概要 | 事業ポートフォリオの再編成 | グループ全体の事業体制のスリム化 |
財務体質の改善 | 費用および効果 |
中期事業計画に関しては、ディスプレイ事業の撤退などを行うとしながらも、カーエレクトロニクス事業においては、三菱電機とカーナビやカーAVのハードウェアおよびソフトウェアを共同開発することでコストの削減を図るほか、中国・上海汽車工業(集団)総公司とカーナビやカーAVの開発・販売などを行う合弁企業を設立することで、今後市場の拡大が見込まれる中国などを中心として、海外向けの普及価格帯のカーナビやカーAVの事業拡大を図るとした。
そのほかにも、現在のOEM主力取引先であるトヨタ自動車や本田技研工業とのさらなる関係強化を図ることや、省電力で軽量な環境に優しい商品の開発、Blu-ray Discといった新メディアへの対応など、新価値の提案を行うことで、新たな成長の足がかりとすると言う。
これらカーエレクトロニクス事業の拡大に加え、ホームAVやDJ機器、CATV用セットトップボックスなどの事業を強化することで、2011年の3月期には黒字に転換するとしている。
(編集部:瀬戸 学)
2009年 4月 28日