スバル、ニューヨークショーで新型「アウトバック」（米国仕様）をワールドプレミア

　スバル（富士重工業）は、米国で開催されている2014年ニューヨーク国際自動車ショーにおいて、5代目となる新型「アウトバック」（米国仕様）をワールドプレミアした。

　アウトバックは乗用車の快適性、SUVの走破性、ステーションワゴンの積載性を併せ持つ、同社独自のクロスオーバー車。新型アウトバックではそれぞれの性能をブラッシュアップしつつ、デザイン面でも高い質感を追求するなど、同社のクロスオーバー車として最上級モデルに相応しい進化を遂げたという。

　エクステリアにおけるデザインテーマは「“アウトバック”を極める」とし、乗用車とSUVの長所を併せ持った特徴的なシルエットと豊かなロードクリアランス、タフ＆ラギットなスタイリングといった、アウトバック特有のスタイルをより強く表現することを目指した。フロントバンパーやボディー下部のプロテクションパネル、ルーフレールなどのデザインが変更を受けていることに加え、車両後方の空気の流れを改善したことで、先代アウトバックから空力を10.6％改善することに成功している。

　インテリアのデザインテーマは「コンフォート＆スポーティ」。運転席まわりでは、立体感のある筒型2眼メーターと多機能スイッチを備えた3本スポークステアリングなどとともに、メーター中央のディスプレイに大型のカラー液晶パネルを採用。インテリア各部の素材や触感にもこだわり、ソフトパッド化されたダッシュボードやクッション厚を増したアームレストなども採用している。

　また、ドア構造の合理化やドアサッシュの薄肉化、ルーフ部車体骨格の見直しなどが図られ、車両の取り回し性に影響しないレベルで室内空間を拡大。とくに乗員の肩、肘、腰まわりの空間、後席足下スペースなどの拡大によって快適な車内空間を実現したという。そのほかリアゲートの電動化も行われた。

　シャシーまわりでは、ボディーやサスペンション取付け部の剛性アップが図られるとともに、アウトバック専用のアライメントを採用することで腰高感を抑えた。フロントストラット、リアショックアブソーバーの最適化と合わせ、ステアリングギヤ比を従来の16.5：1から14.0：1に高めたことなどにより、質感の高い走りと俊敏性の向上を両立させている。

　4WDシステムには滑りやすい路面などでエンジン、4輪の駆動力、ブレーキなどのを統合制御して悪路走破性を高める「X-MODE」とともに、アクティブトルクベクタリングを採用して旋回性能、操舵応答性を向上させた。

　新型アウトバックの展開グレードは、水平対向4気筒DOHC 2.5リッター「FB25」エンジンを搭載する「2.5i」、水平対向6気筒DOHC 3.6リッター「EZ」エンジンを搭載する「3.6R」の2モデル。

　2.5iのFB25エンジンでは、TGV（タンブルジェネレーションバルブ）のバルブ位置と吸気ポート形状をシンプル化したことで、出力と燃費性能の向上を実現。トランスミッションは、従来から採用するCVT（リニアトロニック）を使いつつ、新たにステップ変速制御や6速マニュアルモードのパドルシフトを採用した。

　また、3.6RのEZエンジンではより軽量になった次世代ECUを採用するとともに、組み合わせる高トルク対応CVT（リニアトロニック）は従来型に対してトルクコンバータ、オイルポンプ、前後進機構を新設計するとともに、こちらもステップ変速制御や6速マニュアルモードのパドルシフトを採用してドライバビリティなどが向上している。

　EyeSightについてはステレオカメラを一新し、視野角・視認距離を約40％拡大することでプリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールなどを進化させた新型へと変更になっている。

新型アウトバック（米国仕様）主要諸元