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ジャガー、デザインビジョンコンセプト「TYPE 00」アジア初公開 アーティストYOSHIROTTEN氏とのコラボ展示を実現

2025年5月16日 発表
新生ジャガーのデザインビジョンコンセプトモデル「TYPE 00」と、アーティストのYOSHIROTTEN氏(左)、英ジャガー マネージングディレクター ロードン・グローバー氏(右)

5月18日には無料一般公開を実施

  ジャガー(ジャガー・ランドローバー・ジャパン)は5月16日、2024年12月にマイアミ・アートウィークにて世界初公開した新生ジャガーのデザインビジョンコンセプトモデル「TYPE 00」を、アーティスト兼アートディレクターのYOSHIROTTEN(ヨシロットン)氏による没入型ビジュアルインスタレーションとともに、アジア地域で初公開した。

 TYPE 00は、ジャガーの創業者であるウィリアム・ライオンズ卿の信念「Copy Nothing(なにもののコピーではない)」に回帰することで誕生した、今後のジャガーの展開を予告するモデル。予想外かつ独創的な発想と大胆不敵なクリエイティビティをベースとした姿で、これまでにパリの街中やモナコのオーシャンテラスに登場している。

新生ジャガーのデザインビジョンコンセプトモデル「TYPE 00」

 長いボンネットと流れるようなルーフライン、ファストバックのプロファイル、23インチの大径アルミホイールなど、バッテリEV(電気自動車)の常識を覆す独創的なデザインを採用したモデルで、ジャガーの躍動感あふれる新しいアイデンティティを表現。ジャガーの歴史にインスパイアされた変化を象徴するシンボルとして、ブランドの起源を示すマークである「leaper(リーパー:飛び掛かるような姿をしたジャガー)」をサイドに継承している。

ジャガーブランドの起源を示すマーク「leaper」も右側にうっすら確認できる
前後のバンパーやフロントウィンドウ前などにはボーダー柄の「ストライクスルー」を採用している
ジャガーはコロナ禍に社内でルネサンスデザインコンペティションを開催し、3つのデザインチームを立ち上げて、未来に向けたジャガーのポートフォリオを新たに定義することに挑んだという

 ジャガーは、モダンラグジュアリーなピュアEVブランドへと生まれ変わることを宣言していて、TYPE 00は他に類を見ないユニークな個性を持ちつつ、ジャガーのクリエイティブな哲学「Exuberant Modernism(活気あふれるモダニズム)」を体現したEVの常識を覆す独創的なデザインを採用した。

23インチのタイヤは特注品で、サイドウォールには「P ZERO」とだけ刻印されている
今回の展示車両はドアの開閉が禁止となっていたが、窓越しに中を見てみたら内装もしっかり完成しているようだった

 一般公開前のプレスカンファレンスでは、ジャガー・ランドローバー・ジャパン代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏が登壇し、日本の最近の業績や動向と合わせて、ランドローバーの「レンジローバー」「ディフェンダー」「ディスカバリー」といったモデルの遍歴を紹介。ジャガーは特に長い歴史を持つブランドで、今後はピュアEVブランドへと変革すると説明。また「TYPE 00をお披露目でき、とても興奮している」と語った。

 また、英ジャガー・ランドローバー(JLR)最高経営責任者(CEO) エイドリアン・マーデル氏は、「63歳にして初めて日本を訪れた」と明かしつつ、「東京の道路はとても清潔に保たれていて驚いた。また人々はみんな細かいところまで気を使っているのが素晴らしい」と語った。またJLRについては、「2019年に構造改革を行ない、販売台数が半分になっても利益が確保できるようにしている」と説明。また、「コロナ、半導体不足、紛争などまだ課題はあるが、昨年は過去10年間で1番成功した年となった」と言及した。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏
英ジャガー・ランドローバー(JLR)最高経営責任者(CEO) エイドリアン・マーデル氏

 続いて、ジャガーマネージングディレクターであるロードン・グローバー氏は、「現在のEVは航続距離を伸ばすために空力を追求したデザインや、小径ホイールといった共通点が多々あるが、ジャガーは一般的なデザイン手法に従うことなく、ルールを根底から覆し、並外れたプロポーション、大径ホイールのTYPE 00を創造しました。道路を走っている他のクルマと比べて似た要素がないのが、ジャガーのあるべき姿です」と説明。

 ジャガーブランドワールドのチーフデザイナーであるミッチェル・クロフォード氏は、ジャガーブランド再構築のために発表した4つの変化、「Device Mark(デバイスマーク)」「Strikethrough(ストライクスルー)」「Exuberant Colours(活気あふれる豊かな色彩)」「Makers Marks(メーカーズマーク)」を紹介した。

ジャガーマネージングディレクター ロードン・グローバー氏
ジャガーブランドワールド担当 チーフデザイナー ミッチェル・クロフォード氏

 最後に、今回の展示についてTYPE 00と融合させたインスタレーションを手掛けた、国内外で活躍するアーティスト兼アートディレクターのYOSHIROTTEN氏も、MCを務めるハリー・杉山氏と一緒に登壇。

 YOSHIROTTEN氏は、5月上旬にスタートしたジャガーのポッドキャスト「Jaguar Presents - A Copy of Nothing」の第1回のゲストとしても招かれていて、今回のプロジェクトについて、「半年ほど前から参画したのですが、あっという間でした。今日お披露目できてよかったです」と半年の活動を振り返った。また、2024年12月のマイアミで2台のTYPE 00を初めて見たときのことを、「外観のインパクト、内装のデザイン、新たなロゴ、色、造形など、すべてが新鮮さと変革への強い意志を感じました」とコメント。

 今回の没入型ビジュアルインスタレーションの作成については、「TYPE 00自体が彫刻作品のようなアートピースのようにも見え、そこから自分が何をできるか、作ってみたい空間をイメージしました。ストライクスルーというボーダー柄のパーツがあるのですが、そこに東京の景色が映り込んでいったらってイメージしました」とインスピレーションを語ってくれた。

トークショーのMCを務めたハリー杉山氏
YOSHIROTTEN氏は、ファインアートと商業美術、デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、複数の領域を往来するアーティスト。欧米ラグジュアリーブランドやミュージシャン、アンダーグラウンドクラブから現代美術フェアまで幅広いクライアントを持つアートディレクター兼グラフィックデザイナー。代表を務めるクリエイティブ・スタジオ「YAR」では、広告・ロゴタイプ・内装/外装デザイン、映像など商業において視覚芸術が関わるほぼすべての領域を手掛けている

YOSHIROTTEN氏が手掛けた没入型ビジュアルインスタレーションが体験可能

 なお、ジャガーは5月18日にTYPE 00の一般公開イベント「TOKYO FUTURE 00 Tokyo Launch」を開催。今回YOSHIROTTEN氏が、TYPE 00の車体と周囲に色鮮やかなプロジェクションを映し出すことで、ブランドの新しいアイデンティティをコンセプチュアルに表現した空間を無料で体感できる。

【ジャガー】DESIGN VISION CONCEPT「TYPE 00」(1分57秒)

「TOKYO FUTURE 00 Tokyo Launch」一般公開 開催概要

・開催日時:2025年5月18日13時~16時(最終受付15時30分)
・会場:寺田倉庫G3ビル6階
・住所:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
・入場料:無料(※事前の申し込みも不要)