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国交省とNEXCO中日本、東名高速と湘南バイパスを接続する圏央道 寒川北IC~海老名JCT間の開通式典開催
神奈川県内の縦軸である「さがみ縦貫道路」が全通。来年度には東北道などと接続へ
(2015/3/9 08:55)
- 2015年3月8日21時開通
国土交通省 関東地方整備局および中日本高速道路(NEXCO中日本)は3月8日14時、同日21時の圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の寒川北IC(インターチェンジ)~海老名JCT(ジャンクション)間の開通に先立ち記念式典を実施した。
主催者を代表して壇上に立った国土交通大臣 政務官 鈴木馨祐氏は「国土交通省では首都圏の慢性的な渋滞を解消し、効率的な物流ネットワークの強化を図るため、首都圏3環状道路の整備を進めており、昨日の中央環状品川線の開通によりひとつ目のリングが完成したところです。圏央道はこれまでに約7割が開通し東名から中央道、関越道まで繋がっており、本日の開通によりまして神奈川県内の縦軸であるさがみ縦貫道路が完成いたします。さらに来年度末までには東北道、常磐道、そして成田空港へと接続し環状道路として概成する予定であります。圏央道の沿線地域では広域的な人やモノの交流が活発となり企業立地や観光交流の促進など民需の拡大、地域経済の好循環が期待されているところでもあります。すでに開通済みの区間で数多くの企業や物量施設が進出しておりまして、特に神奈川県内では“さがみロボット産業特区”の誕生により、ロボット関連企業の集積が進んでいます。このように圏央道は地域経済や首都圏の国際競争力を支えるネットワークとして重要な役割を担っておりまして、日本を再び活力に満ちあふれた国へと導くカギと考えております」と挨拶した。
次いで横浜国道事務所 杉崎光義氏が事業を説明。「神奈川県内の圏央道はさがみ縦貫道路、横浜湘南道路、横浜環状南線で構成されておりまして、神奈川県の縦軸を担うさがみ縦貫道路については本日全線開通を迎えることとなりました」と前置き。そして圏央道が開通することにより経済や暮らし、緊急輸送、観光や交流といった効果が見込めるとした。具体的な効果にも触れ、企業の誘致の面でも圏央道による輸送効率の良さがメリットととして認識されているほか、今後、神奈川県内の圏央道が開通することで京浜港や羽田空港へのアクセスも格段と強化されることで一層の誘致が見込めるとした。また、観光の面でも、北関東から鎌倉や江ノ島へは都心経由と比べ約80分の短縮になり、広域的な観光交流が生まれると今回の開通による事業効果を説明した。
神奈川県知事 黒岩祐治氏は「ついにこの日がやってきました」と前置き。「この道路が繋がったことによって神奈川県の周辺の海のない県、ここからどんどんどんどん湘南の海を目指してやって来てくださるだろうと考えて、“神奈川シープロジェクト”ということで、海の魅力をもっともっと高めていこう、ということも進めているところです」と挨拶した。
式典の最後に登壇した中日本道路 代表取締役社長 宮池克人氏は「今回の開通によりまして首都圏中央連絡自動車道の神奈川県区間を構成するさがみ縦貫道路が全線開通となりまして、神奈川県における南北方向の大動脈が完成することとなります。これによりまして神奈川から北関東間のアクセスが大幅に向上し、渋滞緩和や災害時の道路ネットワークの強化、そして広域的な人、モノの交流による地域経済の好循環が期待されます。また、皆様をはじめといたしましてお客様にとって高速道路がより身近なものとなるとともに、この地域の観光産業等の発展に貢献するなど、高速道路の整備によるさまざまな効果が期待されると思います。私どもNEXCO中日本といたしましては、お客様の安全を最優先といたしまして安心快適な高速道路空間を提供するため、本日開通区間の道路管理をしっかり行うことはもとより、信頼性の高いネットワークの構築を引き続き進めて参りたいと思います」と締めくくった。
なお、一般的には開通式を開通日の午前に開催し、午後18時までに一般車両の通行が可能になることが多いが、今回は日曜日ということもあり渋滞のピークを避け、開通時刻は21時と遅い時間に設定されている。