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東京E-Prix開幕!! DSペンスキーフォーミュラEチームドライバーのギュンター選手とベルニュ選手にインタビュー
2025年5月17日 08:00
- 2025年5月16日 実施
5月17日~18日にABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン11 第8戦・第9戦となる日本ラウンド「東京E-Prix」が東京・有明地区で開催される。
2024年に日本で初開催となったフォーミュラEだが、2025年は週末2日間それぞれで決勝レースが行なわれるダブルヘッダーのラウンドとなった。
2024年の東京E-Prixは、MASERATI MSG RACINGのマクシミリアン・ギュンター選手が勝利を収めた。2025年、ギュンター選手はDSペンスキーに移籍。東京E-Prixの連覇を狙っている。
今回、フリープラクティスが行なわれた5月16日に、DSペンスキーのギュンター選手に加え、フォーミュラEで唯一2度のチャンピオンを獲得したジャン-エリック・ベルニュ選手の2人にインタビューする機会を得た。東京E-Prixについて、フォーミュラEについてなどを聞いてきたのでお伝えする。
“最もモダンなモータースポーツのカテゴリー”のレースが東京で開幕
──東京E-Prixへの意気込みをお聞かせください。
マクシミリアン・ギュンター選手:東京のコースが大好きです。私にとってとても特別ですし、ここで走るのは好きですね。東京自体、素晴らしい街です。コースは非常にテクニカルでスピーディーですが、クルマに対して自信がありますので、ベストを尽くしたいと思います。
今は競争が激しい状況なので、できるだけベストの準備をしてから臨まないと勝てません。最初からレースをリードして、そのまま勝ち逃げ……というのがベストなイメージです。
という冗談は置いておいて(笑)。エネルギーマネジメントがとても重要になってきます。ですから、あえて2位や3位からスタートして、エネルギーを蓄えておくというのもいい手段かもしれません。そして、最後のオーバーテイクで勝つというのもいいかと思います。ただ、雨ですとエネルギーセーブはドライコンディションと比べてそれほど重要ではありません。なので、できるだけトップに近い位置からスタートできる、一番先頭からスタートして、そのままゴールするのがいいですね(笑)。
──東京E-Prixは雨の予報となっていますが、雨のレースは得意ですか?
ジャン-エリック・ベルニュ選手:雨は得意なので、雨自体は大丈夫です。ただ、ドライバーとしては非常にやりづらく、トリッキーなレースになると思います。グリップが非常に低くなるので、ミスが許されないというコンディションになりますね。非常にチャレンジになると思います。
──2025年から東京E-Prixはダブルヘッダーになりましたが、ダブルヘッダーは好きですか?
ベルニュ選手:個人的には、週末1戦だけという方が好きです。1つの場所で1人のウィナーというのがシンプルで分かりやすいですし。
──2レースとも勝てばウィナーは1人ですね(笑)。
ベルニュ選手:そうですね(笑)。2レースとも自分が勝てたらいいなと思います。なので、狙うべきは2レースとも優勝です。
──フォーミュラEの魅力を教えてください。
ギュンター選手:フォーミュラEの素晴らしいところは、市街地レースなので世界の素晴らしい街の中を走れるということです。日本だと、東京が見られる、東京を経験できる。これは非常に光栄なことだと思っています。
また、シングルシーターの世界選手権はF1とフォーミュラEしかありません。フォーミュラEは新しい、最もモダンなモータースポーツのカテゴリーとなりますし、競争がとても激しい。そういうところも魅力ではないでしょうか。
雨予報の東京ダブルヘッダー。勝者は果たして……?
フォーミュラEは満充電からスタートして、レース中に50%ほどのエネルギーを回生しながら1レースを走りきることになる。また、コース上の“アクティベーションゾーン”という特定の場所を通ることで、モーターの出力を一時的に高められる「アタックモード」もあり、このアタックモードをどこで使用するか、という戦略も見どころとなっている。
そして、フォーミュラEのタイヤは、コンパウンドが1種類しかなく、ドライもウェットも分かれていない完全にワンメイクとなり、今回の東京E-Prixのようなダブルヘッダーのレースでは各マシン3セットしか使えないというレギュレーションがある。
さらに、今シーズンから「ピット・ブースト」が導入され、バッテリ残量40%~60%の間にピットインすることで、600kWの超高速充電を30秒間行なえる。これにより、10%となる3.85kWhが充電できる。
なお、DSはレースで用いた回生やモーター制御などのエネルギーマネジメントの技術を、DSオートモビルの市販車にフィードバックしている。DSにとって、フォーミュラEは競う場所でもあり、開発の場所にもなっているのだ。
果たして、DSペンスキーは雨予報となっている東京E-Prixをどのように走りきるのか。注目していきたい。