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マセラティ、ブランド初のSUV新型「レヴァンテ」国内発表。価格は1080万円から

「レヴァンテ ディーゼル」は来春デリバリー予定

2016年5月10日 発売

1080万円~1279万円(レヴァンテ ディーゼルは未定)

 マセラティ ジャパンは5月10日、ブランド初のSUVとなる「レヴァンテ」を発売した。価格はレヴァンテが1080万円、レヴァンテ Sが1279万円でデリバリー開始は9月ごろを予定。なお、来春のデリバリーを開始するレヴァンテ ディーゼルは価格未定で正式決定次第の発表となっている。ステアリング位置は、レヴァンテとレヴァンテ Sが左、レヴァンテ ディーゼルが右となる。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
レヴァンテV型6気筒DOHC 3.0リッターツインターボ(350PS/500Nm)8速AT4WD10,800,000円
レヴァンテ SV型6気筒DOHC 3.0リッターツインターボ(430PS/580Nm)12,790,000円
レヴァンテ ディーゼルV型6気筒DOHC 3.0リッターターボディーゼル(275PS/600Nm)未定
レヴァンテ S。ボディサイズは5003×1968×1679mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは3004mm。車両重量はレヴァンテ Sとレヴァンテが2109kg、レヴァンテ ディーゼルが2205kgとなる
レヴァンテ Sは「AFS バイキセノン・ヘッドライト」「LEDフォグランプ」を標準装備
フロントバンパーの下側中央部分をシルバー塗装してSUVテイストを強調
標準装着タイヤのサイズはフロント265/50 ZR19、リア295/45 ZR19だが、展示車両はオプション設定の20インチタイヤを装着。ホイールは「ネーレオ」と名付けられた5スポークタイプ。フロントブレーキはレヴァンテ Sのみ6ピストン・モノブロックを標準装備し、ほかのモデルでは2ピストン・フローティングとなる
レヴァンテ Sのリアビュー。リアコンビネーションランプは灯体の形状と発光スタイルを変化させたデザインとなっている
クローム・スチール製エキゾースト・デュアル・ツイン・パイプを全車で採用

地中海に吹く風を車名に与えられたレヴァンテ

マセラティ ジャパン株式会社 代表取締役社長 牧野一夫氏

 東京都内で行なわれた記者発表会では、マセラティ ジャパン 代表取締役社長の牧野一夫氏が登壇してプレゼンテーションを実施。冒頭で牧野氏は新型モデルであるレヴァンテの紹介に先立ち、マセラティの世界と日本でのビジネス展開について解説した。

 このなかで牧野氏は、地域別のグローバル販売で北米、中国を中心とした中華圏は対前年度比でマイナスとなっているが、欧州やアジアではプラスとなっており、とくにアジアでは大きな成長を見せ、売り上げ台数のランキングで日本は3位になっていることを紹介。日本市場でのマセラティ車販売は増加を続けているとアピールした。

 また、2014年に導入された「ギブリ」は、2015年には1300台以上の販売を実現してマセラティ ジャパンの販売台数増に貢献しているという。新たに発売されるレヴァンテは2017年から通年での販売となり、今年は来年に向けての体制固めの年と位置付けている。そんな新たなシェア獲得を期する期待のモデルとしてレヴァンテのお披露目を行なった。

マセラティのビジネス展開について解説する牧野氏。日本は国別の売り上げで3位となっており、レヴァンテが通年で販売されることになる2017年は大きな台数増を見込んでいる
ステージ中央のタープが巻き上げられ、レヴァンテが自走してお披露目となった
マセラティのデザイン部門チェントロスティーレによるクーペのような流麗なデザインで、ひと目でマセラティと分かるモデルになっていると解説する牧野氏

 ステージ上の登場したレヴァンテを、牧野氏は「マセラティのモデル名はおもに風の名前を使っています。『ボーラ』『カムシン』『シャマル』『ギブリ』などで、レヴァンテは地中海に吹く風の名前です。レヴァンテはSUVの形をした、惑いのないマセラティです」と紹介。また、レヴァンテはギブリのシャーシをベースにモノコックを開発し、50:50の妥協なき前後重量配分を実現。ギブリのシャーシがベースになっていることで、セグメントないで最も低い重心位置となっており、Cd値などの空気抵抗もギブリ同等の0.31を実測したことなどを紹介。「マセラティはレヴァンテに対し、そのブランドの原点であるスポーツカーのエッセンスを大幅に取り入れております」とアピールした。

 パワートレーンは60°V型6気筒 DOHCのガソリンツインターボとディーゼルターボの2種類で、ガソリンツインターボは2種類の出力を設定。レヴァンテでは最高出力257kW(350PS)/5750rpm、最大トルク500Nm/1750-4750rpmを発生。レヴァンテ Sでは最高出力316kW(430PS)/5750rpm、最大トルク580Nm/1175-4500rpmとなる。また、レヴァンテ ディーゼルのディーゼルターボは最高出力202kW(275PS)/4000rpm、最大トルク600Nm/2000-2600rpmを発生する。このエンジンと組み合わせるのは全車ZF製の8速ATで、マセラティがQ4と呼ぶAWDシステムによって4輪を駆動する。

 このほかに足まわりは、スカイフック・システムを持つエアサスペンションが全車に標準装備となり、車高を標準状態からリフトアップ側に2段階で+40mm、ローダウン側に3段階で-45mmの計6段階に変更可能。オフロードのロードクリアランス確保からシャープなコーナーリング、快適な乗降性などを使い分けられる。

レヴァンテ SのV型6気筒 DOHCガソリンツインターボエンジンは、最高出力316kW(430PS)/5570rpm、最大トルク580Nm/1175-4500rpmを発生
ZF製の8速ATはステアリングのパドルでマニュアル変速も可能
エアサスペンションにより、5+1の6段階に車高を調節可能。また、センターコンソールに設定されたスイッチを押すことで、走行モードを4種類から選択できる。パーキングブレーキは電気式を採用する
レヴァンテの主なスペック
レヴァンテ Sの主なスペック
レヴァンテ ディーゼルの主なスペック
来春のデリバリーを予定するレヴァンテ ディーゼルは価格も未定。決定次第改めて発表するとのこと

 このほかに特徴的な装備として、日本に導入されるイタリア車として初めて米Appleの「CarPlay」に対応していることを紹介。iPhoneなどに搭載されている音声アシスタントサービス「Siri」による音声コマンド操作が可能となり、Google マップや音楽再生などの機能を音声入力やタッチスクリーンで操作できる。また、現時点で日本国内でのサービスは始まっていないが、米グーグルの「Android Auto」にも対応しているという。

会場では展示車両を使った「CarPlay」のデモも実施。ステアリングに設置されたマイクボタンを押すことで音声アシスタントサービス「Siri」を利用して電話を掛けたり、音声入力でメッセージを作成して送信することも可能
センターコンソールの奥側にUSB端子とSDカードスロット、外部入力端子などを設定。 5.5インチ画面を備えるiPhone 6s Plusを収納できるスペースが用意されている

 牧野氏はレヴァンテについて「他のマセラティモデルと同等のオンロード走行性能を実現しつつ、もちろんSUVとしてこれまでのマセラティモデル以上のオフロードにおける走破性を高いレベルで実現。さらにもう1つの特徴として、『日常使いにもより適したマセラティ』ということがレヴァンテの特徴になります」と語り、さらに「レヴァンテは、一般的にはSUVというカテゴリーに分類されますが、我々は『新たなマセラティを造った』と自負しております。それは数値やスペックでは語りきれない、100年以上前にレースメーカーとして創業した当時から持ち続けている、変わらぬ走りへの情熱と、美しいものを造り続けたいというこだわり。これが脈々と受け継がれているのです」と、このニューモデルについて表現した。

広いラゲッジスペースも「日常使いにもより適したマセラティ」という要素
ラゲッジスペース両サイドに設定されたレールに、移動式のフックを設定
リアハッチは電動リフト・ゲートとなっている
レヴァンテ Sのインテリア。メーターはセンターにマルチファンクションディスプレイを備えるアナログ2眼式
インパネ中央にアナログクロックを備えている
オーソドックスな吊り下げ式のアクセル&ブレーキペダル
レヴァンテ Sのシート表皮は「アップグレード・レザー」を標準設定。ブラックのほか、受注生産などで多彩なカラーリングをオプション設定する
リアシートは40:20:40の分割可倒式。座面下のレバーでロックを解除する

(編集部:佐久間 秀)