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UPQ、公道走行可能な折りたたみ式電動バイク「UPQ BIKE me01」公開

原付一種扱いで、2輪販売店などを通じて7月ごろ発売。12万7000円(税別)

2016年4月21日 公開

12万7000円(税別)

電動バイク「UPQ BIKE me01」

 独自の家電ブランドを開発・製造するUPQ(アップキュー)は4月21日、かねてから登場を予告していた電動バイク「UPQ BIKE me01」を公開した。定格出力は0.24kWで第1種原動機付自転車に区分され、公道走行が可能。軽量、コンパクトなフレーム構造で折りたたむこともできるようにし、持ち運びのしやすさにも配慮した。車両価格は12万7000円(税別)で、7月ごろの発売を予定する。2輪車取扱店などを通じて販売する計画としている。

可搬性も考慮した、短距離移動に適した軽量な小径2輪

商品説明を行なう株式会社UPQ代表取締役の中澤優子氏

「UPQ BIKE me01」は、これまで主にスマートフォンやテレビ、アクションカメラといったデジタル家電・デバイスの企画、製造、販売を行なってきた日本企業のUPQが手がける1人乗りの電動バイク。

 アルミや樹脂素材からなるシンプルなフレームに、直径315mmの前後タイヤ、後輪に設けられたインホイールモーター、前後機械式ブレーキディスク、モノクロ液晶のマルチファンクションメーターなどが組み合わされている。必要な保安基準も満たしているため、原動機付自転車としてナンバーを取得し、最高速30km/hでの公道走行が可能。

UPQ BIKE me01の主なスペック
前後ブレーキは機械式のディスク
大型のマルチファンクションメーター

 車両重量は約18kg。ヒンジ部分などにあるロックを解除することで簡単にコンパクトなサイズに折りたたむことができるため、そのまま手で持ち運んだり、クルマのトランクなどに収納して出先の移動手段として使うことができる。日常生活からレジャーまで、さまざまな場面で活躍するとアピールする。

 電源は充電式リチウムイオンバッテリーで、容量は316.8Wh(36V)。満充電にかかる時間は約3.5時間で、走行可能距離の目安はおよそ35km。車体に装備している1.0A出力のUSBポートを介して、スマートフォンなどの充電に用いることもできる。バッテリーは取り外しが可能となっており、付属ケーブルを用いて家庭用の100Vコンセントとつないで充電したり、車体の端子に接続してバッテリーを車両に取り付けたままの充電も可能な仕組み。

簡単に折りたたみが可能。女性でも持ち運べる
1回の充電で約35kmの走行が可能。電気代は約9円
給電用のUSBポートを1つ備える

 専用バッテリー「LB01」を標準で付属するが、オプションでも用意(3万4500円[税別])。それ以外のタイヤ、ブレーキパッド、ブレーキディスクなどの消耗品の販売、またはメンテナンスについては、販売ルートとして計画している各地の2輪取扱店を通じて受け付けるとしている。

予備バッテリーも販売される

軽快に楽しく走れるが、活用の幅はまだ狭いか

UPQ BIKE me01のキー。最近の自動車が備えるスマートエントリーキーと似たシステムになっている

 UPQ BIKE me01が披露された当日は、短距離ながらも報道陣向けに試乗会が行なわれた。

 車両の鍵は「パッシブキーエントリー」となっており、手に持ったりポケットなどに入れて車両に近づき、マルチファンクションメーターにある電源ボタンを長押しすることで電源がONになる。逆にキーを持ったまま車両から一定距離まで離れると、自動で電源がOFFになる。

 電動バイクのため動力はモーターだが、状況に合わせて加速度を変えられる変速機能(パワーモードのようなもの)が“1~4”の4段階から選択可能。走行中の変速に用いるものではなく、主に加速時のトルクを変えるためのもので、“1”がもっとも穏やかな加速になり、“4”が最大トルクで加速するモードとなる。

デモ走行する中澤氏

 モードを“4”にしてスタートすると、モーターらしいリニアなパワーでスッと加速していく。アクセルをラフに扱っても敏感な挙動を見せることはなく、全般的に穏やかに走らせることができるが、アクセル開度に応じたパワー感も得られる制御になっている印象。モードを“1”や“2”に切り替えると、いきなりフルスロットル状態にしてもじっくりゆっくり加速する。実用上は“4”のみか、もしくは“2”または“3”に切り替えることはあるにしても、4つ全部のモードを駆使することは少ないと思われる。

 スクーターのように足全体を乗せるような場所はなく、一般的なオートバイと同様に左右に開いたステップに足を乗せる。ややバックステップ気味なことと、車体自体は自転車並みの細さであることから、膝をどの位置に置いておくべきかやや戸惑うかもしれない。小径タイヤながらも車体の背は高いので、安定性の面では慣れるまで不安に感じるところはありそうだ。今回試乗した場所が路面に凹凸のほとんどない駐車場だったこともあり、タイヤがかなりの小径サイズであることも考えれば、公道走行の際には乗り味について大きく印象が変わる可能性はあるだろう。

ステップは一般的なオートバイと似ているが、ややバックステップ気味

 とはいえ、車体の軽さからくる操縦の軽快感を楽しみつつ走らせることができるのは面白い。折りたたんで持ち運ぶのも簡単で、駐輪場探しに苦労することも少ないと考えられ、都市圏での近場のお出かけには使いやすそう。クルマで出かけた先のちょっとした移動手段としても(その場所の路面状態にもよるが)、便利に活用できそうな予感はある。

 ただ、車両には収納スペースを一切備えていないため、買い物用途をメインにするのはやや難しいかもしれない。同社社長の中澤氏は、足下の空間に取り付けられる収納ボックスなど、オプション用品の検討も進めていきたいとしている。

筆者も試乗。軽快に走れたが、凹凸の多い公道上ではまた違った印象になりそうだ

UPQ BIKE me01主要諸元

UPQ BIKE me01
本体サイズ(全長×全幅×全高)約1220×610×985mm(ミラーを含む全高 約1220mm)
シート高約760mm
軸間距離約870mm
最低地上高約140mm
車両重量(バッテリー装着)約18kg
1充電走行距離35km(25km/h 定地走行テスト値)
定格出力0.24kW
バッテリー種類リチウムイオンバッテリー(取り外し可能)
バッテリー電圧・容量36V/316.8Wh
バッテリー充電時間約3.5時間
タイヤサイズ前輪:315mm 後輪:315mm
ブレーキ前輪:ディスク式 後輪:ディスク式
乗車定員1名

(日沼諭史)